鉄板曲で幕を開けた怒濤の後半戦へ
18・『Fiesta! Fiesta!』 ええ、淡いピンクの衣装がとても愛らしいと、そういう内容のことを述べましたとも、わたくし。しかるに、やはり Juice=Juice 鉄板の勝負曲『Fiesta! Fiesta!』です。イントロからの上がり方が尋常じゃありません。もう超妖艶です。 オープニングの段原さんの、敢えて旋律を外すような叫ぶような歌唱も、松永里愛さんの流し目も、そして超意外なことに入江里咲さんの(あたかも当人が “待ってました” とでも言いたそうな)嬉しげな表情も、楽曲それ自体の強さをブーストしていて、まさにメンバーのパフォーマンスが補完されて超強力な楽曲が完成する瞬間を目の当たりにした気分です。 |
19・『GIRLS BE AMBITIOUS! 2022』 武道館のセンターに左右に貼り出す形で設えられたステージに広く展開して、メンバーたちは衣装の上着を脱ぎ捨てます。間奏の「♪るるるる」ってハミング、江端妃咲さんが担当なんですね。 冒頭で “Juice=Juice はもう別のグループ” みたいなことも記しましたが、鉄板の勝負曲から続けての『GIRLS BE AMBITIOUS!』ってわけで、いかにメンバーの入れ替わりがあろうとも、こうした楽曲の継承があるだけで、しっかりとグループとしてのアイデンティティが揺るがないことに、改めて驚きます。 |
20・『私が言う前に抱きしめなきゃね』 「グループとしてのアイデンティティが揺るがない」ってことなら、この楽曲のイントロで、ステージの中央にメンバーが集まって、軽く左足に重心をあずけて、全員そろって、右手で自分を扇ぐような仕草の振り付け、まさに Juice=Juice ですよね。そのタイミングで、嬉しげな表情も極まっていた植村あかりさんも含めて。歌い出しの松永里愛さんも含めて。 |
21・『Goal~明日はあっちだよ~』 『Fiesta! Fiesta!』があまりにも強力なので、どうしたって Juice=Juice 鉄板曲の筆頭に上がるのは避けられないところですが、しかし、他にも “泣かせる”、”明るいからこそ染みる” 鉄板曲を抱負に持つグループでもあります Juice=Juice。そんな一角を占める『Goal~明日はあっちだよ~』が、こんなところで。 誰かの卒業のタイミングでこの曲は、もはやズルいですよね。人間は、知覚刺激をそのまま受け取るだけじゃなくて、それを記憶やなんかと結びつけて、いろいろと脳内でグルグルするんですから、この曲は卑怯です。また段原さんと拳骨を合わせる稲場愛香さんが嬉しそうだったりするから! 高木さんと佳林ちゃんの斉唱を、井上さんと稲場さんが継いでいるのも、けっこう心に来ますよね。 |
22・『Magic of Love (J=J 2015 Ver.)』 横アリで鮮烈なフィナーレを飾った金澤朋子さんの超定番となった曲中のコールは、入江里咲さんに継承されたようです、「ここだよリサチ!」って。 もちろん、太陽とシスコムーンのオリジナルです。でも個人的には、2016年の冬ハロー以来(参考|「【楽曲レビュー】Hello! Project 2016 Winter セトリ全曲レビュー ~ハロプロ楽曲遺産の試み~」)すっかり Juice=Juice を代表する(そして太シス・リスペクトを忘れない)強い一曲となりました。 そして、その太陽とシスコムーンへのリスペクトという点でこそ、楽曲ガチ勝負という意味(上記リンク参照)でも、Juice=Juice というグループを饒舌に物語る一曲です。… そんな楽曲で、「ここだよリサチ!」って、新メンバーに受け継がれていくことも、なんか心の柔らかい部分を刺激します。 |
会場大拍手です。大拍手です。大事なことなので2回言いました。 |
23・『Familia』 ライブ本編ラストです。これまで『Fiesta! Fiesta!』からの怒濤の Juice 鉄板曲ばかりの流れですが、この『Familia』も、すっかり鉄板と化していますね。 これまで、パフォーマンスそのものに魅せられセトリの構成に流され、あくまでも Juice=Juice の真っ正面からのステージに惹きつけられていて、うっかり忘れそうだったことを思い出します。ええ、だって曲中、一瞬だったけど、稲場さんが泣きそうになってるんですもの。 |
拍手でコールされたアンコールとセレモニー
↓↓↓↓↓アンコール&セレモニー↓↓↓↓↓ 麗しいドレスで一人登場する稲場愛香さん |
24・『もしも…』(稲場ソロ) この武道館公演で見せつけられた範囲に限定しても、愛らしいコケティッシュさから妖艶な大人っぽさ、情感を込めて歌いあげるバラードから躍動的なダンスパフォーマンスまで、あまりにも多彩な(その上で高レベルな)側面を魅せてくれた稲場さん、どんな楽曲だって縦横に歌いこなすことは疑いない一方で、ラストのソロで披露するのは、この、どこまでもアイドルらしい一曲です。意外さに胸を突かれるってことがあるのだと、この歳で学んだ次第。 |
25・『シンクロ。』 一瞬、稲場さんのソロが続くのかと思ったら全員出て来て…白い清楚な衣装です。 歌詞の内容が、この日の武道館公演に相応しすぎて驚きます。 |
ここで稲場さんのお手紙朗読となります。
4歳から歌とダンスに触れてきたことから始められたお手紙は、ハロプロ研修生、カントリー・ガールズ、メジャーデビューの喜び、ファンからもらった “あざとい” との評価、活動休止期間、ハロプロ研修生北海道のリーダー的役割、そして Juice=Juice への加入へと、激動のアイドル人生を語ります。「後輩たちの むじゃきしゃ(無邪気さ)」と噛んでしまうのは、あえて “あざとさ” を演出したのかどうか…。「カントリー・ガールズとしての私は終わってしまいました」からの「(Juice=Juice に)暖かく受け入れてくれたこと」への流れに、聴いているこっちも、臍下丹田に力を込めていないと何かを流してしまいそうで厳しかったですよね、ご同輩!
そのままお手紙は、Juice メンバーへのメッセージ パートへと続きます。
「ヘンテコな天才」有澤一華さん、「笑顔の努力家」入江里咲さん、「美人なちびっ子」江端妃咲さんには、「もうすぐ新メンバーじゃなくなるね」って。その言い方もまた可愛かったりして。工藤由愛さんへは「道産子魂、全部託したよ!」って。松永里愛さんへは「たくさん刺激をもらったし、頼らせて貰った」と。井上玲音さんへはコメントにあたって、当の井上さんを探して「どこだ?こっちだ!」と、ややコミカルなところを挟んでから「ずっと笑わせて貰って、どれだけ救われたかわからない」と。井上れいれい、変顔マスターだったんですねえ。段原瑠々さんへは「本人からトップヲタだと認定された」とも。そして、三代目の植村あかりさんへは「自由な女神」だと繰り返して。
工藤タコちゃんが大泣きしてるのがスクリーンに抜かれて、かなり耐えるのに苦労したことは秘密です。稲場さんへの言葉を贈る際も、タコちゃん、泣きそうで、ほんとに可愛かったですよね。というわけで続いてご返礼とばかりに、メンバーからそれぞれ、ご挨拶と稲場さんへの言葉を。
江端妃咲 |
あんまり面白くないことも拾って笑ってくれた稲場さん 私、泣かなかったです |
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入江里咲 |
未経験だった私によりそって、できるまで教えてくれた稲場さん もうすぐ先輩になるので、稲場さんのように寄り添う先輩になりたいです |
有澤一華 |
ご卒業ありがと…おめでとうございます! 話しやすいと言ってくれて嬉しかったし、ステップなど、休憩時間をつぶしてまで、練習につきあってくれた |
松永里愛 |
背中合わせで歌うことが多くて、背中越しにパワーもらってました 泣いてストレス発散する私だけど、泣いたときは、いつもそばにいてくれた |
工藤由愛 |
人生で初めての先輩です 稲場さんの後輩なんだって、稲場さんに教わったんだって、胸をはりたい 道産子魂、かつぎます(ここで稲場さんから突っ込まれて)引き継ぎます |
井上玲音 |
本番前、抱きつきに行ったら泣きそうだから行かなかった。ごめんなさい 卒業を申し訳ないとは思わないでくださいね |
段原瑠々 |
いつも一緒に居てくれて、仲良くしてくれて、ありがとう 日常のまなかんも好きだけど、アイドルのまなかんが大好きです |
植村あかり |
おたんじょうび… ご卒業、おめでとう リーダーとしての初お見送りがまなかんで良かったな いろいろ言いたいことが渋滞しちゃって、すっかりツッコミ役になる稲場さん |
まあ、この日を境に新しい自分へと歩を進める稲場さんですから、植村さんが言いかけた「お誕生日おめでとう」は、間違いとは言えませんよね。植村さんがご挨拶してるあいだ、稲場さんが言う「なんか不思議な空間になってる気がする」ってのは、もちろん武道館全体が共鳴したのは言うまでもないとして。
26・『如雨露』 「きみ」と「わたし」が、心に寄り添う歌詞が印象深くてという理由で、それぞれ意味するものを思って欲しいと歌詞の内容から稲場さんがセレクトしたラスト楽曲。 最後の最後、真ん中の稲場さんにメンバーたちが寄り添うのは、ええ、定番だってわかってますよ、でもね… |
その『如雨露』終わりで客席に手を振りながら稲場さんが引き上げて会場の照明が落ちても、客席からの手拍子が止みません。
ダブルアンコールで稲場さんご挨拶です。万雷の拍手にやっぱり泣きそうな稲場さん、もう一度(マイクなしで)「ありがとうございます」と言ってから、改めて引き上げると、緞帳の向こうにメンバーたちが待ち構えています。
【番外】植村あかりの意外
稲場さんの卒業公演のレポだって言うのに、冒頭で工藤タコちゃんと松永里愛さんの躍進について述べてしまって恐縮至極なんですけど、せっかく恐縮したので、ややテーマからズレる所感をもう一つだけ。
植村あかりさん、美しく綺麗なお姉さんになることは意外じゃなかったけれど、こんなに堅実なメンバーとしてグループをずっと支えいてることは、正直、初期の頃の奔放な自由さからは、意外だったと思います。それは、オリジナルメンバーとしてってだけじゃなく、どんな楽曲にあっても、それが、どんなにステージの隅でスポットが当っていないところでのものであっても(当然っちゃ当然なんですが)きっちりパフォーマンスしていて、しっかりと Juice=Juice のパフォーマンスを支えています。
アイドルは早々に切り上げて本当はトリマーになりたい(参考|「Juice=Juice植村あかりバースデーDVD 2016 CM」)といった発言などから、どうも植村さんについては、その “奔放” な内実を見誤っていたかも知れません。
植村あかりさん、自由で美しい女神である通りですが、しかし、しっかり堅実でグループ愛に満ちています。すいませんでした。
「アイドル稲場愛香」再び
そして改めて。
今般の武道館は、アイドル稲場愛香を完遂したステージだったと思います。
セレモニーのソロ曲のセレクトについても、一部にいろいろと憶測する向きがあって、体調不良での休養からグループを変えて復帰といった、その歩んできた経歴に照らして、一部、辛い逆風もないではなかった稲場さんですが、繰り返し、愛らしいコケティッシュさから妖艶な大人っぽさまで、情感たっぷりにバラードを歌いあげる歌唱からダイナミックなダンスまで、無類の多彩さを “あざとい” という性質でまとめ上げて、しかし、多くのファンから圧倒的な好意を獲得したのは、アイドル稲場愛香の勝利と言う他ありません。
アイドルを武道館で区切って、その次の稲場愛香はどうなるか、楽しみでなりませんね。少なくとも、この日武道館で披露された楽曲の配信は、相当数のアクセスを稼いでいるのだとか。
稲場愛香(Juice=Juice)「もしも…」 |
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稲場愛香(Juice=Juice)「もしも…」本日5/30(月)24時配信スタート! |
【iTunes Store】 https://itunes.apple.com/jp/album/1624416178?app=itunes 【レコチョク】 https://recochoku.jp/album/A1021680632 【mora(ハイレゾ)】 https://mora.jp/package/43000030/UFDL-1498-HR/ |

terzo 初回生産限定盤A
ポニーキャニオン
Juice=Juice CONCERT TOUR ~terzo~ FINAL 稲場愛香卒業スペシャル 2022年5月30日 日本武道館 |
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中央に、左右に張り出したステージが設営 |
OA 『恋のクラウチングスタート』(OCHA NORMA|衣装初披露)西崎欠席 何故かクラップでのコールが武道館に響く 01・『Va-Va-Voom』 02・『プラトニック・プラネット』 里愛 斉唱からのニヤリ 03・初披露『POPPIN’ LOVE』 ご挨拶のMC 稲場「イヤモニにもかかわらず」 稲場さん、わざと噛んだな? 04・『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』 05・『STAGE~アガってみな~』 井上 ボイパ 06・初披露『ノクチルカ』 斉唱だけじゃない里愛 07・『Future Smile』 ゆめりあい 手つなぎ/有澤 バイオリン 08・初披露『G.O.A.T』 井上さんのボブ、可愛いね 09・『禁断少女』 待ってました! 10・『ロマンスの途中』 MC 入江「POPPIN’ のセリフ、どうでしたか?」 工藤「手足を存分にのばして!(タコだけに?)」 フラッシュで、ダンスパフォーマンス ソロを、江端 → 有澤 → 入江 → 里愛 → タコちゃん → 井上 → 段原 → 植村 → … → そして稲場へとつなぐ 11・『ポップミュージック』 ちゅるちゅる植村 以下、順次衣装チェンジ 12・『初めてを経験中』(有澤、入江、江端 + 稲場) 13・『好きって言ってよ』(タコちゃん、里愛 + 稲場) 14・『微炭酸』バラード版 (井上 + 稲場) 15・『続いていく STORY』(植村、段原 + 稲場 → 全員へ) 稲場さんが引っ込んで、のこりの8人で少し場をつないで… 16・『雨の中の口笛』(タコちゃん、里愛、有澤、入江、江端) 17・『Mon Amour』(植村、稲場、段原、井上) 18・『Fiesta! Fiesta!』 19・『GIRLS BE AMBITIOUS! 2022』 20・『私が言う前に抱きしめなきゃね』 21・『Goal~明日はあっちだよ~』 22・『Magic of Love (J=J 2015 Ver.)』 「ここだよリサチ!」 会場大拍手からの… 23・『Familia』 稲場さん泣きそう ↓↓↓↓↓アンコール&セレモニー↓↓↓↓↓ ドレスで一人登場する稲場愛香 24・『もしも…』(稲場ソロ)→ 全員出て来て… 25・『シンクロ。』 稲場 お手紙朗読 これまでの自分の歴史とメンバーへの言葉 タコちゃん大泣き&井上さんを探して稲場「どこだ?こっちだ!」 メンバーそれぞれ、ご挨拶と稲場さんへ 26・『如雨露』 ダブルアンコールで稲場さんご挨拶 |
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