清水佐紀、その言動の向こうに Berryz工房と現場の風景が透けて見える カジュアルディナーショー ~みなさんからのリクエスト歌っちゃいます~

楽しかった分、何かを思い出すセットリスト

コロナ禍で延期になったディナーショーは、ステージの上もソーシャル・ディスタンス厳守ってことで、熊井ちゃんのショーと同様、生バンドも、ギターのリーさんとピアノのアラハタさんの2人体制。そのための専用のアレンジもあってのことか、いきなりの冒頭から『VERY BEAUTY』が “アコースティック Ver.” となっており、良い具合に染みます。

そんな名曲の素晴らしいアレンジからスタートしたディナーショーのセトリと構成は、こんな感じ。昼公演、夜公演とも同じです。

清水佐紀カジュアルディナーショー 2020年8月30日
01・VERY BEAUTY(Berryz工房)アコースティック Ver.
ご挨拶とカクテル紹介(Sの4乗|Spring Summer Shimizu Saki)
02・桜→入学式(Berryz工房)
03・春は来る(GREEN FIELDS)
皆さんからのリクエストやセトリのチョイスについて
04・ふわり、恋時計(つばきファクトリー)
05・灯台(松浦亜弥)
06・さよなら「友達にはなりたくないの」(後藤真希)
グッズ紹介と「おうち時間」の過ごし方
07・(Berryz工房)佐紀ちゃんのウクレレによる生演奏
ここからは夏の曲ですよ♪
08・夏 Remember you(Berryz工房)
09・夏わかめ(Berryz工房)
10・恋はひっぱりだこ(Berryz工房)
↓↓↓↓↓アンコール↓↓↓↓↓
11・単純すぎなの私…(Berryz工房)
12・友達は友達なんだ! (Berryz工房)

ご挨拶では、本来ならば春に開催しているはずのディナーショーだったから、元々のセトリの構成は違っていたこと、延期になって夏になったから、楽曲を春から夏にかけて「季節の移り変わりが感じられるように」組み直したんだとか。

このタイミングで、客席でのコールや発声は禁止ですよって注意事項も佐紀ちゃんが説明してくれるんですけど、上述したような具合に、心の中で「佐紀ちゃーーーん♪」とか言ってねと、なんだか嬉しそうにしていたのは夜公演でのこと。やっぱりお昼の公演は、ちょっと緊張していたんじゃないかなって思うところもあって(後述)、嬉しそうで楽しそうな佐紀ちゃんは夜公演で多めです。

後述する緊張してた事情とも関係するのか、1曲目の『VERY BEAUTY』や久しぶりにも程がある『春は来る』(GREEN FIELDS ← SATOYAMA Movement の企画で、光井愛佳さんや、後に Juice 初代リーダーとなる宮崎由加さんと組んでいたユニット)、さらには後輩の楽曲でもある『ふわり、恋時計』あたり、歌い終わって、あからさまに表情からホッとしてる佐紀ちゃんは、非常に可愛かったと再度お伝え。

やっぱり薄まることのない ファンとの風景(MC おうち時間で何してた?)

途中のMCでは、この自粛期間中の “おうち時間” で何をしていたかって話題に。先日の熊井ちゃんのディナーショーとも、半ば話題が被りながら、展開された話題は、こんなところで。

昼公演 おうち時間の過ごし方
  • リーさん
    大掃除と断捨離
    佐紀ちゃん「私も洋服捨てられない」
  • アラハタさん
    曲、めっちゃ作った
    VERY BEAUTY のイントロも、アラハタさんによるオリジナルの旋律だったようで、その才能に感激する佐紀ちゃん
夜公演 おうち時間の過ごし方
  • リーさん
    ビデオ見まくり、寅さんとコナン
    佐紀ちゃん「韓流ドラマにはまってる」

この夜公演の、リーさんのビデオ見まくりの話題から佐紀ちゃんの韓流ドラマへの展開のなかで(男子向け、女子向けに、それぞれ好適な韓流ドラマのオススメもあったりして)、アラハタさんも絡めて、やっぱり NIJI PROJECT の話題が出ますが、ちょっと乗り遅れたけれど改めてちゃんと知りたいというアラハタさんに向けて、しばらく “誰推しだ” とか、”どこが感動ポイントだ” とか話した上で、ここで佐紀ちゃんは、皆さんは「Berryz箱推し」ですよね、とか客席に話かけてニコニコしています。

その、皆さんは「Berryz箱推し」ですよね、という佐紀ちゃんの、何と言うんでしょうね、佐紀ちゃんの頭の中で当然の前提となっている風景というか、それが嬉しいですよね。あたかも親戚の幼い子が、このオジサンには甘えても大丈夫だと、そう明晰に陳述的に認識しているわけでなくとも、当たり前のように近い距離で接してくるのにも似て、”ああ、そう思ってるんだなあ” ってこと自体が、奇跡のように嬉しい気がします。

楽しかった分だけ思い出す Berryz工房

その他にも、特筆したいトピックは多々あるんですけど、それでもいくつかに絞らないと終わらないので、やむを得ず簡略に。

昼公演のグッズ紹介で、紹介すべきステンレスストローを落としちゃって大慌てしてる佐紀ちゃんとか、本来ならもっと大きなトピックとして扱わないとならないウクレレ初披露と生演奏による『蝉』弾き語りとか、その際に、しつこいくらい「やさしい目で見てね」を連呼する佐紀ちゃんだとか、アンコールでなんだかヨチヨチ出てくるわ、いろんなご挨拶をするにあたって、手の平をこっちに向けてパタパタ動かしてるとか、もう、ほんとうに可愛らしいところは山のようにあったディナーショーだったんですけども。

それでも冒頭から何度か繰り返しているように、そこに特に意味合いを込めて発せられるフレーズなんかじゃ全然ないのに、Berryz工房と、そして客席の風景と、そういったものを “当たり前の風景として認識してる” 佐紀ちゃんの言動のあれこれから、再帰的に佐紀ちゃんの言動の向こうに Berryz工房とその現場の風景が見えてくるような、そんなディナーショーであったということこそ、一番にお伝えしなきゃいけないかな、と。

おわりに 10人しかお客さんがいなくても

先に後述すると言った件、なんだか昼公演の冒頭は、ちょっと緊張が増していたように思えるってことなんですけどもね。

夜公演で、佐紀ちゃんはアンコールのご挨拶で、こんなことを話します。コロナ禍で世の中が大変なときだから、この場に来たくても来られない方がたくさんいらっしゃったと思います、と。続けて、来たくても来れない事情もそうなら、行きたいと思っていても、当選していても、今日、この場に足を運ぶことに躊躇された方々もいらっしゃると思います。だから、ステージに出て、たとえ10人しかお客さんがいなくても、出来る限り、心を込めて歌おうって思っていました…って。

そうしたご挨拶をしてくれて、思い返してみれば(前述のとおり)昼公演の冒頭は、ずいぶん緊張しちゃってるようにも見えたことの理由が腑に落ちた次第です。

とても楽しく、その分、Berryz工房を思い出すことも色濃くて、様々に心が揺れた清水佐紀さんのディナーショーでしたが、佐紀ちゃんが、そう思って心を込めて歌ってくれるなら、私たちも襟を正して、心でその歌を受け止めたいと、そう思った8月の終わりだったのでした。

(文=kogonil)

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