Juice=Juice、声出し解禁後初武道館に響いたファンの大コール

Juice=Juice 10th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~10th Juice at BUDOKAN

そんなわけで、2023年5月29日の月曜日、九段下は日本武道館にて、ハロー!プロジェクトの一角を担うアイドルグループ Juice=Juice の10周年を記念するコンサートが開催されました。

なんでも九段下からほど近い有楽町で遅い時間にオリジナルコンサートを開催していたハロプロOGが居たとか居ないとかで、ギリギリのスケジュールで九段下と有楽町をハシゴしたファンも居たとか居ないとか。

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オープニングアクトは OCHA NORMA から『ウチらの地元は地球じゃん!』ですが、なんか開演を待ってる時間に(けっこう長い)オープニングアクトのグループがステージに登場して来るのは、毎回、独特の興奮がありますね。オープニングアクトは、実際には公式の “開演時間” 前に行われるので、会場に駆け込んでくるお客さんも少なくなく、遠くセンターステージでパフォーマンスする様子を背景に、まだまだ動きが慌ただしい客席の風景の全体が、“さあ、いまから武道館のステージだぞ” って雰囲気を盛り上げてくれますね。

OA.ウチらの地元は地球じゃん!/OCHA NORMA

OCHA NORMA は自己紹介から。
OCHA NORMA のイベントやライブ現場にしっかり通っている方には叱られそうですが、しばらく見ないうちに、やっぱり若い子の成長速度は、時間の流れ方が違うようです。みんな綺麗になったなあ、って。先日、加賀温泉郷の観光大使に就任した中山夏月姫さん、メンバーが一列にならんで自己紹介してる中で、めっちゃ背が高く目立ちます。はっきりした顔立ち(っていうか笑顔がくっきり目立つって感じですけど)とも相まって、とても眼を惹きます。筒井澪心さん、なんか一番に歴が浅いってのが信じられないくらい、綺麗になりましたね。石栗奏美さんや窪田七海さんがしっかり口上を述べて、続くご挨拶の定型文を何人かのメンバーが手分けする、その間、リーダー斉藤円香さんが、ひたすらニコニコしてるのも、なんか味わい深いものになってきました。

イントロ前、3列縦隊に整列する際、ちょこちょこと微妙に立ち位置を調整してるの、可愛らしいですね、みんな。と、思ったら、楽曲スタートと伴に、いきなり動きが大きく激しめで驚きます。… 繰り返し、OCHA NORMA 現場にしっかり通っている方には叱られそうですが、ハロプロって、ほんとに困ったもんで、こうしたオープニングアクトで、わかってるのに術中にハマりそうです(かつて つばきファクトリーでハメられた者として)。

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ペンライトの煌きは従来通りですけど、やっぱりスタンディングが解禁になっているからか、左右に持ったペンライトを回転させたり… 会場に響く大きな歓声と伴に、懐かしい現場の風景が蘇ってきたようです。

ライティングのエフェクトから続けて、客席全体と対峙するメインステージに横一線に並んだメンバーたちが、最年少の遠藤彩加里さんから順番に、ソロで短くダンスする登場シーンへ。石山咲良さん、もとから美人さんでしたけど(セトリにも組み込まれてる『GIRLS BE AMBITIOUS』でも “黙ってりゃ美人” とか歌ってるし)今やすっかり妖艶です。幼い可愛さを脱していて驚くのは江端妃咲さんも!

いや、過去、Juice=Juice の大舞台で、何度も工藤由愛さんと松永里愛さんに着目すべきことを繰り返して来た当欄ですが、今や、工藤さんと松永さんの妖艶と完成は当然のごとく Juice=Juice の風景と化し、次世代が順調に… って、こんなところでこんな文言を連ねてはレポにならないので、先を急ぎましょう。

1. ロマンスの途中

オープニングは『ロマンスの途中』から。
なんか今般の武道館、序盤で Juice=Juice 初期の楽曲から初め、中盤で近年の楽曲から新曲までをまとめて披露し、後半では鉄板曲を集めてみました、って感じの組み立てです。繰り返し Juice=Juice 現場に頻繁に通っているファンからは叱られそうですが、緩いDDとしては、序盤で初期の楽曲からスタートって、ゆっくりと水に身体を慣らしていくようで、ありがたいところ。

最初のフレーズを歌い終えたところで、リーダー植村あかりさんが会場を煽って、Juice=Juice のステージの開演を宣言。もう、こんな些細な演出だけで、心が弱くなった長年のファンは危ういので自分で困惑します。ええ、演出も、その担い手があの幼かった植村さんだから、って点も。

上に述べたように工藤、松永以下の若いメンバーが順調に幼さから脱していく一方で、オリメン植村さんは当然として、この初期の楽曲を段原瑠々さん、井上玲音さんといったところが、懐かしいダンスで、いかにも軽やかに自分の楽曲としてパフォーマンスしている姿は、いろいろ染みるものがあります。その意味でも、序盤に初期の楽曲ってのは、なかなか見事な組み立てですね。

エンディングのキメの「ろーまんすのとちゅうっ!」って植村さんの歌割が思った以上に低く、重かったことも、こちらの背筋を伸ばすオープニングに相応しく。

2. イジワルしないで 抱きしめてよ

そのまま正面のメインステージで、やや左右に広く展開して。
江端さんの歌割のフレーズが井上さんに匹敵していることに驚きです。

いずれ Juice=Juice に限らず、楽曲それ自体の素晴らしさも当然ですけど、常に転変するメンバーたちの、その誰がどこを歌うのかってことが、都度、同じ楽曲ながら感動の部位が異なることに繋がっていて、まことに見応えがある次第。工藤さんや松永さん、これは誤解を恐れず率直な印象を述べれば、あまりにも完成度が高いもんだから、かえって目立たないほどです。段原さんも井上さんもその域にあって、だから若いメンバーたちのパフォーマンスが相対的に目立つんですけど、そのように書いてきて、はたと思ってみれば、じゃあ植村さんはどうなんだって。目立ちますよね、植村さん。

3. 裸の裸の裸のKISS

オープニングの3曲で、徐々にテンポを速めてくるような感じ。早口の歌割の松永さん、素晴らしいし、「♪きす して」と憂いを含む江端さん、先日までの幼さが嘘のようです。

レポする(ためにふり返っている)とき、そして読んでくださる方々が思い出しながらレポをスクロールするときは、お互いに、すでにコンサート全体を見終えた後で、その全体の印象との対比の上で諸々想起していることになるわけですが、実際にライブ中に個別の楽曲を体験中は、まだまだ全体は未知なわけで、その都度、その場その場での楽曲を全身で浴びているわけですから(とりわけ客席の発声が解禁されていることもあって)”素晴らしい” 以外、考えられませんよね(だからってレポでも語彙が貧困で許されるわけじゃないけども)。

実際、登場した正面のメインステージから、ほとんど動かないまま3曲披露するわけですが、もうこの段階で、十二分に熱かったりします。

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ここでようやくご挨拶のMCです。
自己紹介時の松永里愛さんの低めに落ち着いた感じと、入江里咲さんの弾むような嬉しくてたまらないと言わんばかりの笑顔の対比、これだけで唸ります。だからこそ、植村さんの言う “We are ~” が、感慨深かったりして。

生配信やライブビューイング向けにお定まりのご挨拶をしてから(個人的に入江さんの笑顔がめっちゃ笑顔で、それだけで泣きそうになったりしつつ)、いよいよ新メンバーの紹介へと流れます。

川嶋美楓さん、何年後かには超美人さんに成長するのが明らかなお顔立ちながら(きっと、お姉さま方の薫陶宜しく Juice に相応しい妖艶な美女に成長するでしょうね)、石山咲良さんから遠藤彩加里さんとのペアを見たいなどと言われてる間も会場をぐるりと見渡して、すでに嬉しそう。(参考|「モーニング娘。’23、アンジュルム、Juice=Juice、ハロプロ研修生ユニット’23 に参加する新メンバーが決定!」)

メンバーカラーがピュアレッドと紹介されて、武道館が真っ赤に染まって(しかしファンのみなさんのペンライト操作の素早さたるや!)嬉しそうだった笑顔を崩して、大きなタオルでめっちゃ目元をぬぐう川嶋さん(← めっちゃ泣いてる)。この一連の流れだけで、新人さんに甘くない保守的な性向を持つ古参ファンも、一気に川嶋美楓さんのファンになったのではないかと。

川嶋美楓さんは7月のライブには帯同し本格的な活動は秋ごろからだと、そう植村さんが紹介して、冒頭でも述べた通り、松永さんの促しでイヤモニを外して、会場の歓声を直に耳にして、もう一回泣いちゃう川嶋さんでした。
ええ、繰り返し、保守的で新人さんに甘くない古参ファンも、一気に…

4. プラトニック・プラネット

新人さん紹介から楽曲へのつなぎを工藤さんが。って、「それでは次の曲へ」を言い終えて、ほっぺをプクっとさせてるタコちゃん、妖艶なお姉さんになったと上で述べましたけど、やっぱり愛らしい幼さを残していますね。

メンバーたちはここで初めてセンターステージへと歩を進めます。
一旦オープニングからの熱が冷めたのを、改めて灯すような、ミディアムな楽曲を持ってきます。立ち上がりがゆるやか… かと思えば、この楽曲を終える頃には、すっかり冷めたはずの熱が戻っています。(いつも思うんだけど、この辺りのセトリの組み立てって誰が担当しているでしょう。毎回{とりわけ直で体験中には}素晴らしいので)

5. Future Smile

メンバーはセンターステージで四方の客席に対峙します。この辺りの流れるような場位置移動は、何度見ても感動します。

江端、入江の2名が本気で(楽曲によって)幼さを脱している一方で、松永、工藤の ゆめりあい が手をつないで移動する場面にも胸を突かれつつ、ステージ下からバイオリンを受け取って間奏で独演会に挑む有澤一華さんへと焦点は流れていきます。

有澤さん、もう緊張すら感じさせず、自ら奏でるバイオリンの調べにノリノリです。アイドルだってことを忘れてるのではないかとすら思えるほど、ノリノリです。顔の表情からバイオリンの調べに合わせた足踏みまで…。

いや、そんな有澤さんを左右から挟む段原さんと植村さんとか、その後を引き受けて静かなフレーズを重く発する松永さん… って、真面目に描写が追い付きませんね。

6. 全部賭けてGO!!

楽曲の切れ目の静寂を、引き続き有澤さんのバイオリン → 井上さんのボイパが破ります。このバイオリンからボイパへ続けて、旋律を斉唱する段原さんと植村あーりーと続けて個人技も遺漏なく炸裂中な Juice=Juice です。そのまま、会場に斉唱コールを段原さんがレクチャーしながら楽曲本編へ。

楽曲中盤の、腿の内側へ蹴り上げるような振りつけ、全員、打点も高く、動きも激しく、実に見物です。

7. ノクチルカ

急にテンポが変わって。
決めのフレーズを、大きく上体を回転させながら発声してる松永さん、なんで、あんな動きをしながら息が続くのか、ちょっと驚異的です。

そう思ってみれば、松永さんも工藤さんも(長年ファンをやっているこちらの時間感覚からすれば)つい先日まで幼い研修生だったのに… と、再度、そう思ってみれば、石山さんや遠藤さん、そして新メンバーの川嶋さんのこの先がどれだけ楽しみなことかと。

8. シンクロ。

段原さんの斉唱が染みますね。
それぞれの歌割で、植村さんと井上さんが見つめ合っていたり … そして松永さんと工藤さんが見つめ合っていたり。この『シンクロ。』で、松永さんと工藤さんに見つめ合わせるのは卑怯だと思うんですけども、先にセトリを組んでるのは誰だろうと述べましたが、個々の楽曲でのメンバーの動きを細かく演出してるのも、誰なんでしょうね。コレオグラファーさんなのかな。

冒頭部分の染みる斉唱は段原さんでしたけど、楽曲が店仕舞いする際の斉唱は松永里愛さん。染みます。

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ステージには、有澤、入江、江端、石山、遠藤の若いメンバーが5人残って(他のメンバーは衣装チェンジのタイミング)、江端ちゃんがトークを仕切る?MCです。軽くトークを入れて、そのまま5人で次の曲へ。

9. チクタク 私の旬

(有澤、入江、江端、石山、遠藤)
遠藤さんが背が高い一方、入江ちゃんが小っちゃくて(もしかして Juice=Juice で一番小さい??)、けっこう意外な感じです。しかし入江さん、やっぱり、めっちゃ笑顔。ハロプロのニコニコ笑顔クイーンと言えば、℃-ute の矢島舞美さんから つばきファクトリーの小野瑞歩さんってところかと思っていたんですけど、入江里咲さんのニコニコは異様に魅力的で、目が離せません。

この『チクタク 私の旬』という楽曲の流れに沿って、他のメンバーが、たとえば腕を組んで難しい顔をして表情を創っているようなところですら、入江さん、ニコニコです。まったく、困ったもんですね、目が離せません。

10. 背伸び

(工藤、松永、有澤、入江、石山)
江端ちゃんと遠藤さんが衣装チェンジに走り、有澤、入江、石山が残り、黒基調のシックな衣装に着替えてきた工藤、松永が加わります。

いえチェンジ前の赤を基調のチェックベースの衣装も、充分に妖艶で、それは Juice=Juice に相応しく、スタイルの均整の取れたメンバーが身につけて映える素晴らしいものだった次第ですが、しかし、あんだけ目が離せなかった入江さんの笑顔からも注意が逸れるほど、この後半の黒を基調の衣装は、それでなくとも妖艶な Juice=Juice メンバーの妖艶度をブーストしております。この後出てくるお姉さんメンバーの様子に、未だ見ぬ段階で恐れ戦くほどです。そんな衣装の松永さんや工藤さんは(以下、数行、自粛)。

それ(=自粛した内容)は、大人びたこの『背伸び』という楽曲の、どこかダークな雰囲気ともまた相まって、繰り返し、ステージの演出担当さんに菓子折り持って挨拶に行きたいほど。

11. SEXY SEXY

(植村、段原、井上、工藤、松永)
はい、お姉さん組の黒の衣装で、しかも楽曲が『SEXY SEXY』です。わたくしの報告もの凄い勢いで自粛しなきゃいけないわけですが、ここは植村さんと、そして膝下までのブーツで決めてきた抜群のスタイルの段原さんが あっ!何をする!うぇrtyjk(ドタバタと大きな音が…)

(何事もなかったかのように)あまりに魅力的なもんだから、もはや楽曲の云々といったところに注意が向かないことは、どうか許容されたく。

12. 愛のダイビング

(植村、段原、井上、江端、遠藤)
ずいぶん懐かしい… っていうと、また Juice=Juice のファンのみなさんに叱られるかな?
ファーストのアルバム曲ながら、何かと耳に残る楽曲でもあり、やっぱりリリース当時に在籍していたのは植村さんだけだっていうのに、何かと耳に残ることと同様、段原さん以下の(リリース時にはグループに参加していなかった)メンバーが自在に楽し気に楽曲を奏でます。… こんなあたりも10周年ライブに相応しいかと。

そんな段原さん井上さんの、おもいっきりタメを取った歌割に、ずっと後輩の江端さんが前々負けてないのが印象的で、楽曲終盤の個々のメンバーがソロっぽくダンスする場面ですら、江端ちゃんや遠藤さんが諸先輩方に負けてないし。

13. プライド・ブライト【新曲】

オープニングのベースの響きが熱い新曲です。
段原さんの歌割に続けて江端さんのフレーズって、やっぱり、江端さんがこのところ急激に幼さから脱しつつあるのは、一方的に客席から見てるだけの感想じゃないのかも。

ところどころキメるリーダー植村さんのドヤりも、フォーメーションも、全体的にカッコ良く、今後の Juice=Juice の鉄板になりそうな予感です。

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たった今披露した新曲のMVを公開しますよという告知(by 井上玲音)を挟んで、石山咲良さん、会場やライブニューイングに集うファンの皆さんへ声掛け… ですけど、石山さん、遠藤さんへの無茶ぶりも含め、つい先日まで研修生だったとは思えぬ熟練のアドリブ含みの会場イジりってことで。

続く3曲は、メンバーご紹介の『GIRLS BE AMBITIOUS』を挟んで、それこそ “予定調和” を乱すような楽曲(『あばれてっか?!ハヴアグッタイ』、『STAGE~アガってみな~』)をライブ中盤に入れ込んでみましたってところ?

14. あばれてっか?!ハヴアグッタイ

ライブも中盤ってことで、良い感じに盛り上がってるし、会場も温まってるし、客席のファンの生理的な身体も汗ばむほど代謝が上昇中ってことで、メンバーたちも好い感じに本来の旋律を(あえて)外して「♪あばれてっか~」とやってます。客席煽りも。

ただしね、上に述べたような意味で注目のライブ後半の衣装(繰り返し黒を基調)でもって、ステージに寝っ転がったりするのは、いろんな意味で反則ですよ!

15. GIRLS BE AMBITIOUS

“黙ってれば美人だと言われるけど実は元から美人” なのは、石山さん、ぜんぜん嘘でも何でもないよね。さらに、またもや Juice 現場に通い詰めてるファンの皆様にお叱りを受けるかもだけど、これ、毎度、メンバー毎に歌詞変わってる?
…申し訳ない。

必ずしも序列とか年齢順ってわけじゃないせいか、スクリーンにメンバーの影絵を表示しておいて、そのメンバーのパートが済んだら順番にカラーのポートレートに入れ替わっていくのは、親切設計でしたね。

16. STAGE~アガってみな~

入江さんのニコニコからは目が離せないと言いました。江端さんが好い感じに幼さを脱していると言いました。しかしながら、この『STAGE~アガってみな~』で客席を煽る入江、江端の挑発的な視線は、別の意味で驚きです。

静かに重い大物感というなら松永里愛さんですし、挑発の熟練具合はさすがに植村あかりさんに注目ですけど、里愛さんやリーダーに、入江さんも江端さんも全然負けてません。ライブの、単発のコンサートの進捗に伴ってメンバーの新しい魅力に気が付くって、実際、自分でもビックリしているところです。

余談を。
2021年に参加したメンバーって、別のグループも含め、まことに将来のハロプロを担う逸材であったかと。有澤さんの無事な回復を祈ります(「​Juice=Juice 有澤一華 パフォーマンス制限に関するお知らせ」)。

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