怒涛の52曲全ステージレビュー!『ソロフェス』で示されたハロプロがハロプロたる理由

いずれ劣らぬ52名の52曲

ソロフェス収録会場は、丸の内はコットンクラブであった模様(ステージの背景に大きく「コットンクラブ」のロゴが)。メンバーが登場してからのパフォーマンスや意気込みコメントだけじゃなく、その前後の、待機中だったり終演後の緊張が解けた様子まで、つまりは部分的にバックステージの一部までチラ見せしてくれます。コットンクラブの見慣れた客席に陣取って、他のメンバーのステージを見てる様子も。…こりゃあ、後日スカパーで放送されるというバックステージも一層楽しみですね。

副音声で譜久村さんと松岡さんがリアルタイムで感想を話しているという垂涎のコンテンツも含まれていますが、当面はそちらを参照せずに、52名それぞれ、まずは初見の印象を中心に、以下。

1  高瀬くるみ(BEYOOOOONDS)
   ℃-ute 『Summer Wind

事前メッセージ
存在感を出せるように頑張ります…!

トップバッターは BEYOOOOONDS から高瀬さん。しかし、ずいぶん難しい曲を選ぶなあ、って思いませんか。ガンガン行くわけじゃないけど力強い曲だから、新しい挑戦として挑んでみましたってのは、確かにおっしゃる通りなんですけど、その新しい挑戦にしっかり成功したんじゃないでしょうか。それにしても、この曲を一人でパフォーマンスして間然としないなんて、それは率直に凄いと思います。コーラス部分も、ちゃんと自分でやり切ってますし。

曲をパフォーマンスし切ってのアウトロまでのキメキメな高瀬さんと、はいパフォーマンスの部分は終わりですよって流れで、本番の緊張を解いた高瀬さんの、そのギャップが激しくて、その意味で、高瀬さん、やはり女優なのかも。

以前、Berryz工房の佐紀ちゃんがステージに復活するっていう大事な舞台で(参考|「清水佐紀 パフォーマンス健在で魅せた真のアンコール『Hello! Project 20周年記念前夜祭 ~One by One~』」)、サポートメンバーとして、まだ研修生だった頃の高瀬さんがコットンクラブに出演していたことがあったんですけどね。ステージの進行の中で、ある時、コットンクラブの客席に降臨して巡回するようにグルグルとパフォーマンスしていた高瀬さんが、しばらく足を止めてダンスするって場面がありまして。たまたま、その高瀬さんが足を止めた場所ってのが、わたくしの真ん前で。超近距離ってだけじゃなく、コットンクラブは着席での観覧だから、座ってる私から見てると、真っ直ぐ前を向いてるだけでも、なんだか高瀬さんは遥か高みを見上げているようで、そのダンスが実に清々しく美しかったんですけども…そんなことも思い出されます。

舞美ちゃん、℃-ute 曲をセレクトしてもらって嬉しそうです(以降、ず~~っと、そうだから、可愛くて可笑しいですよね)。終演後、高瀬さん「絶対まだ行けた」と悔しがってまして… この辺りは本当に、ハロメンをプロとして尊敬するところ。誰よりも自分が一番自分に厳しいっていうね。

2  佐藤優樹(モーニング娘。’20)
   松浦亜弥『dearest.

事前メッセージ
がんば・・・り・・・ます。

事前の練習場面で、音響の技術スタッフさんに、かなり抽象的で無理なことを言ってる佐藤まーちゃん(「この辺にある音を(と頭の上くらいの所を手で示して)、この辺にできますか(胸の前くらいの位置を示す)?」ってお願いしてる まーちゃん)ですが、それに応じたらしきスタッフさん、すげぇ!って思いますよね。

それにしても佐藤さん、ずいぶん聴かせる曲をセレクトしたもんです。だって、佐藤のまーちゃんと言えば、モーニングのステージでは、ちょっと怖いくらいに客席を煽って、ガンガンにイケイケな、自由奔放なパフォーマンスこそが代名詞じゃないですか。それが、その「ガンガン」も「イケイケ」も封印して、こんなに聴かせる曲を。

さあ、そんな聴かせる曲を佐藤さんはどう歌うのかな?と、やや挑発に乗ったような感じで まーちゃんのパフォーマンスを待ち受けたところ、途中からすっかり「まーちゃん、美人になったなあ…」という思考しか浮かんできません。しっとり歌うハズの楽曲なんですけど、サビの部分のフレーズなど、やはり佐藤さんのパフォーマンスらしい力強さが感じられると同時に、全般的な “聴かせる” 部分とも、ちゃんと調和していて、素晴らしいんですよ。それに、しんみりした歌詞を奏でる静かな表情も、歌い終わって安心したかのように急にフッと微笑む表情も、「えっ?俺が見てるの、まーちゃんだよね?」ってくらいに美しい。ほんとに美人さんになりました。

歌い終わって「緊張しましたよ!こんなよく訳のわからない状況で…」って、さすが、この辺りの誰にも忖度しない、そのまんまの感想は、佐藤まーちゃんらしいところです。

終演後の舞美ちゃんとのやり取りで、℃-ute の楽屋に入り浸っていた様子が一瞬垣間見えるのも、なんというか、ファンにとって嬉しい場面でした。

3  井上玲音(Juice=Juice)
   Berryz工房『マジ夏すぎる

事前メッセージ
ボイスパーカッションを入れたくて、こぶしファクトリーで少し披露した曲を選びました。

オープニングのBGMとしてのボイパは、れいれいのボイパを重ねてるんですかね。ボイパだけのイントロに被せて「夏過ぎるぅ~♪」とか歌い出すのは、ちょっと私がベリヲタだってのを差し引いても、鳥肌ものでした。

それにしても、井上さんの年齢だったら、この辺りの Berryz工房の楽曲って、ずいぶん幼い頃のものだと思うけど、実際、現役のハロメンにとって、Berryz工房の楽曲って、どんな風に見えてるでしょうね。

しっかりボイパを絡めて、それ以外のところは驚くほど忠実にオリジナルのパフォーマンスを(きっちり)踏襲する井上さんです。ちゃんと腰でBOXを象っていたりして、きっちり、しっかり、型を踏襲していて真面目です。このように、しっかり真面目に型に従っている分だけ、Juice=Juice でのステージで、いよいよ型を突き破ったときに、どんな激しい井上さんなりのオリジナリティが飛び出すか、超楽しみですよね。

4  船木結(アンジュルム)
   BEYOOOOONDS『GIRL ZONE

事前メッセージ
強烈なパワーをはなつ曲に負けないように強い印象を残せられたらなと思います。

諸事情によって卒業が延期しまくってる船木さん(参考|「Juice=Juice宮本佳林・アンジュルム船木結、卒業延期! 中止のライブ日程がついに6月におよび…」)、セレクトした楽曲に含まれる『ぜってえ辞めてやんねぇ』ってセリフ、いかにも意味深にファンは受け取っちゃいますよね。いっそ、このまま辞めるの辞めれば良いのに。

パフォーマンスに入る前の待機中のシーン、船木さんと、その次の順番の森戸ちゃんの、ちょっとした絡みが見られて、なんだか嬉しかったですね。

さて、この曲も一人でパフォーマンスするにはかなり厳しい楽曲だろうと思うんですけど、さすがです。この楽曲に特徴的な、投げつけるようなフレーズで一瞬(わざと)高音が割れたように発声するところも見事でしたし、曲中のセリフパートなんて、ひょっとしたらオリジナルを越えてるくらい、憎々しげなところなんか、船木さん、やり切ってましたよね。やっぱり辞めるの辞めれば良いのに。

舞美ちゃんも言ってましたけど、ほんとに声を使い分けてるのが凄くて。

5  森戸知沙希(モーニング娘。’20)
   Berryz工房『あなたなしでは生きていけない

事前メッセージ
久しぶりのステージで、とーーーーーーっても緊張していますが、音楽をしっかり楽しみたいと思います!!

もともと、ほんとに可愛かったけども(参考|「ハロショ イベ『カントリー広場』森戸知沙希編/山木梨沙編 レポ ~対称的な二人が体現するハロプロの信頼感~」)、改めて美人になったなあと思います。パフォーマンス前の待機中に、カメラに向って緊張を告白する様子なんかも、あの頃の耳真っ赤な ちぃちゃんと違って、森戸さん、ほんとに美しく成長しましたね。自分でも「すごい喋る、今日」って自分に突っ込んでましたね。

おお、Berryz工房の曲を歌うんだ!って一瞬驚いたけど、森戸さん、ハロプロに加入した当初は、ももち先輩に薫陶を受けたんでしたね、そういえば。さて、そんな楽曲ですが、間奏のフリ付けは、なんと我流のアレンジだったんだとか。って、そういえば森戸さん、ダンス部でもあったんでした。…と、この「そういえば」を繰り返してしまうあたり、可愛くて小っちゃいルックスの印象が強いから、森戸さんに対しては、どこかしら先入観があって、可愛いばっかりのイメージで見ちゃってますけど、実に優れたダンサーでもありパフォーマーであることを、改めて見せつけられているようです。ファンの側の、ファンが思い込みたい可愛い可愛い森戸の ちぃちゃんイメージを、常に覆し続けている森戸さんって、そう思って見れば、めっちゃ凄いメンバーなのでは、とか思いますよね。

高瀬さんに続いて森戸さんも、終演後に問われて、自分のパフォーマンスについて納得いってない様子。これは以降の多くのメンバーに共通しているところで、その点でも、ハロプロメンバーの真剣さっていうか、真面目さが伝わります。…なんか、ちゃんと育ってんなぁあ、って。

舞美ちゃんが、ももち先輩に言及してるのも、良い場面でした。

6  岡村ほまれ(モーニング娘。’20)
   スマイレージ『ぁまのじゃく

事前メッセージ
元気に!明るく!パワフルに!

オリジナルのメンバーが全員ハロプロから卒業して行っても、楽曲に相応しい歌い手が後から現われる…これまたハロプロの醍醐味です。つんく♂さんが、この楽曲をスマイレージにと作ったときには、その11年後に岡村ほまれってメンバーがハロプロに加入してくるなんてことは(ましてや、その岡村さんの表情の作り方とか)わかっているはずもないのに。しかし、フレーズの合間に、間奏のダンス中に、ほまれちゃんが作る表情は …こんなこと言ったら怒られるかなって躊躇するけれど… まさしく「スマイレージ」って感じで、『ぁまのじゃく』に相応しく… …とか思っていたら、終演後に舞美ちゃんも同じようなことを言っていて「そうですよね、そう見えますよね」って、首がもげるかと思うほど肯きましたよ、わたくし。

いや、スマイレージっぽいってのは、やはり言葉の綾で、言いたいことは、その都度、その時代ごとに、たくさんの楽曲が次の世代のメンバーを待ち構えているようだ…ってことが言いたかったんですよ。あるいは、次々と参加してくる(その楽曲が出来上がったタイミングではまだ誰も知らなかった)メンバーが、それぞれに楽曲に相応しく成長していくのがハロプロだ…って言うか。ちょっと上手く言えませんが、この楽曲遺産と新メンバーの、その時代その時代の、独特のマッチングって、いつでも見応えがありますね。

それにしても岡村ほまれちゃん、ほんとに加入して1年なんでしょうか? ステージングが、しっかりし過ぎではないかと。

7  横山玲奈(モーニング娘。’20)
   Berryz工房『付き合ってるのに片思い

事前メッセージ
曲の間奏!! みてーーーー♥笑

また Berryz工房からのチョイスで、ベリヲタとしては嬉しい次第ですが、横山さん、なんか歌い出しの嬉しそうな表情も含めて、とても可愛いですね。

見て欲しかったという間奏には『こんな片思いはヤダ』というフリップ芸を。時間内に収まるように、めっちゃ練習したという出し物ですが、自らボケ役という立ち位置に入り込んでいく横山さんですけども、そのフリップ芸の内容を見れば、モーニングのメンバーのことをネタにしていて、とりわけ同期の加賀ちゃんのことを(肩凝りだとか加賀温泉郷だとか)ネタにしていて、同期を好き過ぎですよね、横やん。そんな自らボケ役に走るところも、同期が好き過ぎるところも、横山さん、なんだか健気ですよね。…と、そう思って、改めて横山さんのパフォーマンスを見ると、なんだか一層、表情が可愛く見えますよね。

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8番目に登場するのは Juice=Juice から、歌姫高木さん。その印象以降は、次のページにて。

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