アンジュルム、楽しくて強力でズルいほどの完璧さ? コンサートツアー -The ANGERME- PERFECTION

ソロメドレーから大団円まで

ソロメドレーは、全員がセンターに登場してセンターでの段差部分に着席して、ソロ担当のメンバーだけが自分が向いてる方向の回廊へと進んで歌う形式。他のメンバーは歌ってるメンバーを盛り立てるかのようで、この辺りは、懐かしいハロコン風。

この「センターでの段差部分に着席」してる位置が、メドレー前半では、リーダー竹内さんと橋迫さんがお隣なもんだから、なかなかソロのメドレーに注目できないでいたことは、やっぱり秘密で。

↓↓↓ソロメドレー前半↓↓↓
10・『わたし』(松本わかな
高めの位置でツインにしていた松本わかなちゃん、なんかますます赤ちゃんっぽいので困ったもんですが、しかし、堂々と “アンジュルムの隊列” から浮いてないのが、ほんとに不思議。
11・『愛さえあればなんにもいらない』(伊勢鈴蘭
歌おうと起立して歩みを始めた姿が、すでに妖艶なのは、改めて驚き。
専心するファンの方には “節穴” を笑われるかもですが、伊勢さんの “色っぽさ” が超亢進しているのは、個人的には発見でした。美しいです。
12・『上手く言えない』(為永幸音
為永さん眼差しが強いですね。って、ほんとに髪形もあって(身長が全然違うはずなのに)笠原さんに見えちゃいます。
このまま、佐々木さんと二枚看板を張ったアンジュルムの攻撃力の要を継いで欲しいものです。”おおあばれ” も得意技なんだし。
13・『魔法使いサリー』(川名凛
川名ケロちゃん、可愛いですね。輪郭が真ん丸だし、肢体のバランスも良くて、それだけで眼を惹くのに、髪を切って編み込みにしてきた分だけ、強さも際立って、眼が離せませんよね。
「♪マハリク マハリタ ヤンバラヤンヤンヤン」だけでアガるのは、なんで?
14・『全然起き上がれないSUNDAY』(竹内朱莉
こうした、どこか沈痛な旋律を歌いこなすのは、やはり熟練のリーダーの技量かと。竹内さん、なんか報告者の語彙が乏しくて恐縮なんですけども、歌、上手いよね
↑↑↑ソロメドレー前半↑↑↑
15・『君だけじゃないさ…friends
センター段差部分を囲むように改めて全員で。
楽曲のオープニングを終えて、盛り上がる部分へかけて楽曲が進展するのに合わせてメンバーが四方の回廊へと展開する様は、ちょっと(楽曲の内容ともシンクロして)感動的ですらありました。
↓↓↓ソロメドレー後半↓↓↓
16・『臥薪嘗胆』(川村文乃
これも、大器晩成からの流れを引く強力な楽曲ですが、高知のマグロ解体娘は、その楽曲の強力なテイストを維持したまんま、一人でメドレーで歌います。川村さん、痩身なスタイルに注目しがちでしたけど、やっぱり強いですよね。
17・『夢見た 15年』(平山遊季
アンジュルム歴がもっとも浅いメンバーが(最年少は松本さんですから)このスマイレージの『夢見る 15歳』と対応した記念碑的な楽曲を歌います。
そのセレクトの理由はわからないとして、平山さん美しくて堂々として、次の15年を楽しみにさせてくれますよね。
18・『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』(佐々木莉佳子
さすがです。歌う位置まで歩を進める、その歩みの一歩一歩すら力強い上に、足踏みのステップに静かに力が込められていることがわかる肩の力み具合まで “形として” 映えまくりで、実に見事なビジュアルです佐々木さん。
19・『私を創るのは私』(橋迫鈴
鈴ちゃんのこの曲のセレクトには打たれたファンも多かった模様ですが、何より、声の張り、前を指さす腕の張り出し、サビを歌う際の嬉し気な表情など、何もかも、何というのか(表現が正しいかどうか微妙ですが →)”見違えます”。鈴ちゃん、ほんとに素晴らしい。いつの間に…
20・『ナミダイロノケツイ』(上國料萌衣
そしてリーダー竹内さんと同様、こういった楽曲を、部分的に切り出してメドレーで歌っても、しかし本来の楽曲のテイストを失わないのは、さすが上國料さんといったところ。素晴らしい歌い手です。
少し泣きそう…っていうか、実際に少し泣いていたのは、何かあったのかしら…
↑↑↑ソロメドレー後半↑↑↑
21・『魔女っ子メグちゃん
この楽曲のカバーは、ある種の “企画もの” 的な位置づけだったかと思いつつ、すでに平山さんとかわかなちゃん辺りは、オリジナルについては全然知らないまでありそう(それは若いファンも同様)なところ、すっかりアンジュルムの楽曲と化しているのは驚きます。っていうのも、冒頭近くの歌割で、平山さんが実に嬉し気に歌ってるんですもの。
おっさんとして昭和のあれこれを知っていても、改めて令和のハロプロに、いろいろ驚かされていて、なんかファンをやっていて楽しいですね、ご同輩!
22・『限りあるMoment
この急な転変(『魔女っ子メグちゃん』からの『限りあるMoment』)に驚きますが、アンジュルムの楽曲が個々に強力なのか、メンバーのパフォーマンスが熟しているからなのか、それぞれが十分に訴えるものがあって、セトリの構成的にテイストの落差が大きくとも、それぞれにしっかり聴かせるところは注目です。これをもって(これだけじゃないですけど)報告者は何度も “アンジュルムは強い” と言って来ましたが、このあたりは、もっとちゃんと言葉にしたいですよね(どなたか!)。
デコ出し気味の為永さん、なんか挑発的です。橋迫の鈴ちゃんも、やっぱり “美しい” と思えてしまって、自分でも驚いているところ。
23・『ドンデンガエシ
わたくし、つばきファクトリーについて、この楽曲が つばきにあって良かったというようなことを何度かレポしていますが、アンジュルムについて、この楽曲がアンジュルムにあって本当に良かったと思います。
メンバーが2組に別れて「ウエスト・サイド・ストーリー」もかくやといった感じで、相互に対峙して煽るようなところ、何度見ても嬉しいです。
伊勢さんが佐々木さんに背中を預けて足を蹴り上げるところ、あそこだけの日替わり写真が欲しいかと。

一旦 MC で、これから後半戦の煽りを、それぞれの方角に向けて、伊勢、川村、佐々木(ペンライトで)、上國料(三々七拍子)が、順次、拍手で客席に応答を求めます。

24・『乙女の逆襲
ミドルクラスの強力さの(いや十分強いんですけどアンジュルムには超強力なものが多いので)楽曲が続きます。
伊勢さんのバレエダンス、竹内さんの高音を支える佐々木さんたち、それぞれの持ち味も明瞭で、こういうミドルクラスの楽曲が数曲連なってラストの大盛り上がりへと、徐々に客席の感情を盛り上げにかかるのは上手だな、って。
25・『愛されルート A or B?
センターから四方に向かう十字の回廊の半分だけを使うメンバーの展開が、曲の前半と後半で、ちゃんと入れ替わってるのが見事でしたね。曲の終盤へ向けてセンターで一列になったり三列になったりと複雑にフォーメーションを組み替えますが、これらの全部で、やっぱり佐々木さんの歩の進め方が他と一線を画していて実に男前でした。
26・『七転び八起き
徐々にボルテージがアガってまいりました。
「♪ななかいめ、ころんだら、ワンモータイム」ってあたり、手首をカクカクしてる振り付けの時に、しっかり身体全体でパシッと決めてるのが確認できて、実際には客席に認識されない細かい身体挙動って、どのくらいあるんだろうかと。
間奏のダンスパート、佐々木さん、為永幸音ちゃんに追従して、橋迫鈴ちゃんが力強くダンスしてる姿は、楽曲の歌詞ともシンクロして、なにか熱いものがこみ上げそうになります。
27・『大器晩成
そうやって、なだらかに盛り上げて来ておいて、ここへきて『大器晩成』はズルいよね。
オープニングのワンフレーズを終えたところで音楽にのせて竹内さんが客席を煽るのもズルいよね。… っていうか、ほんとに、これまでのセトリの構成がどうであれ、この武道館ライブがグループにとってどんな位置づけであろうとも(たとえば誰かが卒業するとか新メンバーお披露目とか)それこそスペシウム光線のように、この一曲だけ放てば全てが決まるってくらいの超強力な楽曲です。スペシウム光線はゼットンに通じないから、アンジュルムの『大器晩成』は、スペシウム光線よりも強力です。どんなヒーローのどんな必殺技も、物語の然らしむるところ、必ず “通じない” って局面が描かれますが、アンジュルムの『大器晩成』だけは、どんなセトリのどんな位置にあっても、もう確実に決まるフィニッシュ・ブローなもんだから、ズルいです。
室田さんの大盛り上がりの斉唱パート、松本わかなさんが担当しています。ええ、担当しています。
28・『46億年LOVE
からの『46億年LOVE』ですって。もう、ズルいって言うのも阿保らしいほど。こんなにも超強力な楽曲を2曲も保有してるなんて、アンジュルムは、どんなグループなんだと。
しかし、『大器晩成』のアウトロで、すでに鼻から大きく息を吐き出して、「むふーーー」って感じで内分泌的な高揚を吐息として外に出している段階であっても、『46億年LOVE』のイントロが響いてきたら、さらにアガるって、いったいどういうことかと。
この2曲を保有しているアンジュルムに対抗するには、モーニング娘。であってすら、よっぽどセトリの構成と楽曲のセレクトを工夫しないと拮抗できないので、アンジュルムはズルいよね。強すぎる。

以上まででライブ本編は終了です。以下、アンコールながら、メンバーたちも言うように、ほんとに何も特別なことがない武道館公演だからこそ、アンコール以降の楽曲セレクトにも注目です。

29・『出すぎた杭は打たれない
黒のゴス風の衣装、上國料さんが似合いすぎていて、もし暗い夜道で遭遇したら、わたくし泣いてしまうかもしれません。しかし、本編ラストで『大器晩成』、『46億年LOVE』と披露して、その余熱も冷めないアンコールで、しかしボルテージを落とさない楽曲がまだ残されていることに驚く次第。
肩出しの川名ケロちゃん、やっぱり “鍛えてるんだなあ” と思える上腕です。ハロプロって、アイドルじゃなくてアスリートかと。

アンコール一曲目を終えて、本日の感想ってことで、終わりのご挨拶です。

平山遊季 目標ですと語ってから6ヶ月ほどで立った武道館。2日前から緊張していました。
松本わかな ソロメドレーのトップバッターで緊張してました。皆さんのペンライトでパワーいただけました。
為永幸音 完璧なアンジュルムのステージをお届けできたんじゃないかと思います。私も大好きなアンジュルムのために成長していきたいです。
川名凜 卒業とかなく、10人のありのままをお見せできたと思う。上國料さんが武道館を楽しんでもらうための大事なポイントを語ってくれた。それは「メンバーの成長」ってことだから、私の成長、お見せできましたか?
橋迫鈴 武道館でデビューシングルを歌えて嬉しいです。単独ができて嬉しかったです(泣いてる鈴ちゃん、単独出来なくて悔しくて殴ってるような鈴ちゃん)
伊勢鈴蘭 卒業ナシの武道館は初めて。これからが大事だから、もっと高みを目指します。
川村文乃 今のアンジュルムの最高の姿をお見せ出来たんじゃないかと思います。私も最高に楽しかったです!
上國料萌衣 PERFECTION ってことで完全体のアンジュルムをお見せ出来たんじゃないかと。ソロで泣いちゃったんですけど、それは幸せな涙だし、髪形なんかも武道館じゃなきゃ絶対やらない髪だし、みなさんも思い出、できましたか?
佐々木莉佳子 ちっちゃい頃の映像に照れてる佐々木さん
私はみんな(後輩)と同じ年齢の時、こんなに強くなかった。こ・れ・が、今のアンジュルムです!ちゅっ!!
竹内朱莉 この最高な空間をこれからも、みなさんと一緒に造っていきたいと思います。
30・『愛すべきべき Human Life
タケちゃんのおっしゃるとおり、最後の最後に、こんな明るい楽しい楽曲で終わるのって、なんかズルいよね。くっそーー!

ALL SINGLES PERFECTION

リーダー竹内さんが、今回の武道館公演が “The ANGERME PERFECTION” って題名なのは最後まで見てればわかるよ、って最初の MC で言ってましたけど。それは、メンバーたちが引き上げていった後のステージで、あたかも映画のクレジットのように、アンジュルムに改名してからの全シングルのタイトルが表示されたことで、明かされました。

今回の武道館、アンジュルムになってからの、すべてのシングルの表示曲が披露されたというわけで、アンジュルムの集大成って、そういう意味だったんだねと。誰が卒業するといったわけでもなく、なにも特別なことがなく、しかし、真っ正面から今現在の自分たちをそのまんま提示する大舞台。それは、単独ホールツアーの集大成って意味だけじゃなかったようです。美しい伊勢さんも述べていたように、ほんとに、明日からのアンジュルムが一層楽しみになる大舞台だったというわけです。

だとするなら、やっぱり最後の最後に明るく前向きな楽曲を持ってきたことが、効いてきますよね。なんだか、こんなに晴々とした武道館公演は、少なくない回数通ってますけど、かなり久しぶりなような気もしますね。

(文=kogonil)

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