小片リサが奏でるニューアレンジの『低温火傷』が M-line Music に公開された意味とは?

小片リサの歌う楽曲が YouTube に公開されている。
これまでにも動画が公開されていた『Far away』や『真夜中のドア~stay with me』が、アップフロントチャンネルでの配信だったのに対し、今般は、M-line Music の公式チャンネルでの公開となっている。

その公開された楽曲は『低温火傷』。言うまでもなく、つばきファクトリーのオリジナル楽曲だ。

これまでも小片は、M-line Special のライブステージで、オープニングアクトとして参加した場合も、ゲストとして参加した場合も、オリジナルとは異なる独特のアコースティックアレンジで、この楽曲を披露してきた。今般、その独特のアレンジで、M-line Music の公式チャンネルで当の『低温火傷』が公開されたという運びだ。これまでのアップフロントチャンネルでの衣装や髪形とは、また別の新しい衣装と髪形で。

この小片リサの歌唱動画が公開されていることは、相次いで公開されていること以上に、つばきファクトリーの楽曲を独特のアレンジでカバーしたことや、M-line Music の公式チャンネルで公開されたことなどが注目をあつめている。それはもちろん、小片リサが、ハロプロとつばきファクトリーを離れて M-line Club へ移籍することになった経緯を踏まえて、ファンの慣用句としての「許された」と形容されるような小片の立ち位置において、過去に類例を見ないほどの “手厚い処遇” が際立っているからだ。さらには、元々所属していたグループとの関係についても、改めて注意を喚起する向きもある。

一方、この歌唱動画の公開にあって、”小片リサの声” ないし “小片リサの歌唱” に、強く心を動かされたと SNS 上で表明するファンもまた、非常に多い。そこでは、元々所属していた つばきファクトリーの楽曲を改めて小片リサがソロでカバーしたことよりも、小片リサがカバーするにあたって独特のアレンジで新たに録音されているということよりも、小片リサの響く声そのものが、小片リサの奏でる歌唱そのものが注目されている。小片が現在のような立ち位置に至った経緯を、その想像も含めて背後で動く様々な力学に絡めて面白おかしく取り沙汰するよりも、そうした従来的なファンによる “話題の取り上げ方” よりも、ずっと小片リサのアーティストとしての力量それ自体が注目されているといって良い。

繰り返し、小片リサは、つばきファクトリーというアイドルであって、時に面白おかしくおどけては愛らしい笑顔を見せていた。小片の復帰を心待ちにしたファンの中には、そうした “アイドルとしての笑顔” の復帰をこそ望んだ向きもあったようだ。しかしながら、そうした側面よりもずっと、歌と声によるアーティストとしての側面を強く押し出し、そして、その押し出しが正しくファンの感動と関心を呼んでいる。

繰り返し、小片リサが M-line Club に移籍する経緯についても、現在の立ち位置についても、ファンによっては様々な想いが複雑に交錯していることだろう。それでも、こうしてソロアーティストとして、”歌手 小片リサ” として、アイドルとは別の在り方を示していくことは、小片リサ本人にとっても、プロモートするスタッフにとっても、そして小片を待ち続けたファンにとっても、”新たな展開” という意味も込めて、かえって望ましいことだったのかも知れない。いや、多くの先人たちが示してきたように、歩んできた道のりが望ましいものかどうかは、やはり、これからの日々が証明することになるだろう。

まずは、公開された小片リサの “歌唱” が多くのファンの感動を呼んでいることを、記録として明記しておきたい。

(文=椿道茂高)

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