ダイナミックに魅力的に成長 その2 先輩たちの楽曲?
さて、上にも “Berryz工房のスピリットを継承” と、結成当時からのキャッチにも言及しましたが、今般のライブでは、セトリのパターンに応じて、Berryz工房の楽曲と、℃-ute の楽曲がカバーされています(セトリは、当記事の最後のページに掲載しますね)。
Berryz工房より |
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℃-ute より |
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いま、「カバー」と書きました。「スピリットを継承」とも書きました。
しかし、「継承」というのとは、ちょっと違うのではないかと、投稿者は思っています。 わたくし、ベリキューを愛する者として、Berryz工房のライブにも、℃-ute のライブにも、ずっと足を運び続けてきたので(あくまで参考|℃-ute 第三章の胎動 ~℃-ute 2015秋ツアー『℃an’t STOP!!』中間報告~)、以下に述べるところが、つばきファクトリーを愛するあまり目が曇っているわけではないと信じたいところです。
その端緒は、デビュー2周年の新木場ライブだったのではないかなと(参考|つばきファクトリー、幻の楽曲を甦らせるカバー曲から多彩なオリジナルまで 新木場デビュー2周年スペシャル)。このライブで、つばきファクトリーは、Berryz工房から『世界で一番大切な人』を披露します。
この『世界で一番大切な人』は、明るく楽しいテイストに満ちた、Berryz工房らしさ満載の楽曲で、(リリースそのものは2013年の『アジアンセレブレイション』のカップリングですけど)Berryz工房のラストツアーとなった2014年秋の『Professional』ツアーで披露されたもので、その時点で、オリジナルの Berryz工房によっても、ハーフでしか披露されていなかった楽曲。それを、つばきファクトリーは、2019年の新木場で、フルバージョンで披露したのでした。
初めてのフルバージョンでの『世界で一番大切な人』の披露でもあっただけでなく、あの楽しく明るい Berryz工房のテイストが、そのまんまではないものの、ある程度は“つばきらしさ”に変奏されながらも、比較的保たれたままパフォーマンスされたことに、ベリヲタでもあった私は目頭を熱くしていたものです。そして、それ以上に、その後に続く つばきファクトリーオリジナルの『表面張力~Surface Tension~』への、あまりにもスムーズな連続にも。
先輩の楽曲をカバーさせてもらっている、先輩の楽曲の力を借りている…と、そういう意味で、つばきファクトリーがベリキューの楽曲を自らのライブでパフォーマンスしているのではないと、そう思うのです。…という一文に“もはや”という副詞を添えるべきかもしれません。“先輩の楽曲をカバーさせてもらっている”のではなく、ハロプロの遺産を我が物として堂々と披露している、と。“先輩の楽曲の力を借りている”のではなく、先輩の楽曲に、つばきファクトリーとしての、新しい力を注いで、新しいものとして再生させている、と。
℃-ute の『Crazy 完全な大人』が、℃-ute の歴史の中で持つ意味(この曲のサンシャインでのリリイベで、単独武道館がアナウンスされた)を思って、そして、幼かった つばきファクトリーが「♪完全な大人」と歌うのを目の辺りにして、Berryz工房の『ジリリキテル』のオープニングの展開を つばきメンバーが堂々と再現しているのを目撃して(月光ツアー、今回が初めてってわけでもないのに)ちょっと熱い体液がこぼれたことは秘密ではありますが、もはや、つばきファクトリーが “先輩の力を借りている” わけではないことは自明ではなかろうかと。
すばらしかった。
ダイナミックに魅力的に成長 その3 オリジナルの鉄板具合
繰り返し、セットリストは記事の最終ページに記載するとして。
つばきオリジナルの超鉄板として『今夜だけ浮かれたかった』が挙げられるのは、もう、あまりに順当なので、ここでは避けるとして(参考|つばきファクトリー『今夜だけ浮かれたかった』はなぜ名曲か?)。って、最有力の鉄板曲を “避ける” ことができるってだけでも、つばきファクトリーの力量の成長具合が明らかだったりもするわけですが。
今回、強い印象を残してくれた楽曲として(もちろん全曲が印象的であるのは言うまでもないとして)『表面張力~Surface Tension~』と、『ふりさけみれば…』を挙げたいなと。
よくハロプロの(つばきに限定されない)いろんな現場で、イントロが響いてきたら “待ってました” という意味合いで「ぃやったああーー!」という声がかかることがありますよね。イントロだけで気分がどかんと高揚するって意味では、『表面張力~Surface Tension~』は、まさしく「ぃやったああーー!」って感じです。上がりますよね。特に、曲中でメンバーが3つのグループに分かれて3者3様のクラップを響かせる部分は、思わず(もっぱら「地蔵」で、ステージを見ることに集中するわたくしすら)そのクラップに合わせて身体が踊り出しますよね。
こうした つばきファクトリーの上がる楽曲は、『今夜だけ浮かれたかった』や『表面張力~Surface Tension~』意外にも、正規のシングル曲を除いてすら、『雪のプラネタリウム』や『可能性のコンチェルト』など複数曲を数えるに至っており、これに『低温火傷』や『初恋サンライズ』や『純情㎝(センチメートル)』などを考慮すれば、セットリストの中で(1)盛り上がりパートを複数つくることができるし、(2)個々にテイストが違うので、固めてまとめ打っても飽きられないというわけで、セトリ構成の幅がものすごく広がっています。
そんな“セトリ構成の幅”という意味で特筆すべきが『ふりさけみれば…』です。
今般のセトリにあって、『ふりさけみれば…』は、アンコールの1曲目。
盛り上がりの鉄板曲を続けて本編を終え、その盛り上がりのままに、客席からの「つばきコール」を受けてのアンコールで、この『ふりさけみれば…』という落ち着いた、目線を遠くに飛ばすかのような、静かな楽曲を持ってきます。
この緩急の付け方が(1)本編の鉄板曲で温まりすぎていたファンの体温をクールダウンさせる効果もあって、(2)ライブそのものを上手に着地させるのに効果的である上に、(3)続くライブ終わりのご挨拶への連続のスムーズさとエモーショナル具合を増幅し、(4)楽曲そのものも、しっとり落ち着いた楽曲でありながら、十分、この一曲だけで客席を納得させられるだけの内容を持っていることで、つばきファクトリー自体の力量をはっきりと示すものとなっているように思います。
以上を総合して、今般の つばきファクトリーの秋ツアーが示すものは、まさに“ダイナミックに魅力的に成長”した つばきファクトリーそのものでもあろうかと。
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さて、特定のメンバーや楽曲や、セトリの緩急的なところで、つばきファクトリーの示す魅力を述べてきた次第ですが、ステージで示してくれるメンバーの “わちゃわちゃ具合” や “コミカルさ” もまた一段と趣を深めているらしき つばきファクトリーです。投稿者が参加できなかったからレポもできていない各地のリリイベやライブの模様からも(11月3日の新潟公演は凄まじかったようですね)漏れ伝わってきますが、投稿者が参加できた横浜での様子は、次ページのとおり。
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