怒涛の52曲全ステージレビュー!『ソロフェス』で示されたハロプロがハロプロたる理由

46 小野田紗栞(つばきファクトリー)
   松浦亜弥『ね〜え?

事前メッセージ
かわいさをいつもの何倍も出して、さおりらしく頑張ります!!!

自分をアピールさせたら右に出る者がいない小野田紗栞さんです。楽曲セレクトも、可愛い自分にピッタリなんですって。…さすが。

いやしかし、おっしゃるとおり、自粛期間中に微妙にふっくらしたのか、頬もツルッツルで、確かに可愛いし、間奏中に入れ込んできたスマホでの自撮りシーンなんかも、いや、ほんまに可愛いので、脱帽っす、さおりん。そんなに緊張しないで楽しんでパフォーマンスできましたって言うのも、収録当日の自分のコンディションが良いことに自覚があったようです。伊達に「自分可愛い」を押してるわけではないようです。…いや、さすが。

47 一岡伶奈(BEYOOOOONDS)
   氷室衣舞(CV 菅谷梨沙子)『エレガントガール

事前メッセージ
落ち着いた「エレガント」さに注目して下さい!

パフォーマンス前の意気込みコメントで「私は普段、抜けてるとか言われガチなんですけど」と一岡さん、自覚があったのは、逆にエラいと思いませんか。でも、そればっかりじゃく、ちゃんとカッコ良いところもあるんだというところを見て欲しいと言います。

そして歌うは、なんと『極上!!めちゃモテ委員長』のエンディングテーマ!
いや、思えば、ほんとにハロプロは幅が広い楽曲を世に輩出してきたもんだと。そして、その幅広い楽曲は、その場限りでは決して終わらず、こうして後輩によって、思わぬところでカバーされます(だって、メロウクアッドの『エイヤサ!ブラザー』ですら、つばきファクトリーのバスツアーでコピーされましたからね|「つばきファクトリー、メンバーもファンも初のファンクラブツアーを喜ぶ気持ちが満ち溢れる “キャメリアンジャーニー” in 長野」)。なんだかハロプロって奥深いなって思いますね。エンタメという産業というよりは、ひとつの文化だとも言いたくなる気持ちもわかります。

パフォーマンスにあたって菅谷梨沙子さんの映像を研究したという一岡さん、舞美ちゃんの促しに応じて、ちょっと迷いながら、それでも、ちゃんと自分はエレガントに出来たと思うと答えます。微笑ましいって言うか、なんか上手に記述できませんが、微笑ましすぎて涙が出そうです。

48 工藤由愛(Juice=Juice)
   モーニング娘。『SEXY BOY ~そよ風に寄り添って〜

事前メッセージ
ステージ上に隠れてるある物を一緒に探しましょう♥
“工藤由愛” らしさを全開にパフォーマンスします(タコ)

リアルなタコさんのポシェット、可愛いですね。…いや、リアルなもんで、可愛いのかどうか、わかりませんが。

それにしても、やっぱり昇格メンバーって、けっこう厳密に検討されてるんじゃないでしょうか。松永さんもそうですけど、Juice=Juice の新メンバーは、妖艶なお姉さんたちの中に混じっても見劣りしないメンバーが選抜されたんだなあって思います。正式にデビューして1年で、この『SEXY BOY ~そよ風に寄り添って〜』を、そのまんま、ひとりでパフォーマンスし切るとは。

ステージ上に、いろんなヌイグルミをばらまいて、間奏で、その中からタコさんを探すっていう自分アピールを入れ込んできますけど、これは全部自分で準備したんでしょうか。…かつて、ハロモニでプリンセス・ワイワイが登場する際は、ちゃんと道重さんが自分で風船を膨らませて準備していましたから、このヌイグルミばらまきも、後片付けも、ひょっとしたら工藤さん自分で全部やったのかな、って思いますね。

それでいて、終演後、矢島さんと言葉を交わすのが、一番緊張が目に見えていたりして。やっぱり、こういうところは幼くて可愛いですね。

49 竹内朱莉(アンジュルム)
   松浦亜弥 『砂を噛むように・・・NAMIDA

事前メッセージ
竹内、歌います。

パフォーマンス前の意気込みコメントも、さすがタケちゃん、落ち着いたもんです(「久しぶり過ぎて、無ですね」)。今や、モーニングの譜久村さん、生田さんと並んで、ハロプロ現役組で一番先輩になりましたもんね。

パフォーマンスそのものは、事前メッセージのとおり、「歌います」の一言が表すとおり、実に聴かせます
竹内さん、歌が上手いことは知っていましたが、やはり聴かせますねえ。様々なリソースの制約から、現場に足繁く通うグループを限定している報告者ですが、こういうのを見せられると、ハロプロの全部のグループに通いたくなります。その点で、ソロフェスの企画は、見事に成功しているかと。

歌い終わって、ステージが暗転してる最中、なんか自分の頬を自分でペシってビンタしてませんでした?。アレは、何だったんでしょうね。やはり、自分のパフォーマンスに物足りないところがあった、ってことでしょうか。終演後インタビューに出てくる舞美ちゃんも(親戚だからか)ちょっと笑いを含んでいて可愛かったりして。…タケちゃん、ずーーーっと、ハロプロに居てくれないかな

50 橋迫鈴(アンジュルム)
   ピーベリー『キャベツ白書

事前メッセージ
歌詞の中の自分は、孫なので 年齢を活かして
孫らしさを出すところです。

この『キャベツ白書』は、すっかり つばきファクトリーの曲って扱いかと思ってたら、まだ正式にはピーベリーの楽曲って扱いだったんですね(参考|「【短報】『ひなフェス2016』つばきファクトリー握手会レポ 朝7時から長蛇の列!」)。

歌で頑張りたいので、敢えて振り付けの少ない楽曲を選んだという鈴ちゃん、確かに「孫」に相応しいですし、これまで「ハロプロの母」ってメンバーはいましたけど、「ハロプロの孫」ってのは新しいかも。
やっぱり「♪これからは私たちが稲穂を守るから」って、上の参考に挙げた つばきファクトリーの時もそうでしたけど、若いメンバーがこの歌詞を歌うと、おじさんは、グッと来ちゃいますね。

すぐ前に登場したリーダー竹内さんの話題を出す舞美ちゃんですが、鈴ちゃん、これからアンジュルムの稲穂を守ってね。

51 小片リサ(つばきファクトリー)
   タンポポ『ラストキッス

事前メッセージ
自分らしさを大切に、丁寧なパフォーマンスをします!!

小片さん、事前メッセージの字まで綺麗なんだもん。パフォーマンス前の意気込みコメントも、アップで映る小片さんが綺麗すぎるから、そこに見惚れちゃって、せっかくのコメントが耳に入って来ないほど。

小片さん、話してる内容は、とてもしっかりしていて、まさに世界一頼れるサブリーダーなんですけど、その、しっかりした内容を伝える言葉、フレーズの締めの部分だったり、文節のつなぎのところどころが、微妙に幼くて、一人っ子で家族に甘えてるようなところが漏れ出てるのかなとも思います。小片さん、可愛いですよね。

それでもステージに出てくると、お顔立ちも、佇まいも、スタイルも、運足も、ステップも、全部、美しいです。でも、頭のフォルムが(ぶっちゃけ頭蓋骨が)綺麗に丸くて、それがやっぱり幼いイメージを醸していて、可愛いですよね。表情に乏しいようでいて、しかし、ほんとうに嬉しいときには目元がちゃんと笑っていたり、一見わかりにくいようでいて、実はいろいろ、わかりやすかったりする小片さんです。綺麗だし、可愛いですよね。

52 清野桃々姫(BEYOOOOONDS)
   モーニング娘。『What is LOVE?

事前メッセージ
精一杯頑張ります。

オオトリは、BEYOOOOONDS から清野さん。独学だというトークボックスってギミックを使用してパフォーマンスします。

こうしたオリジナルで独特なアレンジをすると、それなりに成功した場合でも、独特のギミックの持ち込みが面白かったけれど、楽曲そのもののパフォーマンスとしては微妙… って辺りに落ち着いたりするんですけど、しっかり『What is LOVE?』としても成立させていたのは、清野さん、お見事でした。

ただ、終演後のインタビューで、舞美ちゃんがトークボックスに興味津々だけど、説明されてもよくわからないって感じで、そんな舞美ちゃんを見せてくれたのも、清野さん、お手柄でした。

おわりに ハロプロの底力に結論が出せないエピローグ

ここまで読んで下さった方がいたなら、何名かのメンバーについて(いや、ほとんどのメンバーについて)投稿者の記述が的外れであることにご立腹かも知れません。そのことを自覚するのは、上記に縷々述べてきた印象すら、メンバーのパフォーマンスを視聴して得られた私の内面の動きの大部分を捨象して、意識に登ってきた断片のほとんどを捨て去った結果だから。

だから他様に、別様に、いくらでも述べられるってことが言いたいわけじゃなく、いかにもハロプロというブランドの底の厚さ、奥の深さ、メンバーの志の熱さ、そんなメンバーを育てられるだけのメソッドを培っている積み重ねに思い至って、改めて驚嘆し、(延々語っておいて何ですけど)語る言葉を無くす次第。

記述が難しいことの一例としては、メンバー相互投票で最優秀に輝いたアンジュルム川村さんのことを述べるについてすら、葛藤に直面します。
こうして52名の印象を延々述べてきたところからは、「たまたま今回は川村さんに票が集まったけど、優勝は52名全員だっ!」とか言いたくなります。しかし、優勝を舞美ちゃんから告げられて大泣きした川村さんの涙の背景を思えば、そう述べることは川村さんに失礼だなとも思う一方、同時にまた、その川村さんが涙した背景と同レベルで同濃度の物語は、他の51人全員がそれぞれに背負っていたりするものだったりして… … …結局、最優秀が川村さんだったと、たったそれだけのことを述べるにあたっても、うっかりしたことは書けなかったりする、そのハロプロの(ファンの視線込みの)奥深さが改めて感じられるというわけです。

だから、うっかりした結論も書けませんが、少なくとも、いろんな特典をつけて、このソロフェス企画、DVDにして販売してくれないかな、と。例年のカウントダウンがブルーレイになってるんだから、収録時間的なところは問題にならないでしょうから。 …か、買いますんで、お願いします!!

(文=kogonil)

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