小片リサ、初のオリジナル曲も飛び出して、可愛さと円熟味が入り混じった 『bon voyage! 』5月公演 in COTTON CLUB

静かに円熟味を増す小片色

今回初披露となったオリジナル曲『どっち』については、ミディアムテンポで、それこそ落ち着いた雰囲気の良曲って感じでしたけど(そして「覚えて欲しくて」小片さんが何度も話題にしていた可愛さは、述べたとおり)、セトリの締めとなる『いのちの歌』との組み合わせで、本公演の冒頭と終局を飾る、実に見事な一曲だったかと思います。

というわけで、まずはセットリストを。

小片リサ「bon voyage!」 in COTTON CLUB
2022年5月17日 (火) 
小片さん、オリジナル曲初披露で、覚えて欲しくて何回もトークのタイミングで繰り返し告知してたのが超可愛い
小片さん髪を下ろしてドットの新衣装で
01・オリジナル曲 『どっち』 |小片リサ(表記不明)
02・『部屋とYシャツと私』(平松愛理)|小片リサ こわいよ小片さん
03・『夢の中へ』(井上陽水)|小片リサ
04・『メロンのためいき』(山瀬まみ/時東ぁみ)|小片リサ
05・『ブギウギLOVE』(カントリー・ガールズ)|小片・田﨑・長谷川・川名・為永
06・『宇宙でLa Ta Ta』(太陽とシスコムーン)|小片・田﨑・長谷川・川名・為永
07・『大好きだから絶対に許さない』(モーニング娘。)|川名凜・為永幸音
08・『ラブストーリーは始まらない 2022 Ver.』(Bitter & Sweet)|田﨑・長谷川
09・『涙の糸』(Bitter & Sweet)|田﨑・長谷川
小片さん赤い衣装で髪は下ろしたまんま ダンスパフォーマンス
10・『雨音はショパンの調べ』 |小片・川名・為永
11・『SEXY』 |小片リサ
12・『たそがれマイ・ラブ』(大橋純子)|小片リサ
ちょっとトーク(小片リサ、田﨑あさひ、長谷川萌美)
13・『ないものねだり』(Bitter & Sweet)|田﨑・長谷川
14・『誰にもナイショ』(Bitter & Sweet)|小片・田﨑・長谷川
15・『ルビーの指輪』|小片リサ
16・『真夜中のドア ~stay with me』|小片リサ
17・『私がオバさんになっても』(森高千里)|小片リサ 単純なBOX踏んでるんじゃない!
今日の感想(小片リサ、田﨑あさひ、長谷川萌美、川名凜、為永幸音)
18・『青空がいつまでも続くような未来であれ!』 (モーニング娘。)|小片・田﨑・長谷川・川名・為永
↓↓↓↓↓アンコール↓↓↓↓↓
白いドレスの小片さん、髪は下ろしたまんま
19・『いのちの歌』|小片リサ
髪を下ろした小片さんがとても美しく、川名ケロちゃんが可愛かったよ

繰り返し、冒頭のオリジナル曲『どっち』と、ラストを飾る『いのちの歌』に触れますが、これらはいずれも、”いつか必ず来るその日” のことを前提に歌われていて、初披露のオリジナル曲は、これまでも risa voyage! のエンディングとして感動的に歌い上げられてきた『いのちの歌』との組み合わせで、かなり鮮烈な印象を残すことになった次第です。

このように、セトリの構成も、そしてエンディングの『いのちの歌』も、徐々に円熟味を滲ませるようになって来ました。うっかり “円熟味” だなんて言葉を使いましたけれども、小片リサさんのオリジナル公演、開催を重ねることで、実に味わい深い公演となって来ていることに驚きます。

かの『ルビーの指輪』の渋さが増していることもそうなら、”薄幸の美女” と言われた頃の雰囲気から、元来のオリジナルよりも一層(「毒入りスープ」的なところが)怖い『部屋とYシャツと私』なども、もはや令和の小片リサが歌うからこそ!って味わいが出て来ています。『私がオバさんになっても』でのステップも、単純に四角形のボックスを踏んでるんじゃなくて、それぞれの辺ごとに軽く足踏みして八角形でステップ踏んでたりします。

さらにはカントリー・ガールズの『ブギウギLOVE』や太陽とシスコムーンの『宇宙でLa Ta Ta』との並びで、『メロンのためいき』を歌ってくれたことについては、下手なヲタクよりもずっとレベルの高いヲタクである小片さんの真意を測りかねて客席が混乱することにもなりました。小片さんは、この楽曲のセレクトについて、ご挨拶で「山瀬まみさんの曲」である旨、述べてたんですが、その際に「みなさんご存知ないかも知れませんが、そういう曲があるんです」とも発言しており、そして、この『メロンのためいき』については、小片さんが研修生となる以前からの筋金入りのファンによって “トレイニー時代によくカバーしていた時東ぁみ版ではないか” とも指摘があって、もしかして小片さん、ファンを試しているのか?とすら思えるほどだったり。

そんなことも含みつつ、『青空がいつまでも続くような未来であれ!』 の楽しさが亢進していたり、本当に回を重ねるにつれ、ますます味わい深くなっていく小片さんの公演だったのでした。

もちろん、Bitter & Sweet の歌声とハーモニーも素晴らしかったし(セレクトされる楽曲も素晴らしかったし)、ゲストダンサーの為永さんと川名凛ちゃんの(初めてなのに、さすがに激しめのアンジュルム仕込みな)サポートダンサーっぷりも、実に見応えがありました。しおんぬとケロちゃんが歌ってくれたモーニング娘。の『大好きだから絶対に許さない』についても、繰り返し、ハロプロの育成のメソッドの強力さを改めて実感できたと言えば、その実演の程が、ある程度、お伝えできるのではないかと。

続けてくれることの奇跡を

ここまで、その素晴らしさを伝えてきた小片さんのオリジナル公演ですが、報告者が参加できた5月17日には、ハロプロ界隈でとても切ないお知らせがありました。そのためか、小片リサさんという稀有の歌い手が、私たちの前で歌い続けてくれていることの貴重さを思います。

というわけで、そのオリジナル公演が開催を重ねるにつれて(可愛さを垣間見せながら)円熟味をすら醸し出しているように、小片さんがステージに立つことを選択してくれたことの幸運を思わないではいられません。

そして繰り返し。
オープニングの『どっち』とエンディングの『いのちの歌』が、いずれも “いつか必ず来るその日” を前提にした楽曲であることの意味合いと、今こうしてステージに立って客席に笑顔を向けてくれていることの(そうでなかったことだって十分にあり得た)偶然性の奇跡に、思い至るのでした。

まあ、以上を総合して意訳すれば、”小片リサさん、めっちゃ魅力的” っていう一言で終わるわけですけども。はっはっは。

(文=kogonil)

エンタメアライブでは、皆様からの投稿を募集しています。
詳しくはこちらを御覧ください『寄稿について

コメント

名前*必須