モーニング娘。”健気一途” なリーダー譜久村聖の卒業ライブは横浜アリーナ2Days!

リーダー譜久村聖の卒業の日程。現場からの第一報は、2023年9月30日の土曜日にもたらされた。それは、渋谷 LINE CUBE SHIBUYA にて2回まわしで開催されていた『モーニング娘。’23 コンサートツアー秋「Neverending Shine Show」』の夜公演でのこと。コロナで休養した結果、17期メンバーにとってツアーの初日となったコンサートでのことだった。

伝説中の伝説となった8代目リーダー道重さゆみ(6期)が2014年の11月26日に卒業した、その後を継いで9代目のリーダーとなってから9年。9代目リーダーにして9期メンバーの譜久村聖は、リーダーとしての9年の月日を、2023年11月29日の横浜アリーナで締め括ることになる。そんな最長在籍リーダーの有終の美は、その前日の28日も含めた横浜アリーナ2Days 公演とのこと。

2014年の道重は、後輩たちに横浜アリーナの光景を見せたかったと伝えてステージを降りたが、同じ横浜アリーナでも譜久村聖は2Days ということで、9年前の光景を超えた… ということだろうか。一応は、28日の横アリは秋ツアーの千秋楽であり、あくまでも譜久村聖の卒業スペシャル公演は29日ということだが、やはり2日連続の横浜アリーナは、ひとまとまりとして把握されることになるのではないだろうか。

この告知は、夜半に譜久村当人のインスタグラムでもブログでも、公演タイトル『モーニング娘。’23コンサートツアー秋 〜Neverending Shine Show~聖域 (サンクチュアリ) 譜久村聖卒業スペシャル〜』を含めて明らかにされた。

卒業公演決定☆譜久村聖

『モーニング娘。’23コンサートツアー秋
〜Neverending Shine Show~聖域 譜久村聖卒業スペシャル〜』と題して
11月29日(水)
横浜アリーナにて行います

モーニング娘。’23 Q期オフィシャルブログ 卒業公演決定☆譜久村聖

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モーニング娘。の譜久村聖といえば、上に述べた通り、レジェンドとしての伝説級のメンバーが卒業してから9年間、モーニング娘。の旗を守ってきた堅実なリーダーだ。9年もハロプロのフラッグシップを守ってきたことからか、どこか、耐え忍ぶ粘り強いリーダーという印象が強い。譜久村は、そこらのファンなど遥かに凌駕するハロプロ愛でも知られ、モーニング娘。のメンバーとなってからも、嬉しそうに他のグループのライブを見に行ったりしてもいて、そのことが垣間見られるバックステージの映像では、嬉しそうにニコニコしている姿が切り抜かれているというのに、しかし、どこか健気に耐え忍ぶリーダーだったという印象が強い。

9期メンバーとして4人が加入した際には、ハロプロエッグとしてハロプロのレッスンを経験していたのは自分だけだからと、その自覚から、他の同期メンバーにいろいろ教えようとして、微妙な人間関係の軋轢を招いてしまったとも伝えられる。また加入当初には、リハーサルで何かしら先輩から叱られたらしき場面がバックステージ映像として残っている。その叱られた場面では、どうやら譜久村を叱った先輩が何かしら勘違いしていたようで、譜久村は何か言いたそうにしながら、しかし汗を拭く大きなタオルで口元を抑えて飲み込む様子が見られるのだが、リハーサル終わりの場面とあって、Tシャツにジャージというレッスン着でありながら(足元を本番のステージと同じにしないとならないことからか)靴だけが本番と同じ踵の高いブーツを履いていて、その姿で言いたいことを飲み込んでいる様子に、健気さがいやでも増す次第だ。またハロプロの中でも Berryz工房が大好きということで、2014年のラストとなった秋ツアーを見に行って、バックステージでライブを終えた Berryzメンバーと嬉しそうにお話している映像も残されているが、折悪しく、ちょうどメンバーの嗣永桃子徳永千奈美がこっそり喧嘩中で(これが多くのファンの大感動を呼んだ Berryz DVD Magazine Vol.41 Box、その<03 德永千奈美×嗣永桃子>での顛末につながることになる|公式の映像がないので、何があったのか知りたい方は、この( )内のテキスト中のキーワードで検索のこと)楽しそうに「あの曲が嬉しかった」などと語っている譜久村に対して、明らかに徳永の様子がおかしいのだが、それでも懸命に笑顔でライブの感想を語り続ける譜久村の健気さが一部のファンの静かな好感を呼んだこともあった。近年になっても、Berryz メンバーのファンクラブイベントにVTRで登場しながら、その溢れ出すぎる Berryz愛が行き過ぎて、せっかくのVTRが、あたかも様式美のように早送りされる始末。

このように、どこか巡り合わせ的に健気さが際立つことになっただけではない。
近年では、たいへんに困ったファンのために、いわれのない疑惑に対して、本来ならそんな必要がなかった自らの潔白を公に声にしなければならないこともあった。伝説となった “フクムラダッシュ” も、脚のトラブルで動けなくなった先輩の元へ駆けつけようというものだったことから、その健気さは明らかだ。上にも述べたように、最長の9年というリーダー期間を誇ることから、その在籍期間の “長さ” についても、つまらぬ声が聞こえてくることもあっただろう。オリジナルとして大先輩の KAN の楽曲をカバーした際も、その抑えられた控えめなスタンスが楽曲の内容にも見事にマッチしているともされた。

しかし、そんな “健気一途” なリーダーは、しかし、9年もの長きにわたってハロプロのフラッグシップを支えてきたのだから、健気なばかりでもない。ハロプロのフラッグシップたるモーニング娘。のステージを、一番の底で支える、実は卓越したステージ技量を誇り、その愛らしいルックスだけでなく、ハロプロメンバーすら魅了する “もちもちの肌感” から、握手会でファンの心までつかみ取ったフクムラロック、有料会員限定のハローラジオで、多くの若い後輩を暖かく迎えるホスピタリティなど、譜久村のハロプロ愛に裏打ちされたリーダーとしての資質は多く、長きにわたってモーニング娘。とハロプロを支えてきた。

公式のオーディションには落選して、バックダンサーを勤めるつもりでやってきたハロコンでつんく♂から「降りといで」と電撃的に加入を告げられ、驚いて泣いていた愛らしい女の子は、いつしか、モーニング娘。のメンバーに選ばれて驚いてびっくりして泣いている幼い年下の後輩を、温かく、やさしく、そして “かつては自分もそうであった者として” 落ち着いて迎え入れる慈母のような顔を見せるようになっていたのだった。

そんな、モーニング娘。9期メンバーにして9代目リーダーの譜久村聖が、いよいよモーニング娘。を卒業する。それは、2023年11月29日の横浜アリーナとのことだ。

この件については続報を待ちたいが、かつて2017年のスーパーアリーナですら大落選祭となったように、この横アリでも狭かったということにならないか心配する声が聞こえる。

(文=椿道茂高)

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