J-POPバラードのカバー曲ソロ披露で夏のハロコンから秋の延長戦公演を開催しているハロプロに、明るい話題が飛び込んできた。モーニング娘。’20、13期メンバー加賀楓が、加賀温泉郷観光大使に任命されたのだ。
このことが単純に明るい話題であることを越えて “壮挙” であることには、いくつもの理由を挙げることができる。その第一の理由は、2018年の就任以来、加賀温泉郷観光大使 加賀楓 が、なんと3年目に達しているということだ。
このことは、加賀楓の加賀温泉郷観光大使としての活躍が、単発の企画物としてのイベントではなく、実質を備えたものであることを物語っている。2018年の最初の就任時にも、就任を巡って多くの人たちの助力があったことや、その就任が石川県加賀市の関係者を越えて多くのファンに祝福されたこと自体が、ひとつのドラマとして感動を呼んでいたが、こうまでひとつの企画が継続するとなると(多くの利害がからんだ “仕事” であることを思えば一層)実際に加賀温泉郷や尽力した行政など、多くの関係者に歓迎されていることが明らかでもある。事実、この企画の実現に奔走したプランナーのツイートから、アイドルとしてのファン層を越えて、加賀楓が歓迎されていることは覗える。
第二に挙げられる理由は、この観光大使任命にあって、多くのファンの署名が行政を後押ししたことだ。多くのファンの存在をその背後に感じさせることで(大人の “仕事” の “実利” という点でも)広く加賀温泉郷のパブリシティに資すると判断されたこと以上に、加賀楓を愛するファンの声が、率直に温泉郷や行政に届いたことが大きい。
ハロプロのイベントを越えた、いわゆる “外の仕事” という意味で、この加賀楓の観光大使就任が、後に多くのアイドルに続いて欲しいひな型となったことが指摘できるとすれば、アイドルが降臨する先の地元の利害とアイドルを応援するファンの声が、このような形で呼応することもまた、今後のためのひとつのテンプレートとなることを(同じくアイドルのファンとしても)願わずにはいられない。
事実、既報のとおり、その署名活動にあっては、ファンの示した節度と地元の諸利害への配慮は、ある意味でファン活動の(ファン以外の社会からの目を意識した)新しい地平を示しているとも言えるのではないだろうか。
そして第三に、この就任劇が、地方観光地という視点からは、コロナ禍の苦しみの渦中のことであり、人知では如何ともしがたい巡り合わせの只中で、それでも明日に向って明るく前を向く一貫として執り行われたことだ。
加賀楓が所属する当のハロプロ自体、その実力を最大限に発揮できる従来のようなライブやイベントを開催出来ずにいて、メンバーたちだけでなく、スタッフたちもまた、その技量を十全に発揮できずにいる。ハロプロを愛するファンも、仕事柄どうしても感染するわけにはいかず、現場に参加することを抑止して血涙を流す者もいる。同じように、今般のコロナ禍にあって、経営上の問題だけでなく、長年培った接客の技やお客様との絆を錆び付かせぬよう懸命な観光地の人々から、こよなく温泉と加賀市を愛しながら、足を運べぬ旅行者たちもいるだろう。
なにかと沈滞しがちな事情には事欠かぬ、このような状況下での、堂々たる観光大使就任というわけで、これはアイドルの活動としてのテンプレートを越えて、コロナに対峙して明日の社会を担っていく私たちすべてにとっての希望とエールともなっている。
モーニング娘。’20、13期メンバーの加賀楓は、2018年から連続して、2020年もまた、多くの人々の幸せと笑顔を代表して、加賀温泉郷観光大使に就任した。
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