つばきファクトリー、12人体制の集大成で夢も叶えた メジャーデビュー6周年記念ライブ ~Moment~

有言実行つばきファクトリー

冒頭で安美ちゃんと小野田さおりんに託して述べたように、有言実行の度合いが凄かったつばきファクトリーです。
冒頭2曲め(『可能性のコンチェルト』)を終えて客席煽りを入れた後、4曲め(『ふわり、恋時計』)まで連続して、ようやくご挨拶の MC です。どうやら「今日は〇〇な私に注目してね♪」みたいな定型があったようで、優雅でエレガントな安美ちゃんや可愛いだけじゃない小野田さんについては、前ページで述べた通り。そして、他のメンバーのご挨拶は下記(↓)の通りです。

今日は〇〇な私に注目してね♪
山岸理子眼力強めな
新沼希空ロックな希空
谷本安美優雅でエレガントな
岸本ゆめのハンサムな
浅倉樹々ロックな髪捌き
小野瑞歩キラキラな
小野田紗栞今日の紗栞は可愛くない
秋山眞緒カッコいい歌とカッコいいダンスの
河西結心正統派ロックな
八木栞私の様々な歌声
福田真琳強気でロックな青つばき
豫風瑠乃ロックな音楽を楽しんでる

樹々ちゃんと河西ちゃんの発言が正確にメモれているかどうか超心許ないところですが、ショートで明るい髪色の岸本ゆめのさんが「ハンサムな」ことも、リーダー理子ちゃんの「眼力強めな」ことも、しっかりこの目で確認してきた次第です。”ボクシング” って指定されてるのにメイウェザーと対戦する際に一発蹴りを入れていたように、理子ちゃんが力強いのは「眼力」だけじゃなかったけどね。豫風さんがライブを楽しんでる様子は、もはやここで文字列によって報告するには及ばぬほど。

個々の楽曲の熟し具合が素晴らしい つばきファクトリー

たとえば、過去のアンジュルムのライブレポ(→ たとえば、こちら)では “アンジュルムは強い” と述べ、その根拠として『大器晩成』などの特徴的な楽曲を挙げて来ました。そして、その印象は、今も尚、変更はありません。アンジュルムの『大器晩成』、『46億年LOVE』は、ハロプロの全グループ、全歴史を通覧しても屈指の超強力な鉄板曲だと思いますし、『タデ食う虫もLike it!』の “誇れ!” といったあたりは、魂に刻んで、現世以外の億万世界に広めたいほど。いかに つばきファンであろうとも、『アドレナリン・ダメ』や『今夜だけ浮かれたかった』が素晴らしい楽曲であろうとも、個々の楽曲単独では、やはりアンジュルムに及ばないと、そう思っています。いました。

しかしながら。

上で名を挙げた個別の、いわゆる “強力な鉄板曲” ではなくて、そうではなく、保有する楽曲の “全部” が、好い具合に熟成の度合いを高めていて、楽曲個別の力もリリース時より徐々に増しているだけでなく、楽曲相互の流れやつながりが素晴らしくて、なんというのか、全般的に楽曲のインパクトが華麗で麗しくて… … そして、強力です、つばきファクトリー。
どこかに個別の突出した鉄板勝負曲があるってわけじゃなく、つばき楽曲の全楽曲が、すべて “準勝負曲” といった感じで(あるいは、パフォーマンスするメンバーの力量が)成長していて、セトリを縦横に組めるだけじゃなく、セトリとして披露されたときの心の持っていかれ方が半端ない次第。

オープニングからの、『マサユメ』 → 『可能性のコンチェルト』 → 『アドレナリン・ダメ』 → 『ふわり、恋時計』の4曲の流れが素晴らしかった。
もちろん『マサユメ』はつばきでトップを争う鉄板だし、『アドレナリン・ダメ』の必殺具合は言うまでもなく(『アドレナリン・ダメ』での小野瑞歩さんの声の響きも含め)強力なんですけど、それらをつないで、『可能性のコンチェルト』が、全然負けてないのが凄い… どころか、まさに『可能性のコンチェルト』それ自体が、いかにも強くて、なんか楽曲が熟成してるってイメージが強いのです。そして、これら強めでポップな楽曲に続けての『ふわり、恋時計』が(秋山眞緒さんのダンスも含め)、しっかり強めな楽曲を受け止めているのも驚くべきかと。加えて理子ちゃんぴょんぴょんしてるし、『アドレナリン』のフォーメーションに目を見張ったことは、すでに述べた通りです。

楽曲が熟した… というなら新曲は?って思っちゃいますけど、続く『スキップ・スキップ・スキップ』は、弾むような嬉しさに満ち溢れた曲で、メンバーたちのイントロの足さばきも刮目です。ここから、間奏のダンスパートで、理子ちゃん、まおぴん、岸本さんのトリオがフィーチャーされる楽曲が数曲ほど。

さらに一曲、あいだに入れてからの、『弱さじゃないよ、恋は』が、思いの外、力強い楽曲となっていて、ひょっとしたら『アドレナリン』に迫る勝負曲に成長するんじゃないでしょうか。メンバーたち、演出上、ステージの段差に座っての披露となった『弱さじゃないよ』ですが、座ったまんまのパフォーマンスであの声量ってのは恐るべきかと思います。

そして、弾む嬉しさに満ちた『スキップ・スキップ・スキップ』と、強力な楽曲として成長しつつある『弱さじゃないよ、恋は』をつなぐのが、”嫋やかで透明な つばき” の代名詞である『春恋歌』(参考|「つばきファクトリー『春恋歌』が奏でる “春を迎える切なさ” は、つばきファクトリーそのものでもある」)。何よりも驚いたことは、『スキップ』と『弱さじゃないよ』に挟まれて(それらをつなげていて)『春恋歌』が、ひとつも “弱い” と感じられないところ。つばき楽曲は、全部の曲が熟成してるって、確信するところです。あんまり報告者の主観的な感嘆の言葉を入れ込むと記事の信頼性が揺らぎますけど、しかし、素晴らしい!

続いて、新曲『間違いじゃない 泣いたりしない』ですが、なんか『弱さじゃないよ、恋は』 → 『間違いじゃない 泣いたりしない』って流れが美しいです。『アドレナリン』のフォーメーションに続けて、コレオグラファーさんに菓子折りもってご挨拶に行きたいのもこの曲だし、メンバーたちの足さばき(実際には、立って移動しながらの楽曲披露だから、”足” が可能な技って数少ないところ)実に多彩なバリエーションで見惚れます。繰り返し、たとえば、内側に蹴り上げるだけの動きすら、その単一の動きに、いったいどのくらいのバリエーションがあるものかと。

さらに、これらを受けての『意識高い乙女のジレンマ』については、上に『ふわり、恋時計』や『春恋歌』について述べたことと同じことが当てはまります。12人体制になる以前の9人体制の頃の楽曲、麗しく透明で初々しいグループのイメージが鮮烈だったころの楽曲も、熟成を重ねて独自の強さを醸しています。

樹々ちゃんが一人でソロで歌い出したので、てっきりソロでやり切るもんだと思ってたら、2番からメンバーたちが合流してきた『光のカーテン』。過去、武道館のライブで、八木ちゃんと真琳ちゃんセンターでバレエ風にダンスしており、それだけで美しかったところ、他のメンバーがそのダンスに徐々に同調してくる様子に鳥肌を立てた次第ですが、樹々ちゃんの斉唱に、ゆっくりと他のメンバーが同調してくるあたり、まことに見応えのある場面でした。す、す、素晴らしかった。

この後、バンドメンバー紹介となって、ベースが追加になってたけど、メンバーはキーボードのアラハタさんを始め、先日の Billboard Live TOKYO でのライブと同一だよね?
メモや意識の焦点が つばきメンバーへ向かっているため、このあたり超自信なし、ってことで。

そして後半戦、”つばきにこの曲があって良かった” と唸る『表面張力~Surface Tension~』から、可愛らしくて泣きそうな『My Darling ~Do you love me?~』へ、生バンドの演奏の効果もあってか、流れるような接続です。この2曲だけでも映像商品化してくれないものかと。続く『三回目のデート神話』では、オープニングからしばらく、きそあみセンターです。繰り返します、きそあみセンターです。大事なことなので遺漏があってはならないので、再度。新沼希空さんと谷本安美さんがペアでセンターです!(そして、上に述べたように、『意識高』、『ふわり』、『春恋歌』同様、近年のポップで強めな楽曲に、全然負けてない『三回目』)

本編ラストは、満を持して『今夜だけ浮かれたかった』。
小野瑞歩さん → 小野田紗栞さんの斉唱へとつながる直前、メンバーが、少しずつタイミングをずらして複数のカノンを連続させる、その皮切りが希空ちゃんであるところも、ほんまに一瞬も見逃せぬ『今夜だけ』となりました。

アンコール以降は、『笑って』と『帰ろう レッツゴー!』が披露されます。
明日もまた… って明るい情景を明るい旋律に乗せながら、しかし、何故だかモノ悲しい印象も鮮烈な楽曲であることで、ライブの〆めに最適すぎる『帰ろう レッツゴー!』はともかく、なんと(今となっては)比較的初期の楽曲といえる『笑って』が、あの初々しく透明なイメージを脱した現在の12人の つばきファクトリーがパフォーマンスして、しかし揺るがぬ名曲ぶり。

いや、ほんまに12人体制の集大成ですよ、奥さん!

そして最後のご挨拶

ラストの『帰ろう レッツゴー!』前に、メンバーからのご挨拶が。
その内容はメモしてきた限りで下記に掲載しますが、なんか豫風さんの「よっふーー!」も、真琳ちゃんの「こんばんワラビー」も、平常運転で、希空ちゃんなんて「6周年が迎えられるなんて… まあ、思ってましたけど♪」とか、最近定番の「~だなんて思ってもみなかった」を逆手に取って嬉しそうにケラケラ笑ってます。希空ちゃんの表情は、ほんとに独特ながら自然で、惹き付けられますよね。理子ちゃん、生バンド仕様のステージが客席に公開された瞬間、みなさん声出したかっただろうにと述べて、でも驚いたのは私たちも一緒だからと、みなさんの代わりに私たちが声出しときましたって、飄々と。

希空ちゃんのケラケラと理子ちゃんの飄々に見られる通り、6周年の記念ライブだからって、特に肩に力が入ることもなく、通常運転の つばきファクトリーでした。ええ、だからこそ集大成だったかと。

昼公演 お終いの感想 概要
豫風瑠乃よっふーー!
これまでのベスト5に入るライブになりましたっ!これから何があるかわからないけど!
福田真琳こんばんワラビー♪
ロックで勢いのあるつばき、唯一無二のグループで活動できる嬉しさを感じています
八木栞開演前の幔幕、ミュージカルとかお芝居みたいで嬉しかったし、ドキドキの高揚感が増しました♪
河西結心12人とみなさんと、バンドのみなさん(ちょっと忘れて、申し訳ない感じを出しつつ)この空間を楽しめた
秋山眞緒こんなロックなライブをするなんて!見て、うちらの衣装、真っ黒です♪
小野田紗栞可愛いだけじゃない紗栞を見てくれたかな?7年目は可愛いだけじゃない紗栞も出していくので!
小野瑞歩7年目に突入して、みんなともう小学校卒業くらい一緒にて、もう一緒に居ても「ウザい」とすら思わないくらい、何にも思わないくらい自然になって…
やだ、私、喋りすぎ?
浅倉樹々生バンドで夢が叶いました!
岸本ゆめの初めての会場やったけど、皆さんの顔が良く見えました
今日だけこんな口調で…「7年目もついてこーーーーい!」
谷本安美バンドのみなさ~~ん、楽しかったですかあ~~?(大爆笑)
新沼希空6周年が来るだなんて… まあ、思ってましたけど♪
7年目も頑張るので
山岸理子来たくても来れない人も多かったみたいで、愛されてるなって
幕が、あがった?おりた? みんな声出したかったと思うけど代わりに声出しときました♪

*****

そして最後に。
ほんとうに間もなくの卒業を控えての浅倉樹々さん、生バンドを背負ってのライブをやりたいという夢を叶えたロックな樹々ちゃん、素晴らしいパフォーマンスでした。

記事の冒頭に、卒業や生バンドといった文脈を踏まえながらも、しかし樹々ちゃんだけが目立つのではなく、12人全員が躍動していたということに触れましたが、やっぱり樹々ちゃん、エースの風格です。

みんな、どのメンバーを取っても、声量もあるし誰の声かすぐわかるんですけど、樹々ちゃんが発声すると、会場の空気が変わります。髪も短くして、ちっちゃいのが際立つ最近の樹々ちゃんですが、フォーメーションの然らしめるところ、センターに押し出てきた樹々ちゃんは背負っている後光が違います。2階席の遠くからでも、パフォーマンス中のニコニコがわかります。

もちろん、卒業後にはソロで芸能活動を続けてくれると言っていますし、それが未だ見ぬ樹々ちゃんのどんな魅力を満天に示してくれるか、それはそれで楽しみですが、グループのメンバーとして、みんなといっしょのフォーメーションを組みながら、その中で突出する浅倉樹々さんは、やはりソロでは見れない道理です。残り僅かなエース浅倉樹々の突出を、この網膜に焼き付ける得難い機会となった6周年記念ライブだったのでした。ええ、素晴らしかったですよ。

なんだか、あんまり特別に肩ひじ張らない感じである旨、上のご挨拶のところでも触れましたけど、こうなってくると、この先の卒業本番の『ひなフェス』が怖いくらいですよね。

(文=kogonil)

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