浅倉樹々、これまでとは違った「強さ」と王道を見せてくれた 21歳のバースデーイベント2021

おわりに 武道館に向けて Buono! の『ロックの神様』を

終盤は、ハロプロ研修生の楽曲と、そして Buono! からの選曲です。
ライブ終わりに樹々ちゃんが伝えてくれたところによると『Rainbow』パフォーマンス時には、会場のライトが七色のエフェクトで、客席が虹のようだったとも。

そして Buono! です。
お叱り覚悟で、ぶっちゃけ、かの鈴木愛理さん、夏焼雅ちゃん、嗣永桃子さんの、ハロプロの歴史の中でも必ず名前があがるほどのボーカリストが3名で響かせる楽曲を、樹々ちゃん一人でパフォーマンスするわけですから、ところどころ喉が辛そうだったりする部分があるのはしょうがないってところですけども(それでも、きっと樹々ちゃん本人は納得してないんじゃないかと思える節はあるし、もっと高みを目指すなら、ファンとして心からのエールを送りたいのは言うまでもないとして)、そんな、そもそも無理がある選曲を、しかし、堂々と、そして、嬉し気に、ステージ狭しと歌い上げている様子に… なんか、さっきとは別の意味でお叱り覚悟で、もう樹々ちゃん一人で Buono! を継いじゃってください!みたいなことを思っちゃって、眼から汗が出そうになります。

Buono! が好きで、Buono! 経由でハロプロにたどり着いたこと(いずれも、例えば樹々ちゃんの千夜一夜などにソースあり)から、ロックが好きで、時にそこらのファンなど置き去りにして、ロックへの熱い思いを荒ぶって語り倒すことまで、浅倉樹々さんについてのあれこれを知ってるファンにしてみれば、この選曲だけでなく、この楽曲を、樹々ちゃんが、それこそ嬉々として歌っている様子に、いろいろ揺れざるを得ません。

さらには、この2曲を披露するに先立って、樹々ちゃんは「武道館に向けて」これらの楽曲を選んだということを語ってくれます。
『Rainbow』にあっては、その歌詞は、支え合ったかけがえのない仲間との絆について触れています。負けないと誓って更なる高みへ、「虹のそのまた先」が目指されていることが、高らかに歌われます。そしてもちろん『ロックの神様』は、Buono! メンバー当人たちが、Buono! 単独武道館で歌いたいと願っていた楽曲です。
2014年9月のサンキューベリキュー武道館公演でセトリに組み込まれて「これは Buono! の武道館で歌いたいって思っていたから、ここで歌っちゃって、もう Buono! の武道館はないのかな…」と鈴木愛理さんが寂しそうに述懐してる場面が『Berryz工房&℃-ute DVD MAGAZINE VOL.5』に収められ、それから晴れて 2016年の武道館単独公演アンコールで歌われるまでの経緯は、それこそ言うまでもないかと)

あんなに、ちっちゃくて、可愛らしいのに『ロックの神様』をパフォーマンスしているときには、大きく見えます。
お誕生日のイベントってことで、終わりのご挨拶では、ご両親のことにも振れて「私はたぶん甘やかされて育ってきた」とも話してくれて、若干ウルウルとしてもいたような樹々ちゃんですが、率直に、全8曲、とりわけラストの Buono! 楽曲を歌い切って、晴れ晴れとした(ウルウルとして涙を堪えているようでもあったけど、表情は晴れ晴れとしていた)浅倉樹々さんこそ眩しかった。

Buono! の件だけじゃなく、モーニング娘。の超初期の曲からレジェンド後藤さんの楽曲、そしてプラチナ期やメロン記念日の楽曲まで、なんだか “王道” とも言えるようなセトリを組んだことで、浅倉樹々さんは(お祝いメッセージに応じて語ってくれたことにも関連して)このハロプロのステージに自分が立っていることに、いよいよ迷いがなくなったかのようです。
そんな樹々ちゃんは、来月には つばきファクトリーのメンバーとして単独の武道館公演を控えています。

私たちファンとしても、ここは一発、褌を締めなおしたいところかと。
そう、褌を締めなおして、こんなに素晴らしいハロプロの楽曲を響かせてくれる浅倉樹々さんの21歳が、今度こそ、幸せな一年であることを、心から。

(文=kogonil)

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