メインイベントのあいだも、まるで間然とするところなく
辻ちゃんと加護ちゃんの13年ぶりの W(ダブルユー)復活という、いろんな意味で、いろんな感情が渦巻く、とんでもないステージの後を受けて、どんなステージ巧者であろうとも、やりにくいタイミングだっていうのに、ひなフェス恒例のソロステージに当選していた清野桃々姫さんが、しかし堂々と『Moonlight night~月夜の晩だよ~』を歌い切ります。
この意味でも、ほんとうにハロプロは、パフォーマンスの水準が高く、その層が分厚いと心から…って、俺、ほんとに、おんなじことばっかり言ってるな。
ライブは順当に Juice=Juice パート、アンジュルムパートを消化し(この辺は、後日、別の記事にて)、なんと、そのまんま モーニング娘。’19 パートへと進展していきます。このモーニングパートのMCで、石田亜佑美さん、客席の感情の機微を100%把握し切ったお知らせを。曰く「あれ?鞘師さんは?って思ったでしょ?…だーーいじょーーぶ!ちゃんと、このあと、でてくっから!」と、ニコニコと。石田あゆみん、たまに、謎のガラッパチ娘になりますよね(笑)。あるいは、鞘師さんがパフォーマンスせず今後の告知だけして去っていくといった “こんな鞘師凱旋は嫌だ” という話題がネット上で盛り上がっていたことを知っていたかのようです、石田さん。
現役メンバーのモーニング娘。’19 が、きっちり自分たちのパートを(新曲も含めて)演り切った後、アンジュルム 和田彩花、Juice=Juice 宮崎由加 による、”私たちにとって最後のひなフェス” といったMCを挟んで、いよいよ…といったところです。
やおら登壇するレジェンドたち
このパートでの楽曲披露は、次のとおり。
ひなフェス 2019 鞘師里保・道重さゆみ・新垣里沙 登壇分 |
---|
31.Only you by 鞘師里保 with モーニング9期、10期、11期 32.One・Two・Three by 鞘師里保 with モーニング9期、10期、11期 33.哀愁ロマンティック by 道重さゆみ with 譜久村聖 34.気まぐれプリンセス by 新垣里沙 with モーニング12期、13期、14期 35.Fantasyが始まる by 鞘師里保・道重さゆみ・新垣里沙 with モーニング’19 |
強すぎる鞘師里保
いきなりスクリーンに大きく抜かれる9期メンバー鞘師里保さんは…少し背が伸びていて、でも、変わらず頬がふっくらして愛らしく、しかし鋭い眼差しで、それはあたかも、あのキリ・ド・フォン・ルキアノスであるかのよう。
いや、鞘師さんが登場するや、その大歓声は千葉県全体を揺るがせようかというところ。私自身、その一部となっていながら、すごい歓声でした。こんな大歓声を、こんなに長く待たせただなんて、鞘師さんも罪な人ですよね。
あの、普段は寡黙で、あんまり喋らないけれど、その実、秘めた部分に熱い想いを隠し持っていた不器用なルキアノスが、ハロプロのステージに帰ってきました。そのまま、鞘師さんは、『Only you』と『One・Two・Three』の2曲を披露してくれます。現役モーニング娘。の9期、10期、11期を従えて。すなわち、ここで凱旋した鞘師里保を、譜久村聖、生田衣梨奈、石田亜佑美、佐藤優樹、小田さくらといったメンバーが迎えます。…これ、わたくし、どうしても、こう書きたいところです。鞘師里保の凱旋を、そうはさせじと、現役モーニング娘。の9期、10期、11期が迎え撃ったかのようだった、と。
それは、鞘師以下9期、10期、11期によるパフォーマンスが、鬼気迫る大迫力であったからというだけではありません。
鞘師里保さんが2015年の末に卒業してから3年と4ヶ月。この間、現役のメンバーは、何人かの仲間を見送りつつ、ステージに登り続けてきました。それでなくとも、ハロプロの他のユニットに比べて年間で踏むステージの数が違うモーニング娘。です。鞘師里保さんが海外留学している、そのあいだもずっと、現役のメンバーは客前に己れを晒し続け、ファンという名の厳しい目に触れ続けてきました。いかに本場で修練に励んだとはいえ、いかに海外で磨きをかけてきたとはいえ、客前で厳しい舞台を踏み続けた現役メンバーの3年と4ヶ月の差は、そう易々と埋められまいとは、それは素人である観客にも、容易に想定できるところです。
…とか思っていたところ、鞘師里保さん、現役メンバーに勝るとも劣らないどころか、やっぱり余裕でぶっちぎりのドセンターの超エースだったという次第。超、かっこ良いんですもの!
だからこそ、現役モーニング娘。の9期、10期、11期を「従えて」という表現にもなろうというもの。実に…実に、すばらしかった。
可愛すぎる道重さゆみ
続けてステージに登場するのは、6期メンバー道重さゆみさん。ステージには、前段から譜久村聖さんが残って、二人で『哀愁ロマンティック』を。
ちょっとね、道重さんと譜久村さんがペアでステージに立つだなんて、4年前のあの日を思い出しますよね、そりゃ。
参考記事
鞘師さんの凱旋に、道重・譜久村ペアと来て、ぶっちゃけお腹いっぱいです。少し背が伸びていた鞘師里保さんは大人になっていたし、道重さんは相変わらず人類の造形史上ぶっちぎりのダントツで可愛くて、しかもライブの前半には辻ちゃん加護ちゃんが登場してるわけですから、”お腹いっぱい” って表現そのまんまに、気持ち的にも、”もう一杯一杯で、これ以上は無理!” ってところですから、頭の冷静な部分では、この後に登場してくるであろうガキさんが少し可哀想だなとか思っていたりして。
新垣里沙が率いた若き現役の実力
しかし、辻・加護復活の大感動の後を受けて、やりにくいどころの騒ぎではなかったステージを、しっかり支えてみせた BEYOOOOONDS 清野桃々姫さん同様、いやそれ以上に、鞘師凱旋の大歓声と、衰えぬ道重さゆみさんの楽曲披露を受けて、どっこい、しっかり客席を煽りまくる5期メンバー新垣里沙は、これまた、すばらしかった。
その『気まぐれプリンセス』という選曲も良かったし、そのイントロでの変わらぬガキさんの客席煽りも良かった。実に良かった。そして、ガキさんのバックを務めるは、現役の12期、13期、14期。すなわち、野中美希、牧野真莉愛、羽賀朱音、加賀楓、横山玲奈、森戸知沙希が、7代目のリーダーを迎えて、魅力のお尻はぷりぷりプリンセスって、もう本当に、なんてシーンを見せてくれたんだと(ちょっと Berryz工房が混じった気もしますが)。
そして、この段階で改めて知らしめられるのが現役の凄みです。
先に鞘師さんと競演した9期、10期、11期の登場は、それは鞘師さんと一緒に過ごしたモーニング娘。としての日々もあっただけじゃなくて、鞘師里保のスキルが変にバランスを崩して突出してしまわぬように、しっかり鞘師さんに追従出来るだけの、お姉さん組としての熟練した技量が期待された采配だろうと、そう思っていたわけですが、この新垣さんと競演する(「共演」じゃなくて、あくまで「競って」一緒に演じる「競演」というわけであって、決して誤字じゃないです)12期、13期、14期といった(上に述べてきた理路からすれば、経験も浅く技量も拙いはずの)若い現役たちの『気まぐれプリンセス』に、OLDファンであればあるほど、射抜かれるものがあったのではないでしょうか。
ってね、ぶっちゃけ、牧野真莉愛さんと加賀楓さんが、すげえんですよ。…ああ、ほんとに、こういうのを見せられる度に、モーニングの全ライブにも通いたくなって、どうして自分がロスチャイルドの血脈に連なる者でないのか、その理不尽さに天を恨みたくなるってもの。すばらしかった。
いろいろと さすがだった道重さん
鞘師里保・道重さゆみ・新垣里沙の3名でのMCもあって、もう、この3人のMCってだけで大サービスなんですけども。
道重さんにマイクを向けられるも、言葉が出てこず指が震える鞘師さん、それでも、こう述べてくれます。曰く “わたしがモーニングでいたころ、ステージで一番に嬉しかったのが、これ(客席からの惜しみない大歓声を浴びてステージに立つこと)だったんだって“。この『ひなフェス2019』のライブを終えて、鞘師里保さんが、今後、どんな芸能活動を展開してくれるのか、そこに私たちがファンとして参加できる機会があるのか、そういった事については何ら情報は開示されませんでしたけれども。こうまで言ってくれるなら、少しは期待しても良いのかなって思いますよね。
もちろん、リハーサルで2回、鞘師に触ったとか言い出す道重さん、それでもまだ鞘師ロスが癒え切らないからと、「今も触って良い?」とか言ってます。やっぱり、この29歳を野放しにしちゃ駄目なんじゃないでしょうか、アップフロント。しっかり監視して、毎年 COTTON CLUB に縛り付けておかないと。そんでまた鞘師さんも「良いですよ」とか言ってるし、”触る” はずなのに、結局、道重さん、鞘師さんのことハグしちゃってるし、ガキさん、呆れてるし。
見てるだけで、いろんなもんが脳裏を去来します(それでなくとも、このレポは “参考記事” 多めでお伝えしております)。さすがです、道重さん。
さすがに、ほんとにもうお腹いっぱいだって思っても、まだアップフロントは許してくれません。
最後に、鞘師さん、ガキさん、現役の ’19 全員を率いて、道重さゆみさんがセンターで『Fantasyが始まる』を。…もうね、最後の最後に、道重さんが全部 持っていきましたよね。辻さんも、加護さんも、鞘師さんも復活したってのに、ガキさんもゲスト出演したってのに、それらの並み居る諸先輩方を迎えて(迎え撃って)現役メンバーもその力量を示しまくったってのに、最後の最後で、道重さんが全部持って行ってしまいました。
…さすがです、道重さん。
それでも、そうであるからこそ現役の凄みがかえって印象的だったりすることは、次のページで軽く触れて、詳細は別の記事にしようかと。
Sorry, the comment form is closed at this time.