つばきファクトリー、聖地中野で見せた “麗しい嫋やかさ” から “健やかな疾走感” への変化!

おどろきの疾走感 さよなら中野サンプラザ音楽祭

オープニングは、新曲でもある『七分咲きのつづき』ですが、その明るめのミディアムな旋律は、同様に明るめの楽曲が連続した後で繰り出されてこそ映えるかと思うところ、オープニングでいきなりぶっ放しても、やっぱり客席をニコニコさせるのは、さすがです。いや、明るくて前向きな曲ですよねえ。

2曲めの『スキップ・スキップ・スキップ』へと続きますが、わたくし、個人的に、この曲、明るくて前向きで弾むようで(その足元のダンスの弾み具合も相まって)大好きなんですよ。何なら『今夜だけ』とか『アドレナリン』みたいに、つばき鉄板とされる勝負曲以上に、この『スキップ・スキップ・スキップ』が好きなほど(どこか、アンジュルムにあって、『大器晩成』や『46億年』よりも『愛すべきべき Human Life』に魅かれるのにも似て。いや個人的ですけれども)。良い曲です。肝心要の「♪愛してる」ってパートが河西さん担当なのも、楽曲が盛り上がったところで、左右のシンメでバレエ風の回転を決めてる八木ちゃんと真琳ちゃんも。

続けて披露される『うるわしのカメリア』ですが、リリース当初の、楽曲に歌われている “明日を展望する今は未だ幼い女の子” の形象はリトキャメが担いつつ、そんなことを歌っていた “あの頃は幼かった” けれども、今はすっかり大人びた美しさを纏い始めたお姉さんたちが、一つのグループ、一つの楽曲の中で、時間の変遷と継承のモメントを体現してくれているようで、素晴らしいですね。

ご挨拶のMCは、発声とスタンディングが解禁になりつつ、しかしジャンプ禁止だったり周囲の迷惑にならないようにといったライブ中の注意が瑠乃ちゃんからと、意気込みは小野田さんと真琳ちゃんです。この意気込みは、そのまんま定型文でしたけど、誰が意気込むかは事前に決まってるのかな。なんか指名されてビックリしたような真琳ちゃんが可愛かったですよ。

序盤から中盤にかけて、9人体制時代の印象的な楽曲が固め打ち(『ふわり、恋時計』、『春恋歌』、『ナハモヨウ』、『純情cm(センチメートル)』、『三回目のデート神話』)。
あたかも、それこそ嫋やかな乙女の情景を歌う健気な楽曲から、徐々に加速度をあげて疾走が感じられるような順番に並べられているようです。

印象的だったのは『春恋歌』の中盤、瑠乃ちゃんと理子ちゃんがセンターで向き合っている場面、ずっと年上な理子ちゃんと対峙して、しかし負けずにしっかり美しい豫風さんも、ずっと年下の瑠乃ちゃんに対峙して、しかし劣らぬ可愛らしさで眼がクリクリな理子ちゃんも、いったい(大人な魅力か、あどけない幼さか)どっちに基準をおいて、どっちに驚けば良いのか、わからなかったところ。いずれにせよ、素晴らしかったです。

なお、『ナハモヨウ』にて、客席からのコールを統制する「はい、せーーの!」の掛け声が復活していたことを併せてご報告。

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ここでMCってことで、リトキャメの4人が残って、加入してから成長したことというテーマでトークです。その概略は下記に掲示しますけど、やはり真琳ちゃんが愛らしく印象的でした。

リトキャメ 加入してから成長したこと 概要
福田真琳自然にニコって笑えるようになりました。ファンの皆さんにお会いできて嬉しい時も♪
会場から「わらってー!!」→ 真琳ちゃんニッコリ♪
「はい、おわり!」って、ぶった切る真琳ちゃん
豫風瑠乃シルエットの見せ方が成長しました!
八木栞人と喋るのが上手になりました♪
河西結心人前で喋ること!成長しました!

リトキャメが残ってトークを… っていうのが衣装チェンジの時間稼ぎかと思ったら、そうではなく、先輩たちは水分補給か汗をふいて髪形を整え直しただけで、そのまんま再登場します。

続けてのメドレー(?)パート終盤でメンバーが交代で引っ込んで、そのタイミングで衣装チェンジ。『恋のUFOキャッチャー』から『アイドル天職音頭』へとメドレーかと思ったら、『アイドル天職音頭』から『恋のUFOキャッチャー』へ戻ったりと、楽しい場面でした。『アイドル天職音頭』は、どうしても希空ちゃんの「♪はいっ」だとか「♪ぃえいっ」っていう(声は出してないけど)調子取りの掛け声(を口パクでやってる)に注目ですよね。

同じように『断捨ISM』と『だからなんなんだ!』 をループする出たり入ったりのメドレーで、『だからなんなんだ!』に切り替わったタイミングからは岸本、秋山、小野田、河西、真琳の5人がステージでパフォーマンスして、他のメンバーは衣装チェンジです。この『だからなんなんだ!』 では、やはり小野田さおりんに注目なんですけど、今般、福田さんのところの真琳ちゃんが、シュールさでも小野田さんに追従しつつあります。

岸本、秋山、小野田、河西、真琳が衣装チェンジに引っ込んで、入れ替わりで山岸、希空、谷本、小野、八木、豫風が登場して『約束・連絡・記念日』を。続く『独り占め』で再度全員がそろって、ここから本編後半戦ってところ。『独り占め』の独特なステップを、リトキャメの4人が危なげなくこなしているところは、そのステップが実に見事だったとある先輩メンバーのことやなんか、いろいろなことが脳裏を去来したりしなかったり。

楽曲終盤、下手側の2段目のところで、くっついてイチャイチャしていた希空ちゃんと安美ちゃんをしっかり目撃しつつ、小野田さおりんの気合の入り方に驚いたのが『マサユメ』です。

以降、リトキャメ加入以後の疾走感あふれる楽曲が固められます(『間違いじゃない 泣いたりしない』、『涙のヒロイン降板劇』、『アドレナリン・ダメ』、『愛は今、愛を求めてる』)。さすがに『アドレナリン』の鉄板具合には唸りますが、やはり『間違いじゃない』や『愛は今』は強いですね。はやく映像化商品、出ないかな。

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ここで本編最後の曲を残して、本日の感想のご挨拶を。それぞれに中野サンプラザへの思い出も語ります。

終わりのご挨拶 概要
豫風瑠乃中野サンプラザで皆さんの声を聴くのは最初で最後です
福田真琳こんばんワラビー♪
中野サンプラザに最初に立った時は、まだ自己紹介だけしかできませんでした
八木栞生チョコと長ネギの照り焼きを、中野サンプラザのステージで差し入れしたんです。美味しいって言ってもらって、お料理がんばろうって思ったんです♪
河西結心喋るのが苦手だったのに成長しました
私、カウボーイなので、皆さんの心を今から(投げ縄で)捕まえちゃいますね、行きますよ!!
河西さんの要請に従って、投げ縄で捕まえられて「うわああ」と叫ぶ客席
秋山眞緒この会場で、何度、呼び出されて叱られたことか
小野田紗栞今日の紗栞、かわいかったですか~~!?
そう言いながら、しっかり客席にマイクを向けて準備万端な小野田さん♪
小野瑞歩声出しも解禁になって、座席も一つ飛ばしとかじゃなくて、フル仕様で、つばきファクトリーだけで中野でライブができました
岸本ゆめのテッカテカに汗かいておりますが、私の「右肩の急成長」というは、この中野で誕生したのです♪
谷本安美スタンディングを「立ち見」と言いつつ…
たのしかったですかあ~~??
新沼希空まだ愛知から通ってた頃、ライブに出たりするときはホテルに泊まってたんだけど、ホテルのパジャマで会場入りしちゃったことがあって、それが中野サンプラザでした♪
山岸理子2012年の冬のハローで、研修生として最初に立った
そのときは、憧れの鈴木愛理さんがお隣で、左側に愛理さんがいたもんだから、左手を全然動かせなくて、ちゃんとダンスできないくらいだった

このタイミングで、なんと安美ちゃんのサブリーダー就任も告知されたんだけど、そちらは記事を改めましょう

聖地中野の思い出をそれぞれに語りながら、たった今、サブリーダーに指名された安美ちゃんから促された本編最後の楽曲は『ふりさけみれば・・・』。昨年のPARADEツアーの感動的なVTRのBGMでもあった楽曲です。名曲ですよね。

アンコールを求める “つばきコール” も復活しています。
そんなコールを受けて再登場してきたメンバーが披露するのは、つばきファクトリー6人体制での初めてのパフォーマンスだった『17才』(これに絡んで、私たちも初披露だったんだと秋山さんが研修生時代のお話をしたことは記事冒頭で述べた通り)、中野サンプラザがメジャーデビュー曲を初披露した場所であったということで『初恋サンライズ』、そして最後に、リーダー理子ちゃんが「大好きなサンプラザに思いを込めて♪」と述べて、つばき史上、したがってハロプロ史上、したがって日本歌謡曲史上、最高にコケティッシュな『My Darling ~Do you love me?~』をもって、中野サンプラザ最後の、つばきファクトリーのライブは幕を閉じました。

素晴らしい体験に貢献してくれた場 中野サンプラザ

ジャンプ行為を除く諸々は復活しています。
ですから、これまで着席観覧だったり、お隣が空いていたり、前後の列が互い違いになっていて見やすかったりすることに慣れてしまった報告者は、ギュウギュウに座席の余裕なく詰め込んだ客席だったり、周囲の席の人との隙間がなかったり、隣でフリコピする動作や後ろでペンライトを振ったりするのがぶつかったりすることを警戒していたんですけど、そんな事前の警戒は、オープニング、『七分咲きのつづき』で、楽曲の進展に応じてセンターに出て来た希空ちゃんと眼が合った(かのように思えた)瞬間に霧散します。

以降はもう、楽しい、嬉しい、可愛い、素晴らしい、といったようなことしか思い浮かばない次第。

部分的には公式の配信チャンネルだったり、全体でも、映像化されたDVDなどがあったりしますが、いったい何が違うのか、微細な空気の振動を、聴覚を超えて僅かな体毛で感じ取っているような差分が利いているのか、どうにも現場で感じられる楽しさと嬉しさは格別です。それは、つばきファクトリーに限らないわけですが。

そんな素晴らしい体験を、数限りなく私たちにもたらしてくれたハロプロと、そんなハロプロのパフォーマンスの場を提供することで私たちの人生の喜びに貢献してくれた中野サンプラザへ感謝を込めて、『さよなら中野サンプラザ音楽祭』に登壇してくれた つばきファクトリーのステージの報告を〆たいところです。

(文=kogonil)

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