意図せぬ「ハロプロらしさ」を示しながら、不本意だった2020年を締め括るHello!Project Year-End Party 2020 第二部

樹々ちゃんの声と譜久村さんの完成度

夏のハロコンでも、つばきファクトリー浅倉樹々ちゃんの歌唱の大成長に腰を抜かしたとは報告したところでしたけれども。

今般の「Hello!Project Year-End Party 2020 第二部」での樹々ちゃんの登壇は、全員曲を除けば、つばきオリジナルから『イマナンジ?』、『意識高い乙女のジレンマ』と、シャッフルからの『ナミダイロノケツイ』の3曲。この全部で、明らかに樹々ちゃんだけ、声が違うっていうか、声量が違います。

もちろん全部のメンバーが素晴らしいことを前提に述べてるわけですけど、それでも敢えて。
樹々ちゃん、素晴らしいパフォーマーに成長中です。浅倉樹々ちゃんと言えば、それこそ激辛カレーからこっちのエピソードだったり、愛犬が好きすぎてちょっと…的なところばかりクローズアップされていたり、そうでなくとも、可愛いばっかりの、何というのか “愛玩系” とでもいうような取扱いが多かったやに思えるところですが、この樹々ちゃんの歌唱のダイナミックさと耳に飛び込んでくる迫力は、真面目に刮目に値します。

ぶっちゃけ、これは小田さくらさんや高木紗友希さんの域に手が届きつつあるかと。今はまだ目立たないけれど、将来、ハロプロ全体のエースすら、視野に入っているんじゃないかと。

一見すると突出して目立っているわけではないけれど、その完成度に見惚れると言えば、モーニングの慈母、譜久村聖さん。

今般、モーニング娘。は『LOVEペディア』を披露してくれまして。わたくし、個人的に、この『LOVEペディア』と『人間関係 No way way』の、ダンスっていうか、フォーメーションっていうか、コレオグラフっていうか、大好きでして。んで、これは後述するように、個人的に(今更で恐縮ですが)牧野真莉愛さんから目が離せない次第なんですけれど、ふと気がつくと、絶妙な感じに全体のバランスを取ってるのが譜久村さんなんですよね。

実際、ステージを見てると、フォーメーションを組んでグループでダンスしていても、個々の個性って際立ちます。ってか、それぞれのファンが見てるわけだから、ファンは自分の推しを見てるわけだから、いかにフォーメーション優先でステージを組もうとも、結局、個々の観客の印象には、個々の推しメンのテイストが色濃く刻印されちゃいますよね。牧野ラブリンさんとか加賀楓さんとか、もう、めっちゃくちゃカッコ良いし、石田亜佑美さんなんてステージの隅っこであってすらバッキバキだし、横山玲奈さんは何だかダンスしてる様子すら可愛らしいし、山﨑愛生ちゃんは、細くて華奢なのに、ちゃんと腰を回していたりして、うっかりすると涙ぐみそうになります… といった個々の個性も激しめなステージあって、やっぱり全体の雰囲気を上手に支えているのが小田ちゃんだったり譜久村さんだったりして、一旦、そう思って見れば、小田ちゃんや譜久村さんのパフォーマンスが、ちゃんと本人として楽しそうにしていながら、非常に教科書通りっていうか、そんなハローのステージに教科書なんてないわけですから、何というか、ステージ全体のパフォーマンスをバランスさせるための端正なマニュアルを自らのパフォーマンスによって日々更新しているというか… そんな感じのパフォーマンスなんです。ステージ演出を担当するスタッフすら意図していない “ハロプロらしさ” を身体全体で体現しているというか。

譜久村聖さん、その意味で、歴代最長にして最慈母のリーダーってだけじゃなく、いよいよハロプロそのものを体現しつつあるのかな、と。フクちゃん、本気で刮目です。

牧野マリアンばっかり見ていた

正直、目が離せませんでした。
上で、つばきの浅倉樹々ちゃんについて、いろんなエピソードや “愛玩系” の可愛らしさばかりが注目されるけど、昨今の歌唱の大成長には刮目だという趣旨のことを述べましたが、いや、それこそ野球だったり地元だったり道重さん愛だったり、グループ内の立ち位置だったりと、そのエピソードめいたところばかりが面白がられ、抜群のスタイルだったり小顔だったり写真集を超連発していたりと、そのビジュアルの整い具合に注目が集まりがちだった牧野マリアンさんですけれども、いや今更で恐縮なんですけれども、パフォーマンスが、本気で素晴らしい。

わたくし、ハロプロを見ていて、時々、その全体のプロデューサーやステージを演出している責任者の意図を越えたところで、裏方や演出側や仕掛ける方が、誰も意識してすらいなかった “ハロプロであること” が、時折、それこそ自然発生的に創発してしまうってことがあるように思っていまして。

例えば、可愛さ一点突破だと思われながら、水面下の白鳥そのものであったり、ファンとの関係性における誠実性にあって芸能史上有数の道重さゆみさんだとか、ステージの迫真性を維持したままコミカル路線を押し出した Berryz工房だとか、一時期のハロプロを牽引した℃-ute の躍進だとか。(※ この自然発生的なハロプロらしさの創発性を、意図的なスタッフ側の演出が殺してしまった例すら指摘できるかとも思いますが、まあ、それは別件ってことで)

で、今回は残念なことになりましたが、つばき小片さんの儚げな危うさや、樹々ちゃんの愛くるしさ、そして譜久村さんと小田ちゃんの自らをして教科書とするかのような完成度なんかも、そうした意図せぬ “らしさの創発” にカウントできるんじゃないかと思ってる次第ですが、その意味で、昨今の牧野真莉愛さんのパフォーマンスもまた、実に見事に仕上がっていると思えて、ほんきで目が離せない次第です。
いや、すばらしかった。

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他にも述べたいことは多々あれど、あんまり長文になっても何なんで、ページを切り替えつつ。

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