モーニング娘。DVDマガジンに見る “継承の形”、最年少に背中を押され “先輩” になっていく「娘。」たち

譜久村聖と生田衣梨奈の自然な振る舞いに涙する

そんな15期が初めて参加したコンサートツアーの初日は、ハーモニーホール座間からスタート。さらには、このツアーでは、国立代々木競技場での公演も含まれていました(参考|「モーニング娘。’19、2019年秋ツアーのファイナルは国立代々木競技場にて!~来年以降の動勢に影響か?~」)。
15期メンバーたちは、座間の本番前、初めてのコンサートでお客さんの前に出る前にも、代々木の大舞台を前にした時にも、緊張のあまり泣いてしまいます。

もうね、モーニングに限らず、新人さんに限らず、メンバーが大舞台を前に緊張のあまり泣いてしまうってこと自体が、メンバーが自分たちの活動にいかに真剣に真摯に取り組んでいるかを如実に物語るものとして、ファンの心に迫るものがあるのは言うまでもないんですけど、それは一旦置いておいて。

この泣いてしまってる15期を、やさしく、慈悲深く、先輩として、お姉さんとして、そして、自分もかつてはそうだった者として、抱きしめてあげている9期メンバーの姿を見て、わたくし、思わず大量の体液を漏らしてしまいます。

ここは(いつものように調べたりせず)敢えて “印象” ベースで述べますが、あの伝説の横アリでファイナルを向かえた『ライバル サバイバル』ツアーを終えて、続く2011年の春ツアー『新創世記 ファンタジーDX 〜9期メンを迎えて〜』では、9期メンバーはいろいろ苦労していました。その、9期の苦労こそが、まさに印象深いツアーだったりしませんか、ご同輩。

それでなくとも、プラチナ期の研ぎ澄まされたパフォーマンスを引き継がねばならないというタイミングで、ずっと経験豊富で、ずっとステージに慣れている、それこそ “偉大なる” と形容されるような、高橋愛新垣里沙田中れいな道重さゆみ光井愛佳といった蒼々たる先輩メンバーへの追従を強いられ、幼い9期メンバーは、たいへんな苦労をしていました。

道重さんから引き継いで現在もリーダーを務める譜久村聖さんは、何やら先輩に叱られて(おそらく、それは叱った先輩が勘違いしたものだったらしいんだけど)何か言いたそうにしながら、しかし飲み込んでタオルで口元を押さえる様子が映像に残されています。サブリーダーの生田衣梨奈さんは、当初予定していた楽曲から外されたとも証言しており、実際、先輩たちも述べるところによれば、2011年の春ツアー『新創世記 ファンタジーDX』は、ツアーの実施が危ぶまれるほどであったとか。生田さんは後に、ハロプロ全体のDVDマガジンで、加入当初、覚えることが一番多かったタイミングが人生で一番キツかったとも述べています(Vol.59) 。

繰り返し、そんな9期が、今や最古参として、リーダー、サブリーダーを務め、初めての舞台を前に緊張して涙している15期を、やさしく抱きしめています。先輩としてというだけではなく、自分もかつてはそうだった者として、初めてのステージに挑もうとする後輩を、暖かく、やさしく抱きしめています。

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わたくしは、一応、アサヤン時代から(知識として)モーニング娘。のことは知っていて、はっきりハロプロに専心したのは6期メンバーの道重さゆみさん以来のことです。とか言いつつ、自分のアイデンティティはベリヲタってところに置かれていたりします。…ですから、譜久村さんも、生田さんも、なんだか老人の繰り言のようで恐縮なんですが、ついこのあいだ加入してきたような感覚が拭えずにいて、古い記憶が、なかなか体験によって上書きされずに困っていたりします。

そんな9期が、今、最古参として、15期メンバーを暖かく、やさしく、抱きしめてあげています。

上に述べたように、私にとって、いろんな現実を忘れさせてくれたような、徹夜であちこちの現場を渡り歩いたような、あの熱狂したハロプロというものは、もうありません(つばきファクトリーを今現在、激しく愛していることは、とりあえず秘密ってことで)。当時、私を熱狂させた、かつてのメンバーたちは、もうみんな卒業して行ってしまいました。モーニング娘。というグループは存続していますが、そこに、かつての偉大な先輩たちは、もう誰も残っていません。

しかし、かつて、あんなに幼かった新メンバーたちが、具体的な個々のメンバーの心身を介して、その具体性の向こう側で私たちを熱狂させていた何かを、着実に受け継いでいます

徒然に通販した(今は現場がないからね)DVDマガジンをのんびり鑑賞していて、その継承されている何かを目の当たりにして、自分でもビックリするくらい、いろんな体液を漏らした次第です。

繰り返し、泣いてしまってる15期を、やさしく、慈悲深く、先輩として、お姉さんとして、そして、自分もかつてはそうだった者として、抱きしめてあげている9期メンバーの姿に、心の敏感な部分を撃ちぬかれてしまったというわけです。

DVDマガジンに活写されるメンバーたち

これには、その座間の本番前の、代々木のステージ前の、特定の場面だけを描写しても効果は薄くて、15期の、上述したような魅力的な描写が、それに先だって収録されていることが文脈を形成していて、その文脈こそが効いてるようにも思います。その意味で、ほんとに今般のDVDマガジンは、偶然か意図的か、非常に見応えのあるものとなっていた次第。

というわけで、個々に印象深かった点を以下、点描風に。

(※ もちろん、全場面が印象深く魅力的だったことは当然として、個人的に強く印象に残ったところを抜き出していることはご了承くださいね)

譜久村聖 その幼さに隠された聖母の美しさ

譜久村聖さん、美しいですよね。

何より、後輩たちを見つめている横顔が美しいです。一緒になって戯けているようでいながら、後輩たちに、むしろ突っ込まれて叱られて、幼さを発揮しているようでいながら、やさしく後輩たちを見つめている譜久村さんの眼差しは慈母のようです。…きっと、自分が大好きだったモーニング娘。の姿を、自分と、自分の後に続く後輩たちのなかに、しっかりと見出しているから、譜久村さんの目線には、慈母のような暖かさが溢れているのではないかと。そんな、愛に溢れた慈しみの視線を後輩たちに向ける譜久村聖さんの横顔は、美しいです。

  • ツアー開始前の物販の写真撮影と思しき場面にテンション高めな嬉しそうな表情で現われる譜久村さん。衣装を見せびらかして「真っ白しろ!」とか言ってます。(Vol.126)
  • リハーサルで『好きな先輩』を歌う15期に、高橋愛さんの面影を見て取る譜久村さん。だから、個人的には、その方向を強めに出して欲しいけれど、まずは “ありのママの15期をファンの皆さんに観て欲しいから” あんまり指導めいたことは言わないんだとニコニコしています。(Vol.126)
  • ケータリングのお味噌汁の、味噌の混じらない上澄みの出汁だけを美味しいと強弁し、メンバーに試してもらうけれど、横やんにも小田ちゃんにも「混ぜた方が美味しい」と反撃されて、泣きながら従いつつ、白米アイドル “まいちゃん” の歌を創作するリーダー譜久村さん。(Vol.126)
  • 宮城公演で、石田家からのパンの差し入れに喜んで飛び出してくるリーダー。(Vol.127)
  • MCで、今はまだダジャレを考えていないと臆面もなく課題を先送りする牧野真莉愛さんに、驚いた+面白い、って複雑な表情で笑ってるリーダー譜久村聖さんですが、この譜久村さんの表情が、めっちゃ良くないっすか?(Vol.127)
  • 間もなくで~す、というスタッフさんの声がかかってから、ブドウ糖のタブレットを口に放り込む譜久村さん。本番直前に喉アメを舐め始めることを小田ちゃんに疑問視されていたことも相まって、Dマガスタッフが質問すると、すぐに(口の中から)無くなるから大丈夫、と答えてます。(Vol.127)
    そういうことがあってから、ブドウ糖のタブレットなのか喉アメなのか、口に放り込んでから、カリッとかみ砕く音も、なんだか艶やかですね。(Vol.128)
  • 自分の(3日後に迫った)誕生日を祝ってくれるステージがペンライトで自分のメンバーカラー一色に染まっていることを、舞台袖でめっちゃ喜んでる譜久村リーダー。経験豊富なわりに、案外、凱旋とか少なくて、こういう機会に恵まれませんでしたからね、フクちゃん。(Vol.127)
  • 小田ちゃんと一緒に、相模原公演を見学に来ていたOGの工藤さんとステージ終わりに楽屋裏で話している際に、イヤリングを間違って装着していることを工藤さんから指摘されて、譜久村さんは笑っています。その笑っているリーダー譜久村聖さんの(ライブ終わりの汗を拭った後ということもあってか)輝かんばかりの透明な笑顔は、この数年のハロプロの笑顔の中でも屈指の可愛らしさ。いや、譜久村さん、可愛いよね。(Vol.127)
  • 香川公演バックステージにて、うどん早吸いの圧倒的力量を見せる石田さんを、一撃で葬り去る譜久村リーダー。「みずきの吸引力、舐めんな」と言い捨てるも、嬉しそうに、そしてちょっと恥ずかしそうに笑ってるリーダー、可愛いですよね。(Vol.127)
  • 北川さんがお休みして、15期2人だけで『好きな先輩』を歌う15期のパフォーマンスを、Dマガのカメラに向って語っている譜久村さんの表情には、神々しいくらいの輝きが。(Vol.128)
  • ケータリングで、シチューに生タマゴを落として、カルボナーラ ライクな味わいになることを発見したリーダー譜久村さんですが、その一連の経緯で、15期の岡村ほまれちゃんに、普通に話しかけられて、普通に応答している【リーダー】フクちゃんが、ほんとに愛らしいですね。(Vol.128)

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そんな譜久村さんと同期の生田さん以降の個々のメンバーのあれこれは、次のページ以降で。

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