「前代未聞ってこういうことか」と全世界が納得した モーニング娘。’21 コンサート Teenage Solution ～佐藤優樹 卒業スペシャル～

メッセージと配信と、そして少しの涙と

メドレー終わり（いや、このメドレーだけでも、ほんまに素晴らしかったんですけど、そのメドレー終わり）に、ライブ本編の終盤ってことで、メンバーからのご挨拶があります。ほんとに「卒業セレモニー」的なところは極力薄めにしたみたいで、卒業していく佐藤優樹さんへのメッセージも、このご挨拶にまとめられています。だから、涙はぐっと少なめで。

舌足らずのようでいて、実はかなりしっかりしてるであろう山﨑愛生ちゃんも、お話の途中でお辞儀しちゃって、声がマイクに拾われなくなった ほまれちゃんも、佐藤まーお世話係というよりは、すっかり佐藤さんの親戚のおばさんであるかのような石田さんも、ほんとに見所だらけのご挨拶となったんですけど、個人的に印象深かった５点のみピックアップ。

1. 横やんの、あくまで日常的な楽屋裏での会話を崩さぬ雰囲気が、意外に刺さったこと
2. 「覚えていてください」的な語り掛けメッセージに、ちゃんと佐藤まーちゃんが「わかった、覚えとく」みたいに応答していたこと
3. まーちゃんにすっかり乱されて、苦言を呈することに時間を取られて、結果、あんまり語れなかった加賀ちゃん
4. 流れで当然のように話し始めようとして、小田ちゃんの順番を抜かす佐藤まーちゃん
5. ほんとにコンサートツアー中のとある公演であるかのようなつもりで話す佐藤さん。次のコンサートって、何か予定があるのかと

その理由がはっきりしてるところでも、なんで泣いてるんだか理由がわからないところでも、比較的終始、ウルウルしていた石田亜佑美さんはともかく、ほんとに、ビックリするくらい涙の少ない笑顔だらけの卒業公演だったのでした。Juice=Juice の横浜アリーナで、ほんとに文字通り笑顔で卒業して行った金澤朋子さん同様、明るく晴れやかに、佐藤さんは卒業していきました。

でもね。
そんな明るく晴れやかにカラッと卒業して行った（最後は、スタッフさんに「出なさい」と言われるから拍手を止めろとまで言った）佐藤優樹さんも、妹さんの指摘からの注意喚起として糠床とお味噌は取り違えやすいというエピソードを披露してくれたご挨拶で、スタッフさんに感謝し、メンバーに感謝し、めんどくさい自分を受け入れてくれたファンに感謝して、そうした感謝すべき出会いのすべてを造ってくれたプロデューサーつんく♂さんへの感謝を語る場面で、一瞬、涙を堪え切れなくなったようなところがあったことを、しっかり付記しておきたいと思うのでした。

そんな佐藤優樹さんが、武道館で最後に歌ってくれた楽曲が、各チャンネルで配信されてます。

佐藤優樹(モーニング娘。’21)「笑顔の君は太陽さ」本日12/13(月)24時配信スタート！

公式サイト ニュース詳細　佐藤優樹(モーニング娘。’21)「笑顔の君は太陽さ」本日12/13(月)24時配信スタート！

その配信楽曲は『笑顔の君は太陽さ』。
…　まーちゃんの最後のご挨拶じゃないですけど、ほんとに、今日のこの日があることを知って作詞作曲したわけでもあるまいに。そこはプロの技として、いかようにでも後から解釈可能なように、意味の空隙（あいまいさ）を大きめに取っておくってテクニックかも知れないけれど。それでも、毎度、こうまでピタッと嵌るところを見ていると、やはり天才なのかなと思いますよね、つんく♂さん。

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ホントに最後まで自由奔放なまんま卒業していきました。しかも、ちゃんと自覚があったと見えて、そんな自分の悪いところを、ちゃんと自分で列挙して、「すいませんでしたーーー♪」と笑って謝って、佐藤優樹さんは卒業していきました。

体調不良の原因に対処を余儀なくされた結果であるというのに、幾人かの前向きな笑顔の卒業にも似て、あまり寂しさや悲壮感を感じさせない卒業でありました。思うに…

思うに、自分の卒業の後に残される多くのファンやメンバーに、寂寥感や不安感を残さないようにしたいというのが、普段のモーニングの単独ライブみたいにやりたい、ということの真意だったのではないかと思うのです。

佐藤優樹、天真爛漫にして天衣無縫、自由闊達にして融通無碍であるようで、ほんとに優しい、思いやりの深いメンバーだったのだなと、今にして。

（文＝kogonil）