15 小田さくら(モーニング娘。’20)
松浦亜弥『引越せない気持ち』
素敵な曲とがんばります!
歌姫だと思っているのは我々だけで、声変わりを迎えてから歌うのがずっと不安なんだと訴える小田ちゃんです。一体いつ声変わりがあったのかすら、私たちには、わからないというのに。
専門家であればあるほど、プロフェッショナルであればあるほど、素人にはわからない細部での差異が気になるとは、いろんな分野で耳にするところですけれど、こうした小田ちゃんの自信なさげな証言を聞いていればそれだけ、ああ小田ちゃんはプロなんだな、って思います。
番組が放送された後、小田ちゃんは自分のパフォーマンスが100%でなかったことを悔やんで、見てくれたファンに申し訳ないと思うとコメントを出していますが、確かに難しい楽曲ではあれど、アウトロで意図的に “どこも見ていないような虚ろな視線” をして見せたりと、素人のこっちとしては、「これでも100%じゃないってのか?」と思っちゃいますよね。
16 譜久村聖(モーニング娘。’20)
モーニング娘。『I WISH』
メンバーとファンの皆さんを繋ぐ曲だと思い、選曲しました。
事前のメッセージが全てを物語っています、リーダー!。
全メンバーが “リーダーとかそういうの関係なく” フラットに競うことになって、メラメラしてる子も戸惑ってる子もいるだろうと、ソロフェスの企画について俯瞰した見方を開陳しながら、それでも私は、”歌を届ける大事さ” とか、”歌うことが好きだったんだ” と改めて気付けるようなイベントにしたい、ファンの皆さんにも、”歌を聴くのが好きだったんだ” と改めて気付けるようなイベントにしたいと述べる譜久村さん。
もう、それが全てを物語っています。そのうえでこの選曲でしょ?。素晴らしすぎる。
バージョン違いのフリ付をミックスしたり、オリジナルで振りを作ったとも言います。背景のスクリーンには事前に自分で書いたという、メンバーがみんなで笑顔になっている絵も表示されたりして(しかもまた、年齢のわりに絵柄が幼いんですよね)。
そして、今この楽曲を歌う譜久村さんに、2019年のひなフェスで、加護ちゃんがこの曲を歌うステージのバックダンサーとして、楽曲を奏でる加護ちゃん辻ちゃんを、嬉しそうに見つめていた譜久村さんが重なっちゃって、うっかり泣きそうになったりして。そこは頑張って耐えたんですけども、ふくちゃんが、歌い終わりに満足そうな笑顔を見せてくれると、もう耐えられなかったりします。
待機場所からステージに向うにあたって、「よーーし、小田ちゃんが本気でやったから、頑張るぞ、私も本気で!」と低いトーンで語ってリングに向う戦士のような感じを醸していたかと思ったら、ステージに向って数歩だけ進んだ先から、こっちを振り返って可愛く「いってくるね、いってきます♪」と乙女なご挨拶を。そんなリーダーに向って、ガッツポーズをして送り出してる15期北川さん… …って、こんなところでも「幸せの風景」が。
思えば、ハロプロの「幸せの風景」にあっては、譜久村さんの存在がとても大きいと、この場面から改めて思い至ったりします。
歌い終わって、インタビューを始めようとする矢島さんの近くに走り寄る譜久村さん。か、可愛いですよね。
17 生田衣梨奈(モーニング娘。’20)
タンポポ『恋をしちゃいました!』
頑張って生田ーーー!!
意外な楽曲セレクトながら、さすが、危なげなくパフォーマンスし切る生田さんです。
しかしながら、楽曲のセレクトも、間奏でのラーメン完食チャレンジも、すべて全面的に “スベっていた” 生田さんでした。ただ、これは、この「スベる」ってことこそが生田衣梨奈の味であると自認して意図的に押し出されたものだったかと。
事前のコメントで「不安です」って言ってるのも、歌で勝負じゃなくてコンセプト賞を狙ってるという発言も、それは間奏でのラーメンの一幕を指しているのではなく、そこも含めた楽曲セレクト全体の「スベってる」こと自体を、意識して演出したことを指していたのではないかと。
そして、その意図的な狙いそれ自体もまた、思いっきりスベっていた生田さんですが、それでもやっぱり非常に端正なルックスは見物でしたし、パフォーマンスを終えてインタビューに出てくる司会の舞美ちゃんが、リアルに「ふふふっ♪」って笑ってる、その笑い声を引き出したのは大手柄です、生田さん。
18 里吉うたの(BEYOOOOONDS)
アンジュルム『魔女っ子メグちゃん』
緊張していますが、自分らしいパフォーマンスをお届けできるよう 精一杯 がんばります☆
里吉さんも自分でフリ付を作ったんだとか。この種のダンスメンが増えたせいか、そういえば、最近、ダンス部に見応えがありますもんね。里吉さん、知ってましたけど、可愛いですよね。
ダンスは並居る先輩方に引けは取らないにしても、「歌」って点で一抹の不安があった里吉さんですが、楽曲セレクトも良かったのか、まったく危なげなし。…でも、こちらも上の平井さん同様、ダンスが激しいパートではBGMに任せて自分じゃ歌わなくなっちゃうんですよね。いや、ほんらいグループで披露している楽曲をひとりでパフォーマンスするわけですから、しょうがないところもあるんですけど、もうちょっと聴かせて欲しかったかな、と。
歌い終わって、里吉さん、泣いちゃってます。それを小田ちゃんが慰めています。小田ちゃんの世話女房属性は、モーニングのメンバー以外にも余裕で発動するんですね。
ただ、歌い終わって緊張で泣いちゃうって、やっぱりソロでオリジナルな個性をパフォーマンスに織り込んでアピールするって課題、いかにもメンバーにプレッシャーなようです(そして、泣いちゃうほどのプレッシャーを感じながら、しかし、ステージではやり切るところもまた、素晴らしいわけで)。
19 浅倉樹々(つばきファクトリー)
Buono! 『れでぃぱんさぁ』
歌とダンスで勝負します ロックに可愛く頑張ります♪
樹々ちゃん、Buono! 曲からセレクトするだろうなとは思ってましたけど(わたくしのリクエストは、殻を破った樹々ちゃんが見たかったので、『ホントのじぶん』だったんですが)、まさか『れでぃ ぱんさぁ』とは。
髪が少し伸びてポニーテールにしてる樹々ちゃん、美人さんになりました。みんな、人によっては泣いちゃうほどのプレッシャーだというのに、樹々ちゃん、「久しぶりのステージで、ちょっとワクワクしてます」と。さすが、この辺りは、生粋の頑固な気の強さが感じられますね。あんな可愛い顔してるのに。
曲のド頭の挑発的なパートをみて欲しいと。「♪こどもじゃないっていってるでしょ~」は、今年20歳になる今の浅倉樹々にピッタリなんだとか。こちらとしては、ところどころの「♪がお」ってのが響きますけどもね。
間奏のフリ付で、手で「♪がお」とやりながら、カメラ目線で微笑む辺りは、どこの天使かと。樹々ちゃん、ほんとに、もう子供じゃないんですねえ。
20 稲場愛香(Juice=Juice)
モーニング娘。『恋ING』
曲からイメージしたオリジナルのダンスにも注目して頂きたいです。
やっぱりダンスが得意なメンバーって、自分なりのオリジナルなダンスを自分で作るんですね。それにしても Juice=Juice メンバー、総じてこのソロフェスではアイラインが濃いめです。まなかんの場合は、可愛らしいお顔なので、それが良い方に転んだか、アイラインが濃いと急に大人っぽい印象になります。
楽曲セレクト、舞美ちゃんも言ってましたけど、もっとガンガンにダンスする楽曲を選ぶかと思いきや、案外、可愛い選択です。でも、これがまた良い方に転んだかと。
そのオリジナルなパフォーマンス、間奏のステップが激しすぎるわけですけど、こうやって見てると、歌といい、声といい、表情といい、やっぱり稲場愛香さん、アイドル的な才能の塊です(参考|「【観劇レポ】演劇女子部『気絶するほど愛してる!』 in 池袋グリーンシアター ~ハロプロの層の厚さとプロフェッショナルとしてのガチさ~」)。ファンがあれこれ言うのは別としても、やっぱり、所属グループが変遷したことで、稲場さんは自分のスペックを全面的に展開することを、どこか遠慮して抑制してるところがあるんじゃないでしょうか。その意味で、こういう企画は、稲場さんのためにも、なんか良かったなって思います。
繰り返し、歌といい、声といい、表情といい、やっぱり稲場愛香さん、すっげえアイドルです。これは、やっぱり楽曲のセレクトも良かったのかも。
21 伊勢鈴蘭(アンジュルム)
つばきファクトリー『ふわり、恋時計』
クラシックバレエを習っていた経験を活かしてコンテンポラリーダンスに挑戦してみます!そこに注目です!
Juice=Juice の高木さんについて、上に、見る度に可愛くなってませんかと記しましたけども、伊勢鈴蘭さんも、見る度に可愛くなってませんか。もう、これだけで私なんかはハロプロ恐るべしって思うんですけどね。
毎日、「これのことしか考えられなかった」というのも凄いですけど、パフォーマンス前の待機場所で、緊張していることを話すなかで、「(リーダーの)竹内さんに居てほしい、竹内さん(が居ると)けっこう安心するので」って発言、なんか良いですね。アンジュルムの雰囲気も、リーダー竹内さんの人柄も、そして、こんなことをペロっと言えちゃう伊勢さんの馴染み具合も、よく伝わる発言でした。
コンテンポラリーダンスを披露するので、衣装の足下、靴も、それに相応しい履き物を、おそらくは自前で準備していた伊勢さん、この辺りは、パフォーマンスそれ自体だけじゃなく、パフォーマンスのための小道具から衣装から何から何まで諸々整えてるのも、当たり前なのかも知れませんが、プロです。パフォーマンスそのものとして強い印象があったのは、間奏部分、両足を揃えて小さくジャンプする部分から続けて左足をスッと伸ばすところ、美しかったですよね。
終演後、つばきファクトリーの楽曲をセレクトしてくれたことについて、つばき谷本さんが「めちゃくちゃ嬉しかったです」とのコメントを。それに加えて谷本さん、もっと別のこともコメントしてましたので、個人的には「伊勢ちゃん、逃げてーーー!」と思いますけども。
22 岸本ゆめの(つばきファクトリー)
あぁ! 『FIRST KISS』
普段ふざけている私とは ちがう私で挑みます!
キャラ押しで臨むなら “一発ギャグ” も有りだと思ったけど、今回は、本気でパフォーマンス勝負に出た岸本さんです。
リリース当時から大人っぽすぎることでも知られた「あぁ!」からのセレクト。舞美ちゃんも嬉しそうですが、この楽曲を、岸本さん、ほんとに小手先の演出とか一切なしで、そのまんま、どストレートに、教科書通りに歌いあげます。
いや、上にモーニングの野中さんについて、英語を活かそうと思えばナンボでも活かす道はあったのに、そういう個性というかキャラを封じて、ストレートにそのまま楽曲をパフォーマンスして、それでしっかり魅せる辺りが素晴らしいと言及しましたが、岸本さんも持ち味のキャラを封じて、真っ直ぐ楽曲を演じます。そして、ちゃんと魅せる。…素晴らしい。急な高音の一瞬の転調なんか、いや、実に聴かせます。
終演後のインタビューで、舞美ちゃんが、思わず「愛理」の名前を出したことからも、岸本さんのパフォーマンスの冴えは明らかですね。
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岸本さんに続けて登場するのは、明日のハロプロを牽引すると一部に熱心に期待されている Juice=Juice の新人、松永さん。その印象から先は、次のページにて。
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