石川県の複数の温泉によって構成される加賀温泉郷。
その観光キャンペーンとしてJRの主要駅にポスターが貼り出される企画が、今年も、実施されたようだ。
言うまでもなく加賀温泉郷のポスターには、モーニング娘。’21 の 加賀楓 が起用されており、昨年2020年の企画時にも、その全体的なデザインが(キャッチコピーが “そっと添えられる” ようにレイアウトされていること、しかし、一度気が付いてしまえば、そこに存在していることを “無視できない” ことなどから明らかなように)、モデルとして起用された加賀楓の魅力を知り尽くした見事なものであったことが知られている。
2021年のポスターも、これまでの企画の中で採用されてきた加賀の写真があしらわれている。その(加賀楓が参加してきた)歴史が一望できるかのようなデザインが、同時に、伝統として伝えられてきた温泉だけでなく、風景から人々の生活まで、受け継いできたものを大切に未来へつなげていこうとする加賀温泉郷の志とも奇妙にマッチしており、コンセプトとして意識的に設計されたのならば実に見事だとの声すら拾うことが出来る。
またポスター全体にサインのように書き込まれているローマ字での「Kaga Onsen Kyo」という走り書きが、その「K」の字の特徴的な反り返りから、加賀楓直筆のものではないかとするファンの推測も、すでにSNS上で拡散されているようだ。
すでにハッシュタグ「#貼ろうプロジェクト」でSNSを検索すると、千葉や上野から、宇都宮まで、関東の主要駅で、このキャンペーンのポスターを発見したという投稿を多数ピックアップできる。
この「#貼ろうプロジェクト」は、すでに昨年2020年の段階で、各地のポスターを一覧にして、果ては加賀楓がほほ笑む温泉郷のポスター所在地の詳細なマッピングまでネット上に公開されたものだ。
参考
■ #貼ろうプロジェクト2020
こうしたネット上での「ポスターが○○にもあったよ!」という投稿から、それらを一元化してマッピングする営為まで、すべてはファン有志によるボランティアによるものだ。
さて、言うまでもないことを続ければ、この主要な駅にポスターを貼り出すキャンペーン自体は、加賀温泉郷の広告宣伝の一環として行われていることだし、それは加賀温泉郷の知名度向上、ひいては、集客の向上による利益を目的とした “大人の思惑” に立脚したものだ。
一般に、ファン活動に邁進する “ヲタ” は、分野による違いこそあれ、そうした “大人の思惑” には(「嫌儲」というタームすらあるほど)拒否感を示すことの方が多いとされるが、にもかかわらず、上述のとおり、このキャンペーンへの有志の貢献は、実に献身的なものでもある。
これが、実に不思議な事だとする声もある。
それこそ、”所詮アイドルのファンなんてもんは、アイドルの写真を載っけとけば、なんだって喜んで協力するだろうよ” といった浅薄な目論見があったならば、一番に敏感に反応するのがアイドルのファンという人々だったりもするので、いかにもこの加賀温泉郷キャンペーンの盛り上がりは、事情通にとってこそ、奇妙に映ると言うわけだ。
そうした “常識的” な観測のとおりに、単純に、利益を上げる事だけを目指して、あからさまにファンを利用しようとしたのであれば、潔癖なファンから拒否されてしまったであろう。しかるに、この加賀温泉郷のキャンペーンは、2018年から今日までの流れを追うならば、こうした “常識的” な観測が当たらないことは明らかでもある。
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タレントとして起用した加賀楓はもちろん、そのタレントに吸引されるファンすらも、大切に扱ってきてくれたというだけではない。上に、過去の加賀楓の写真が流用されている点が、温泉郷を次世代に伝えていこうとする志ともマッチしていることに触れたように、あるいは、ポスターのレイアウト自体が、加賀楓の魅力を深く理解するところからデザインを起こしているようであったように、加賀温泉郷の取り組みの真摯さがファンにも伝わっていることが明らかだからだ。
愛するアイドルの魅力を深く理解するがゆえに、キャンペーンの企画者・広告担当者が同じようにその魅力を理解してくれていることが伝わるのだろう。だからこそ、多くのファンが、嬉々として(キャンペーンに巻き込まれていることを自覚しながら)発見を報告し、献身的な情報集約にも、ボランティアで邁進しているのだろう。
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いまや、こうしたキャンペーン周辺の、”大人” である企画者から多くのファンまで、たくさんの人々の(嬉し気な)振る舞いも含めて、加賀楓の魅力にカウントしないわけにはいかないだろう。
加賀温泉郷の観光キャンペーンとしてJRの主要駅にポスターが貼り出される企画は、コロナ禍にあえぐ2021年も、果敢に実施された。
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