それぞれの勝負の形も明瞭だった全ユニット競演の春の祭典、ハロプロひなフェス 2019/Juice=Juice & アンジュルム プレミアム

どこか懐かしい思いに駆られる BEYOOOOONDS

若いユニットほど、ちょっと見ない間に激変していたりしますよね。

わたくし、BEYOOOOONDS にあっては CHICA#TETSU の江口紗耶さんが可愛いなあとか思っていたんですが、同じく幼い愛らしさで注目していた 雨ノ森 川海 の岡村美波さんの顔つきが大人っぽくなっていることに驚いた次第。

Juice=Juice プレミアムアンジュルム プレミアム
04.都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて(CHICA#TETSU)
05.GIRL ZONE(雨ノ森 川海)
06.眼鏡の男の子
04.都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて(CHICA#TETSU)
05.GIRL ZONE(雨ノ森 川海)
06.アツイ! with ギター 宮澤茉凜

小林萌花さんが学校行事のため30日の公演を欠席し、31日にはしっかり参加して『アツイ!』でピアノを弾いていたこと、その31日の『アツイ!』には、LoVendoЯ から宮澤茉凜さんがゲストで登場してギターを披露してくれたことなど、トピックも抱負だった BEYOOOOONDS です。その宮澤さん、BEYOOOOONDS メンバーが中央のサブステージでパフォーマンスしてる最中にメインステージに登場するんですけども、平井美葉さんと里吉うたのさんが、サブステージからメインステージまで送風機を機関銃のように抱えてダッシュして、やおらギターを奏でる宮澤茉凜さんに左右から風を送っていたりとか、いろいろ面白い趣向満載でした。

だけど、一番に印象的だったのは、ハロコンに続けて披露された『都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて』が、異様に耳に残る良曲であること。ぶっちゃけ、今でも脳内に響いていたりします。その明るい旋律や、地下鉄についての蘊蓄が曲中のセリフに盛り込まれてるところなども、全部、なんか可愛らしくて頬が緩みますね。で、この楽曲、若いユニットにふさわしい可愛い楽曲である一方、どこか懐かしくありませんか。

いや、『眼鏡の男の子』から『文化祭実行委員長の恋』あたりの寸劇仕立てが、ずっと昔の初期ハロプロっぽさを思い起こさせるように、この『都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて』は、上手く言葉に出来ないんですけど、なんか懐かしさが漂います。ちなみに私が現時点で全ハロプロを通じて一番好きな楽曲は、モーニング娘。より『青春コレクション』だったり(謎の参考情報)。

ハロプロらしさとアイドルらしさの交差点 つばきファクトリー

つばきファクトリーは、5th シングルの新曲推しのようでいながら、やっぱり特色を出してきます。

まずは、春にふさわしい、新しい毎日へ向けての不安と裏腹な希望、そして自分が変わっていくことへの、ちょっとした切なさとを見事に歌い上げた『春恋歌』が押し出されます(参考:つばきファクトリー『春恋歌』が奏でる “春を迎える切なさ” は、つばきファクトリーそのものでもある)。この『春恋歌』に、つばきファクトリーが自らのユニットとしての色合いを託していることは、曲フリの口上でも明らか(浅倉樹々ちゃんが「春をお届けします」といった口上を)。

その上で、しっかり他ユニットとの勝負の土俵にも乗ってるのは、5th シングルの一方の楽曲をドロップしてまで『今夜だけ浮かれたかった』をブッ込んだところからも、超明らかで。

Juice=Juice プレミアムアンジュルム プレミアム
07.ふわり、恋時計
08.春恋歌
09.三回目のデート神話
07.ふわり、恋時計
08.春恋歌
09.今夜だけ浮かれたかった

この『春恋歌』と『今夜だけ浮かれたかった』の組み合わせが、いかにも つばきファクトリーらしいと思えるところです。

この『今夜だけ浮かれたかった』のぶっ込みにあたって、なんと、現在のハロプロにあってクールビューティーの代名詞でもある小片リサさんが、客席を煽ります。「(みんな幕張には)ブチ上がりに来たんだろ!?」って。このように、明らかに末っ子テイストを脱して、他のユニットとの勝負の土俵に乗ってる つばきファクトリー、そのパフォーマンスも、『今夜だけ浮かれたかった』の鉄板具合も、小片さんの客席煽りも、全部含めて、正しくライブで大盛り上がりに盛り上がる、本気のハロプロらしさをしっかり踏襲しています。

しかし、そのステージの鉄板具合、スキルの研ぎ澄まされ具合、ガチんこの本気でアスリートでもあるようなところは、まさしくハロプロらしさであると言える通り、他のユニットもみんなガチで鉄板の本気だったりするわけですけど、つばきファクトリーの場合、そのガチっぷりに加えて、儚げで消えてしまいそうな一瞬だけの貴重な少女の時間を象徴するような春の切なさが同時に歌われるわけで、言ってみれば、つばきファクトリーこそは、ハロプロらしさと、アイドルの儚さの交わるところなのかな、と。

この上、つばきの変わらぬ良さは「初々しさ」だとMCで断言していた新沼希空ちゃんのツインテールの可愛さにまで言及していては記事が終わらないので、これにて。

新しい色を模索し始めた? こぶしファクトリー

こぶしファクトリーの新曲は、これまでの “踏み止まって、それでも下を向かずに前に進む” といったテイストを、微妙に脱したものとなっているようです。『Oh No 懊悩』は、ある時期までのコミカル路線を踏襲したようなものともなっているし、『ハルウララ』は、これまでの “こぶしテイスト” からすれば、ずいぶん静かで落ち着いた曲調でもあります。

それでも、それぞれのプレミアム指定ユニットの楽曲をカバーするにあって、力強く明日に向って歩き続ける一方で今現在の立ち位置を見通せない不安も歌ってみたりするように、これまでの “こぶしテイスト” を完全に払拭しているわけではありません。むしろ、これまでの “こぶしテイスト” とは異なるかのような新曲2曲も、ゆっくり聴いてみれば、その “しっかり足下を踏み固めて前に進む” といったモチーフが静かに通底しているようでもあります。…そう思って見れば、そのような色合いが通底している中でのコミカル路線だったり、静かに落ち着いた路線だったりと、バリエーション豊富に展開していることについて、ついに こぶしファクトリーは、自らのオリジナルなグループの味わいを見出しつつあるのかなと。

その意味では、こぶしファクトリーこそ、今後の楽曲展開に刮目です。

Juice=Juice プレミアムアンジュルム プレミアム
13.Oh No 懊悩
14.ハルウララ
15.チョット愚直に!猪突猛進
13.Oh No 懊悩
14.ハルウララ
15.サンバ!こぶしジャネイロ

Juice=Juice プレミアムの公演では、花道からサブステージに向けて駆け出すタイミング、メインステージから花道へ降りる際の段差で、危うく野村みな美さんがコケそうになるんですけど、走ったまんま持ち堪えていたのが見事でした。

新曲の『Oh No 懊悩』について、曲中に手をつかって「O」と「N」の字を象ったフリ付があるから、そのタイミングで、みんな “懊悩 Jumping” をやってくれと、MCで井上玲音さんが客席に訴えかけます。楽曲に特徴的なジャンプといえば、つばきファクトリーの “サンライズジャンプ” が有名ですが、これが “マサイ許容” と誤解された挙句、昨今の つばき現場では、非常に厳密に “過度なジャンプ行為” が定義され、”統制されたジャンプ” 以外が禁じられるに至ったことを思うなら、近日中に こぶし現場においても何らかの注意事項が追加される流れになるのではないかと。

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続いてのページでは、カントリー・ガールズと、旗艦モーニング娘。’19 について


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