島村嬉唄が、再始動のデビュー前日にインスタライブで語ったこと

元カントリー・ガールズの “うたちゃん” こと、島村嬉唄が再びアイドル活動を再開したことは多くのファンにとっても驚きを持って迎えられたことだろう。

かつてカントリー・ガールズとしてステージに立った頃と遜色ない可愛さに、再始動までの間にSNSで発信していた “成長して毎日を楽しんでいる様子” から醸成された、ちゃんと月日を刻んだ現在の大人びた魅力が上書きされ、快哉を叫んだファンも多く、その島村の再始動の母体となる新アイドルグループ『きゅるりんってしてみて』が、ルックス的に粒ぞろいのメンバーから構成されていたことも、ファンに驚きをもって(好意的な色彩で)受け止められていた。

そんな『きゅるりんってしてみて』が、お披露目の初ライブを開催(1/23)するに先だってデビュー曲のMVを公開したことが、一部に波紋を呼んだ。

その波紋は、楽曲についての評価はともかく、島村がMV中で披露した「許してにゃん」を中心に渦巻くことになった。

言うまでもなく「許してにゃん」は、Berryz工房が活動停止してからカントリー・ガールズを率い、2017年に “ファンの皆さんからの愛を受け止めるアンテナ” を折りたたんで芸能界から引退した嗣永桃子のトレードマークとなったフレーズ&仕草だ。

このMVを公開するに先立って島村は、多くのファンが正しく「おそらく嗣永ももち先輩のことを指しているのだろう」と推察した、次のようなツイートをネットに公開していた。

この島村のツイートの文面からは、率直に島村の嗣永へのリスペクトと愛情が感じられる以上に、きっとファンの皆さんが、ずっと待ってくれていた皆さんが、喜んでくれるだろうという、そんな期待と “ちゃめっけ” すら、伺うことができるだろう。

ところが、実際にMVが公開されてみると、思惑通りというか、「うたちゃんが、そう期待しているのだろう」というところを正しく忖度したファンによる大きな好評の一方で、逆に “「許してにゃん」の仕草が、ももちと違う!” という指摘が飛び出したことから、新たにアイドルとして出発することへの “宣伝” に、ももち先輩を利用しているといった辛辣な意見まで飛び出すことになった。むしろ、ネットの一部では、批判的な見方が優勢であるようなサイトや掲示板も散見された。

以上までは、あくまで事の経緯をたどる前提であって、特筆すべきは、その後だ。
この思わぬ批判的なネットの反応を受けて、当の島村が、インスタライブで、しっかりと応答したのだ。(そのインスタライブは、「変なこと言っちゃって恥ずかしい」と言いながらも、「たくさんの人に知ってもらいたいから」ということで、アーカイブにして残されている|リンクだけでなく記事末にも記載)

そこでは、仕草が異なることは間違ったわけじゃなく、まるパクリになることを避けるため、あえて少し違った形で「許してにゃん」をしたことが述べられている。それにともなって、厳しく叱られたこともあったけれど、ももち先輩のことは「忘れられない」と、嗣永と、嗣永と過ごした日々への想いまでも語った。他にも、ハロプロに在籍当時から島村を可愛がっていた夏焼雅をはじめとする当時のメンバーたちとは今でも時には連絡を取っていることも、2015年のカントリー・ガールズ脱退の真相も、「今まで触れられなかったけれど」という大きなトピックについて、泣きながら、鼻をすすりながら、懸命にネットの先にいる人たちに向けて、島村は語り掛けたのだった。

そこでは(時に荒ぶっているけれど)現在のプロデューサーさんに声をかけてもらったからもう一度やってみる気になったということも、当時の事務所(アップフロント)には感謝しかないということも、このインスタライブで、島村をめぐって話題になった事柄について一通り本人がしっかり応答したと言って良いだろう。

さらには、おそらく、このことが最も島村の言いたかったことかとも思われるのだが、かつての脱退をめぐって、何かしら島村が話題になると当時のトラブルが掘り起こされて、今尚、島村の母親について悪く言う声が聞こえることに対し、強い調子で「お母さんについては、それは止めてください」と、はっきりと明言している。

上記の話題(「許してにゃん」仕草、嗣永先輩のこと、今でも仲良くしてくれるメンバーのこと、脱退の真相、現在のプロデューサー氏とアップフロントへの感謝、お母さんのこと… など、など、など)について、実際に島村がどのように述べているのかは、実際のアーカイブを参照してほしい。

大切なことは、本来ならばスルーしておけば良いような話題であろうとも、しっかりと本人が応答した、ということだ。それも、たとえば逆ギレとか、無理筋の釈明とか、そういう形ではなく、ちゃんと事情を誠実に説明するという形で。「これまでは触れられなかったんだけど」と、ずっとファンの間でも燻っていた話題であることまでも、ちゃんと理解したうえで。

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もちろん、島村の今後の活動がどのように展開するかは、別途、注視すべきだし、一方の側からだけの証言で懸案事項が解決するわけでもない(そもそも「解決」すべき「懸案事項」であるわけでもないことが多い)。また、アイドルとしての再始動については、こういった経緯とは独立にクオリティを評価すべきとする立場もあろう。

ただ少なくとも、2018年当時、”黙っていなくなっちゃって、ごめんなさい” と、ちゃんとファンに声をかけてくれた一人の愛らしい女の子の気持ちは、このインスタライブから感じ取れるのではないだろうか。

翌日はお披露目のライブだから、泣いちゃって目が腫れちゃうことを恐れていたことも含め。

(文=椿道茂高)

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