それぞれの勝負の形も明瞭だった全ユニット競演の春の祭典、ハロプロひなフェス 2019/Juice=Juice & アンジュルム プレミアム

主力を封印して15年をキーワードとしたアンジュルム

敵が超強力な武器をドッカンドッカン打ち込んでくるなら、それに余裕で応戦できるどころか、さらに上を行くド級に強力な楽曲が揃っているのがアンジュルムであることは、広くハロプロファンに知られたところですが。しかしながら、各ユニット鉄板中の鉄板を持ち寄って競い合うライブにあって、プレミアム指定のアンジュルムは、たとえば『大器晩成』さえも封印して、新曲の『夢見た 15年』をセトリに組み込みました。そして、自らのプレミアム指定公演のラスト、全ハロプロメンバーがパフォーマンスする曲として選ばれたのは、新曲の『夢見た 15年』が、そのアンサーソング的な位置づけでもある、かの『夢見る 15歳』です。

この記事の上にも述べたとおり、いろんな意味でアンジュルムは攻撃型のユニットです。あまりに攻撃に特化しすぎているので防御がなってないくらいで(笑)。その分、『大器晩成』みたいに、その攻撃力を全面的に展開できる楽曲を得ようものなら、ものすごい強さを発揮します。それが、それらの強力な自分たちの持ち味をほとんど封印して、『夢見た 15年』と『夢見る 15歳』をセットで押してきます。

この意味でも、30日の『Hello! Project 20th Anniversary!! プレミアム』だけでなく、今般の『ひなフェス2019』は、やはりハロプロの “歴史が可視化” されていたように思います。

Juice=Juice プレミアムアンジュルム プレミアム
19.恋はアッチャアッチャ
20.泣けないぜ…共感詐欺
21.タデ食う虫もLike it!
01.恋はアッチャアッチャ
02.マナーモード
———-
28.I 無双 Strong!
29.有頂天LOVE
30.夢見た 15年
31.46億年LOVE
—– 全現役メンバー —–
32.夢見る 15歳

繰り返し、アンジュルムは攻撃型です。リーダー和田彩花さんのビジュアルも攻撃型なら、中西香菜さんのメンタルの強さも、竹内朱莉さんの “うぇ~い” なノリも歌声の強さも、勝田里奈さんの自分を揺るがさぬところも、非常に攻撃力が高いです。上國料萌衣さんのルックスも強いし(背が小さくても絶対に目に飛び込んできます)、全方位的に前に出てくる船木結さんも、ハロプロに飛び込んできた川村文乃さんの信念も、それこそ『大器晩成』を感じさせる太田遥香さんの茫洋さも、キャラメイクで攻撃力にポイントを振り切っちゃってる感じがありますよね。

もちろん、室田瑞希さんや佐々木莉佳子さんなんて、最初っから守備のことなんて考えてない攻撃力の塊みたいなわけですし、このところの笠原桃奈さんの成長は、なんか “戦士” をクラスチェンジして “騎士” にしようと思ってたら “バーサーカー” が出来ちゃった感じで。

だからなのか、”歴史が可視化” されたとは言っても、それは、この6月でグループを去るリーダーについての “15年というキーワード” についてのことであって、全体的なセットリストには スマイレージ色が稀薄 です(『有頂天LOVE』と『夢見る 15歳』で、7曲中2曲なんだから “薄い” とは言えまい…って冷静な突っ込みは募集してませんのでお控えください:汗)。

この点、初期の頃からの楽曲を全般的にバランス良く配置してみせた Juice=Juice と好対照が際立つところで、ある意味で、スマイレージ薄めのアンジュルム濃いめってところにこそ、明日のアンジュルムの進む方向を示唆する意味での “歴史の可視化” が意図されているのかしら、と。

そして、なんと言っても伊勢鈴蘭さん、スクリーンに抜かれるドアップの笑顔の強力なことったら!。彼女もまた、ある意味、非常に強力な攻撃力を示したかと。

ひなフェス 2019 アンジュルム プレミアム 他グループによるカバー曲
25.タチアガール(スマイレージ)by カントリー・こぶしファクトリー
26.キソクタダシクウツクシク(アンジュルム)by つばきファクトリー・BEYOOOOONDS
27.旅立ちの春が来た(スマイレージ)by Juice=Juice・モーニング娘。’19

一転、他ユニットによるカバーには、スマイレージ色が濃いめです。

こぶしファクトリーによるカバーが『タチアガール』であることは、やっぱり こぶしファクトリーに何かしら重なるものがあるようで、実際、Juice=Juice が『旅立ちの春が来た』を担当してる辺りも、やっぱり演出の意図みたいなものが、はっきり利いてるような気が…

ひなフェス恒例 ソロ&シャッフル

恒例のソロ&シャッフルは、事前の抽選会の動画でも公開されたとおり、こんな感じ。

Juice=Juice プレミアム
17.お願い魅惑のターゲット(メロン記念日)by 羽賀朱音
18.印象派 ルノアールのように(エレジーズ)by 和田彩花・船木結・段原瑠々・山岸理子
アンジュルム プレミアム
17.ブギウギLOVE(カントリー・ガールズ)by 平井美葉
18.最高ミュージック(℃-ute)by 森戸知沙希・小関舞・里吉うたの・中西香菜・川村文乃

モーニング娘。’19 の羽賀朱音さん、たった一人で『お願い魅惑のターゲット』という激しい曲を歌い切ります(くどいから、あまり挿入してないですけど、素晴らしかった!)。

そして、事前の抽選がガチだとしか思えぬのは、ほとんど経験のない BEYOOOOONDS 新メンバーである平井美葉さんがソロに選ばれちゃってるところ。緊張したせいもあってか、途中で声がかすれてしまうところもありましたが、(微妙に誤魔化せる程度の “かすれ” ではあったけれど、慌てて喉に手をやったりと、”声がかすれてしまってる” ことが客席にわかってしまう挙動を見せてしまいながら)それでも、大きく動揺するところなく、最後まで歌い切って見せたのは立派でした。

メンバーには申し訳ないけど、こうしたアクシデントを介することでメンバーたちのプロ意識と根性が垣間見えるってところも、やっぱり、あったりしますよね。…と、そんな他のユニットのメンバーたちが示してくれたところについては、次のページ以下にて。


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