Berryz工房、20年の履歴に並走できた喜びを満喫した 20th Anniversary Live~そのすべての愛にサンキュー~

Berryz工房20th Anniversary Live~そのすべての愛にサンキュー~[承前]

オープニングのSEだけで、アガりきったテンションに困っていたことは述べた通り。そこからの『スッペシャル ジェネレ~ション』で、客席にて「すっ!」がそろったあたりは、どうかベリヲタならぬハロプロファンの方々もご想像いただければ幸いです。泣きそうだった。

そんなアガったテンションと感情の乱れに翻弄されながら、しかし、熊井ちゃんの美しさには、脳の別の部分でしっかり反応中です。言うまでもなく、茉麻も、雅ちゃんも美しさは更新されており、雅ちゃんについては、顔が縮んだのではないかと思ったほど。

トークがさまよう Berryz工房

2曲めの『アジアン セレブレイション』を終えてご挨拶のMCです。
オープニングの『スペジェネ』について客席の呼応に触れて、「スペジェネ、言えて良かったでしょ♪やっぱり一発目はこれじゃないと」とホクホク顔の Berryz の皆さん。熊井ちゃんは、スペジェネのコールについては「うちらもドキドキするもんね」とも。

そんな『スッペシャル ジェネレ~ション』をセトリに組み込むことについて、発言が乱れる Berryz工房の皆さんです。曰く、セトリをどう組むか迷ったとおっしゃる須藤茉麻さんに、でも、すぐに決まったと述べる熊井ちゃん。これは双方の記憶が食い違っていたというわけではないようです。「迷った」のか「すぐ決まった」のかで、しばし、すったもんだしたステージ上の応答に、最大限想像の翼を広げて補うに、どうも、セトリの構成全体はいろいろと「迷った」けれど、特定の楽曲を入れること、とりわけ『スペジェネ』を初っ端に持ってくることについては「すぐ決まった」ということのようです。

それぞれに言うことが違っていて、そのことにお互いに笑い合ってる様子や、その食い違いに乗っかって熊井ちゃんをイジる茉麻など、ファンの心に嬉しい場面展開は多数ありましたよ、とお知らせです。

なつかしいダンスに緩む涙腺

客席大呼応の『スペジェネ』に続いて(それにしても声出し解禁なのに『一丁目』やってくれないよね…待っております)、前半戦は、なんだかダンスが懐かしくて、それだけで泣きそうになります。

楽曲それ自体が懐かしくて嬉しいってことは、これまでも多数ありましたが、たとえば熊井ちゃんのディナーショーなど(関連リンクのリストは、こちらにありますよ♪)さすがに一人でパフォーマンスするので、ダンスは控えめだったりしましたので、ここまでガッツリと往時のフリを再現してくれると、それだけで10年前がよみがえります。

ええ、それぞれのグループのファンの皆さんは、それぞれに言い分があろうかと思いますが… なんかね、2011年~2014年くらいの Berryz工房のライブって、ほんとうに、ほんとうに、笑顔過ぎて翌日はほっぺたが筋肉痛になるくらい、楽しかったのよ。

それは、『アジアン セレブレイション』の90度の角度で足踏みしながら回転するところも、『流星ボーイ』の人差し指と親指で角度を作って腕をスパンッと伸ばすところも、『本気ボンバー!!』の謎のピクトグラムのように頭の左右に両手を大きく張り出してピョンと飛ぶところも、『すっちゃかめっちゃか〜』のフックとアッパーも、『勇気をください!』の手のひらピロピロするところも、ダンスが、振り付けのひとつひとつが懐かしくて、あの頃のまんまで、そして同時に10年を経て美しさも増したメンバーによる自己フォローってことで、あの頃のまんまではないことも明らかで、なんか、いろんなものがグチャグチャになるのでした。

この前半のラインナップ、ダンスの懐かしさに焦点を当ててみましたが、ほんとに嬉しい楽曲セレクトであったことは特筆したいところ。

意図しようがしまいが さすがの Berryz工房

前半戦を終えてのMCでの、とある “一場面”(← つまり、ここで報告する以外にも、いろいろあったのでした)。

須藤さんが、声出し解禁後のスタンディングでのライブにあって、客席からのコールに触れて、「やっぱり(客席の)みんなの声があってはじめて楽曲が完成するからね♪」と述べます。もちろん、音源それ自体も素晴らしいけれど、やっぱり客席からのコールがないとものたりない… と須藤さんが続けると、そこを受けて、熊井ちゃん「そうだね~~、やっぱり客席の声があって Berryz の曲は完成するからね!」と。

これ、わたくし思うに、熊井ちゃんは、特に意図して茉麻の発言をパクったわけではなく、ほんまにナチュラルに、自然に、脳内に(茉麻の発言を聴いた結果として)刻印されていたフレーズをそのまんま出力したに過ぎなかったのではないかと。

あれ?1分前に同じようなことが… と、まるっと発言をパクられて釈然としない茉麻に、さらに夏焼さんが「そうだよね、やっぱり Berryz の曲は、みんなの声があってこそ楽曲として完成するからね♪」と。

これ、わたくし思うに、雅ちゃんは、はっきりと意図して(はからずも発生してしまった熊井ちゃんによる発言パクりに)乗っかって被せにかかったところかと。そして、そんな雅ちゃんの意図を受けて、須藤の茉麻さん「さすが夏焼姫、良いこと言う!」と応じます。すっかり最初の発言が自分だったことなど忘れたかのように。

さすがというも愚かな極上の展開であったかと。

続くソロ歌唱とランドセルのお話しなど

続いて、それぞれがソロ歌唱の披露です。
披露順に、熊井ちゃん『安心感』、茉麻『ハピネス~幸福歓迎!~』、雅ちゃん『ダーリン I LOVE YOU』といったところ。

熊井ちゃんの『安心感』の安定感も、雅ちゃんの衣装の微妙な絶対領域近辺も、ああ Berryz のライブに来てるなあって “安心感” に満ちるところですが、茉麻の『ハピネス』で、客席からのコール「♪(あなたに)茉麻にであえた~~」や「♪(もみじが)茉麻が美しい」 は、それだけで涙腺に厳しい場面なので、困ったもんですよね。

さて、熊井ちゃんは、ガチ私物の赤いランドセルを持参しての『安心感』となります。それは18年前の「にょきにょきチャンピオン!」を思い出させるものであることは、当の熊井ちゃんからも言及がありましたけれど、ソロを終えて2曲を経てからの MC で、再度このランドセルの話題で盛り上がります。

意外とアクセサリーなどランドセルにチャラチャラ付いていて、ギャル気質であったことを指摘される熊井ちゃんですが、ランドセルのカバーの直下にはガチの友人とのプリクラなどが見え隠れします。なんでも、メンバーとのプリクラを貼っていないことについては、もし、それを誰かに持って行かれたら嫌なのでメンバーとのものは貼っていなかったと述べる熊井ちゃん。

もう役目を終えたランドセルをどうするかということで、メルカリに出品したらどうか、欲しい人はいっぱいいるよと夏焼さん。そんな夏焼さんは、教科書や筆箱などを収めるスペース、学校で配られるプリント(当初「チラシ」と発言)を入れるスペースとは別に、チャックがついたポケットは秘密のポケットだった(だから、どんどんパンパンになった)とも語ります。

こうした何気ないトークが、いちいち、嬉しい。
須藤さん、中学に入ってからはタレント活動が本格化したので、何かと(勉強方面は)諦めたけれど、(ランドセルをしょってた)小学生の頃は、そんなに勉強できないわけでもなかったのだと発言し、続けて「まあ、そんなに頭良いわけじゃないけど」と述べるや、客席から「知ってる!」との応答が飛び、なんと須藤さん、その客席からの応答を拾って、反応してくれます。

こうした何気ないトークが、いちいち、ほんとに嬉しい。

レポの分量的に、こうしたトークが多めに見えるかも知れませんが、それでも実際のイベントはトーク少なめのガチライブであったことを再度強調しつつ。

アニバーサリーに並走できた嬉しさを

デビュー曲の『あなたなしでは生きてゆけない』については、メンバー側から、「私たちにとって大事な曲」という言及もありつつ、歌いたい曲がありすぎてと述べられもしたセトリには『図書室待機』とか、比較的披露が少なかったものも含まれます。

その他、『あいたいけど…』、『サヨナラ 激しき恋』、『サヨナラ ウソつきの私』など、普段、Berryz工房を思う時に、とりわけ強めに思い出される楽曲というわけではないものであってすら(※ 個人の所感です)、実際にメンバーにステージ上でパフォーマンスされると、どうしても、いろいろ揺れる不思議。そして、言うまでもなく、Berryz工房の代名詞的な具合に常に付随して思い出される(※ 再度、個人の所感です)『胸さわぎスカーレット』や『恋の呪縛』といったところは、イントロだけでいろんなものが脳内を去来してグチャグチャです。

個人的には『むなスカ』がヤバかった。…といった個人的すぎる所感は別として、やはり、アイドルとして10年の活動歴があったリリース当時から、さらに(おおよそ)10年を経て披露された『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』は、個々の歌詞のフレーズのいちいちが(当時からさらに)10年分の意味合いが積み重なっているようで、非常に素晴らしいと同時に、人前で涙を見せたくない者にとっては厳しい楽曲となったかと。

それは『ライバル』についても同様で、もともと楽曲としての完成度が高いってだけじゃなく、多くのベリヲタにとって、Berryz工房最後のDVDマガジンとなったメンバーによるバスツアーの模様に(Berryz工房 DVD MAGAZINE Vol.43 CM)異様に印象的にインサートされていたことを思い出さないわけにはいかず、人前で涙を見せたくない者にとっては厳しい楽曲となったわけですが、たぶん、このあたりで “人前で涙を見せたくない” ってのは、あきらめたよね。

アンコールの「Berryz いくべ!」もまた涙腺に厳しい仕様でありつつ、アンコール後の一発目が『そのすべての愛に』。
この曲は(またも個人的には)キャプテン清水佐紀さんの印象が強いんですけど、歌詞がヤバすぎます。報告者の周囲でも、そっと眼元をぬぐう仕草をみせるファンの方々複数ってことで、もはや客席で涙を見せるのはデフォルトで。

やはりプロデューサー氏の “一番に脂が乗っていた時期” と言って良いのかどうか、Berryz工房の楽曲には名曲が多すぎるというのは、読んでくださっている方、さすがに “今更?” と思われるかと思うんですけど、そんな今更を、殊更に重ねさせられるのが、こうした記念のアニバーサリーライブってことで、そのアニバーサリーに並走できていた嬉しさを噛みしめる次第です。お恥ずかしい(← ほんとは、ちっとも恥ずかしいとは思ってないけどね!)。

そんな名曲を量産していたプロデューサー氏からのお手紙というサプライズ

アンコールあけの『そのすべての愛に』を終えてトークに移ろうとしたところで、上々軍団の鈴木啓太さんが登場。
Berryz工房20周年をお祝いするケーキのプレゼンターであると同時に、なんと、上述の名曲たちをこの世に現出せしめた超プロデューサーであるつんく♂さんからのお手紙が届いているというではありませんか。そのお手紙を、鈴木啓太さんが代読します。

その内容は、活動停止から9年を経たメンバーたちの活躍を、今にいたるも、しっかりフォローしてくれていることがわかるものとなっており、その〆は、自らが見出してプロデュースしてきたメンバーたちを、改めて “リスペクトする” と。この「リスペクト」については、活動10年目にしてライブの現場で(2014年 春、Real BerryzKobo 後楽園 東京ドームシティホール)同じく上々軍団のさわやか五郎さんの代読も、つんく♂さんから表明されたことが20周年にあって繰り返された形で、なんだか意図して過去の名場面がなぞられたのかと思う程でした。

この啓太さんと つんく♂さんのお手紙サプライズにあたって、熊井ちゃんは「ここ台本にないよ!」とクレームを入れますが、茉麻や雅ちゃんの反応を見るに、どうやら、そもそもトーク部分の台本など、最初から存在しなかった模様。つんく♂さんのお手紙に、泣きそうになったけど、メイクが崩れると思って耐えた雅ちゃんなど、お手紙そのもの以上に、サプライズのお手紙をもらって何かと動揺するメンバーたちの在り方が面白かったこともまた、Berryz工房のデフォルトかと。

どこまでも麗しい様式美に込められた万感の想い

茉麻、雅ちゃん、熊井ちゃんが、それぞれご挨拶して、ラストは『cha cha SING』で〆られますが、『cha cha SING』なのにジャンプ禁止が切ないことから、メンバーたちが引き上げていったあとの「Berryz最高!」~「おつかれさ茉麻」~「おやす雅」~「エンジョイ三唱」と、Berry工房現場の美しい様式美が完成されたことで、20周年を祝うライブは幕を閉じます。

最期のご挨拶で、ファンに感謝を述べる場面で、Berryz工房の現場に “長らくご無沙汰” であったこと、往年のファンがしばらく Berryz工房のステージから離れていたことを指して「道を外れた」とする発言が見られましてね。

これは、どこに寄り道していようとも、こうして節目には “戻ってきてくれる” と回収されて、例えば熊井ちゃんからは「一緒に年を重ねていきましょう♪」なる発言まで飛び出した次第ですが、これまで縷々述べてきたこと(ライブの様式美から、往年のダンスの懐かしさ、さまようトークの見事さ、メンバーの美しさ、11年の履歴を経て活動停止からさらに9年を重ねたこと… などなどなど)からすれば、まさに、私たちが外れずに歩むべき “道” が、ここにあったと言う他ないですよね。

繰り返し、この20年に並走できたことの嬉しさを再度タイプして、熊井ちゃんはそう言ってくれたけれど、果たして、どこまで一緒に年を重ねることができるか、そう思えばこそ、今は並走できていることの貴重さに思い至って、ベリヲタで良かった素晴らしいライブのレポを〆たいと思うのでした。

ご清聴、ありがとうございました。

(文=kogonil)

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