Juice=Juice 植村あかり卒業スペシャル 〜愛された末っ子がリーダーとなってつなげた Story〜

自由すぎるほど自由だった卒業セレモニー

会場の大きな「あーりー」コールに応えて、アンコールに登場してくれた植村あかりさんは、中東から中央アジアの石窟寺院に刻まれた芸術作品であるかのようなドレス姿で登場してくれます。

25・Brilliance of memories

これは、全部、計算なんでしょうか。
どんな形になるか不透明ではあれ、芸能活動の継続を明言してくれている植村さんの卒業は、ファンにとって、それほど悲壮なものではなく、それに応じて植村さんも、軽やかに、嬉しそうに、衒いなく、あくまで植村あかりという明るいキャラクターのままに楽し気に卒業ライブを進めてきましたが、この楽曲も、その衒うことのない、あくまで自然体であることに相応しく、静かに穏やかな楽曲となっていて、とても聴いていて耳に心地好いですよね。

すっかり騙された卒業のお手紙朗読

マイクスタンドへのマイクのセットと、装着されていたお手紙を取り外す手順を「間違えた」と笑い、初めてのことだから「はじめてを経験中」と笑ったことは、冒頭に述べた通り。

そう、お手紙朗読とみせかけたご挨拶ですが、たしかに「わたしの話口調で」と伏線は張ってあったけど、それでも「お手紙を書いてきた」って、ちゃんと言ってたよね?

Juice=Juice というグループ名の中で自分は「=イコール」のような、これからをつなげていく存在になりたいとか… ところどころ言葉に詰まっているような様子に、さすがの植村さんも泣きそうになるのを耐えているんだろうと、すっかりこっちは騙されちゃいましたよ。はっはっは。関西の研修生から東京に来て道に迷ったと話してくれたことも、すでに触れた通りです。

実は「あーりーがとう」としか書いてない紙を、みんなに見せて、急に落ち着いた雰囲気で「いやあ緊張したあ」とドヤってステージから歩いて引っ込む植村さん、心から “さすが” だと思います。

26・続いていくSTORY

白を基調にした清楚な衣装にチェンジして、メンバーが順番に登場してフレーズごとに歌ってくれます。冒頭は。井上 → 段原 → 工藤タコ → 松永という4人で歌いつつ、続けて江端・遠藤 → 入江・石山(やっぱり入江さん、ちっちゃいねえ)→ 有澤・川嶋と、順番に。

そしてなんとお手紙の際のドレスとはまた違って、他のみんなと同じような清楚な白の衣装に改めてチェンジして植村さんも歌唱に参加します。

この楽曲が感動的な名曲であるという以上に、この一連の演出をしたスタッフさんには高級な菓子折りをもって挨拶に行きたいですよね。素晴らしかった。

27・Wonderful World

そのまま『続いていくSTORY』からインターバルを置かずに、この楽曲。
上に、衒いなく悲壮感のない卒業である旨、言及しましたが、明るく前向きで明日に一歩踏み出す、そんなテイストの楽曲が続きます。素晴らしいですね。

楽曲の途中で、松永さんが植村さんの頬にキスしやがりましてね。んで、それを指して他のメンバーが、あたかも “里愛だけ、ずるい!” とか言ってるかのような挙動を見せてくれます。私も、私も、ってキスをせがむような江端ちゃんをあしらったかと思えば、自分にもキスをと迫る工藤タコちゃんや石山さんや有澤さんをかわす植村さんです。ニッコニコな笑顔で。… 素晴らしいですね。

*****

ご挨拶 概要
川嶋美楓 活動をお休みしちゃったけど、みなさんが温かく迎えてくれて…
昨年武道館でお披露目していただいたとき、私は Juice になったから、もう泣かないって約束したので泣きません
植村さんに「うどん食べて元気出せ」って言われたから、うどん食べました!
遠藤彩加里 最初っから泣いていて、もう何をいってるかわからない
なにやら「アイコンタクト」と言ってる風だけど、言いたいことはブログに書くそうで(笑)
石山咲良 遠藤さんの後でやりにくそうな石山さん
表情がゆがんで(つばき 谷本系?) 他のメンバー「怒ってる?」
植村手作りの指輪に言及して「背中、押してください!」
江端妃咲 通常のツアーとの違いを述べて同じことを繰り返してしまい… 植村「しっかりしろよ!」
私が今みたいな悪ガキキャラになれたのも、植村さんがイジってくれたから
このあとのメッセージを楽しみにしてください!
入江里咲 植村さんは Juice にたくさんのものをくれました
最期に指輪をサプライズでくれて… メンバーカラーのストーンが!
有澤一華 推すことの覚悟がペンライトの光に見えるようです
一生懸命話そうとする一華ちゃんの隣で、水分補給中の植村さん(笑)
自分が信じていることが間違ってるかもと迷っていたときに植村さんの言葉で信じる音楽に出会えました
松永里愛 「じゃあ、私は手短にいきますね」 ← と言いつつ、けっこう長め
3年温めてきた話題、名古屋の地下のライブ会場で、ライブの楽しみがわからなくなったって打ち明けたら、そうかあ… って受け止めてくれた話
工藤由愛 植村さんに絡みに行っても転がされる♪
台本書いてきたのに、わからなくなった!
植村「名前言った?」 工藤タコ「くどうゆめ でした!」
井上玲音 ミスしたら怒られるけど、やることやっても、あたりまえじゃないですか
やってあたりまえのことが出来て、でも褒められるんです
大田区のアプリコの… クリスマスイベントだ!ほんとに仲間だなって意識が持てることがあったんです!
(↑ しかし、それが何かは語れず)
段原瑠々 最期のオリメンです。
もう妹じゃなくなってしまうのは寂しいな

初代リーダーに触れて植村さんが「たぬ…」って言いかけたのは、このタイミング。泣く気満々で構えていたファンも、泣くタイミングをつかめなくて困ったとか困らなかったとか。

28・Goal ~明日はあっちだよ~

そんなわけで、結局どこまでもカラっと明るく笑顔だらけという意味でも、セオリーを外した破天荒な卒業ライブだったと言えるかと思います。ラストが、この曲ですから。
あの… 素晴らしいよね(← 語彙を失いつつある)

さらに破天荒を重ねたダブル・アンコール

ダブル・アンコールでご挨拶するだけじゃなく、「そっか、わたし、今日卒業するんだ」って応答も異例ならば、ダブル・アンコールの場にメンバーを呼び込むのも、そこで記念撮影をしようとして、持ち込んだスマホが動画にセットされていたり、写真撮影してくれる人が誰もいないことに気が付いて困ったりと、どこまでも自由すぎる植村さんでした。

写真を撮ろうとステージに上がってくれたカメラマン氏は、ほんとに自主的に役割を買って出てくれた勇者だったのか不明ながら、武道館の客席を背景に「乾杯」ポーズまでして、しっかり記念写真を撮っていた植村さんでした。

昨今のハロプロの卒業公演は、悲しいものは少ないけれど(引退しちゃう希空ちゃんですら、希空ちゃんの翌日からを祈る幸せなものでした)植村あかりさん、これまでの活動の中でも一番にニッコニコな笑顔を見せてくれて、卒業して行きましたよ。

冒頭に「己の欲するところに従うてその矩を踰えず」と述べたように、その人柄は、私よりずっと若くとも、ほんとうに尊敬すべきメンバーでした。

本文中に繰り返し触れましたけど、これで Juice=Juice には、結成時のオリジナルメンバーは居なくなっちゃいましたけど、オリジナルのメンバーたちがグループに付与してくれたテイストは、しっかり後輩たちが継いでくれそうです。

語彙が少なくて申し訳ないんだけど、素晴らしいよね!

(文=kogonil)

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