SAYUMINGLANDOLL~さゆとファンと夏~〔承前〕
オープニングの『ラララのピピピ』で、もちろん客席のボルテージはいきなりガン上がりなんですけども(道重さんド定番ですからね)、しかして、このオープニングからして、これまで私たちが慣れ親しんできた『ララピピ』とは、どこか勢いが違います。
初っ端からボルテージ最高潮
登場してきた道重さんは、グッズの写真のとおりの学生服風の衣装に(それが似合うことにも驚いた次第ですが)、髪形のみポニーテールですが「やっぱり可愛い!」って印象が脳内で言語化されるに先立って、どこか精悍な雰囲気も。いつもなら眼の奥で「うふふ」って笑ってるような表情の道重さんですが、ライブハウスのステージから客席を睥睨するような、目線にも精悍さが漂っております。
SAYUMINGLANDOLL オリジナルの楽曲から『形而上的熱視線』、『へゔんな人たちに捧げる歌』と2曲続けますが、『形而上的』のアップテンポでコロコロしたイントロからして、どこかしら、なんとなく、流れが速く、展開が急な感じで、会場の温度はあがりっぱなしです。道重さん、すげえ!!って、この辺りでようやく意識化。
そう、SAYUMINGLANDOLL オリジナル楽曲なんですよ。
だから、楽曲それ自体はサブスクも解禁されたし、毎度CDは発売されるし、YouTube でも確認できるので、熱心なファンは、楽曲には慣れ親しんでいたとしても、楽曲に応じた合いの手やコールや客席側のフリつけは、道重さんのオリジナル公演に “通っていなければ” わからないはずなのです。しかるに、その日に発売されたばかりのハズのピンクのTシャツに身を包む謎の集団は、躍動するステージ上の道重さんに呼応して踊ること、踊ること!
正しいですよね!
軽いMCからのオリジナル楽曲ブロック
ファンクラブ限定ライブという形式は初めてであること、ここにいるのは “変な人” ばかりなのだから、歌詞を飛ばそうとも、足を攣ろうとも、安心していられると、短いトークの合間に、さまざまな時点へ向けての自己言及を絡めて、客席のファンは、あんなこともあった、こんなこともあったと思い出す次第で、道重さんのトークは(意図してなかったとしても)絶妙の構成です。
みんな、ふらっと好きなんじゃなくて、ちゃんとさゆみのことが好きな人ばっかり… 「なんでしょ?」と圧強めに押して客席に “確認する” あたりも、いかにも道重さゆみさんです。
続けて SAYUMINGLANDOLL オリジナル楽曲から5曲ばかりセレクトされますが…
04・『I Have a Dream』 05・『フレンズレンズ』 06・『た・り・な・いLOVELY』 07・『ダーリン、寂しいな』 08・『ダイスキ・フロンティア』 |
いや、このブロックの “疾走感” たるや、凄まじかった。
とりわけ『フロンティア』にて、バックダンサーと併せて、どこか西部の荒野を馬に乗って疾走するかのようなフリ付けが入っていて、すでに何度も述べたこの日の道重さんの動きのストロークの長さや速さとも相まって、気持ちが追い付かないほどの駆け抜けるような激しいブロックでした。
息を整えて歌いたいから
オリジナル楽曲の疾走ブロックを経て、「次の曲は、息を整えてから歌いたいので」と言って、水分補給する道重さんです。
そんな大事に歌いたいのは、どんな曲かと思ったら、なんと『弱虫』を。
『泣いちゃうかも』のカップリングで、当時も、道重さんのソロ歌唱だったですよね。
そんな楽曲に続いて、以降、たいへんに嬉しいモーニング楽曲のブロックとなります。
09・『弱虫』 (モーニング娘。) 10・『歩いてる』 (モーニング娘。) 11・『愛しく苦しいこの夜に』 (モーニング娘。) 12・『It’s You』 (モーニング娘。) 13・『Fantasyが始まる』 (モーニング娘。) 14・『大きい瞳』 (モーニング娘。) 15・『トキメクトキメケ』 (モーニング娘。) 16・『彼と一緒にお店がしたい!』 (モーニング娘。) |
途中『It’s You』など、バックダンサー橋本さん堀江さんのダンスパフォーマンスかと思いきや、すぐに道重さんが(そのプロのダンサーのガチパフォーマンスへ)参加してきて、かなり激しめのダンスを伴ってお送りされます。
この『It’s You』については、現役時代、同じようにバックダンサーを従えて歌ったんだけど、当時のバックダンサーは高橋愛ちゃんと亀井絵里さんだったので、スタッフさんから「バックダンサーの方が目立つぞ」と苦言を呈されていたのだと告白する道重さんです。当時は悔しくて泣いたこともあったけれど、今にして思えば、愛ちゃんと絵里なんてメンバーをバックダンサーとして従えていられる私ってすごくない?って思うのだとか。
大人になりました、とか言ってます、道重さん。
それにしても『Fantasy』から『大きい瞳』あたり、披露してくれて嬉しく、なんというか、この辺りの流れは、わたくし、客席にあって、脳内では「うきーーーー!!!」といった言語化以前の謎の衝動に駆られるほど。この辺りの定番ラインは、何度聴いても嬉しい次第ですが、すでに何度も述べたように、この日の道重さんは、あらゆる動きが激しくて、実に素晴らしいものを見せてもらったのでした。
新四文字熟語「道重従順」からの怒涛ブロック
これまた嬉しい『彼と一緒にお店がしたい!』の後、すこし息調整タイムです。
上の『It’s You』のタイミングで、最初、バックダンサーのダンスパフォーマンス パートかな?と思ったのは、一瞬だけ道重さんが裏に引っ込んだからで、すぐに出て来てパフォーマンスに参加したんですけど、暑かったのか、最初来ていた淡いブルーのベストを脱いで再登場していたんですね。で、この『彼と一緒にお店がしたい!』おわりで、いったん落ち着いて、自分の肩辺りを触って道重さん驚いています。「ベスト着てない!」って。
すぐに気付いて「ベスト、自分で脱いだんだった」と言っていますが、最初は「自分で脱いだんだったんだった」とか言っており、「『だ』が多いよね」と改めて自己言及して笑っています、道重さん。
昔のエピソードを語ってくれたのもこのタイミングですが、まずは息を整えて水分補給するから、みんなも水分補給してねと。そしたら、言われた通りに客席が一斉に水分補給するものだから、その様子に笑って「道重従順だ♪」などと言ってます、道重さん。
ここからは、オリジナルの SAYUMINGLANDOLL 楽曲にあっても、名曲との誉高い楽曲が連続します。
17・『キラキラは1日にして成らず!』 18・『好♡フルーツランド』 19・『サユミミライ』 20・『マインとパンゴー』 21・『私の時代!』 (モーニング娘。) |
わたくし、個人的に『サユミミライ』が超好きで。
そこからの『私の時代!』ですから、もう、うっかり気を緩めると失禁しそうなほどだったんですが、情動の方は、すっかり失禁済ってところです。
ご挨拶からのアンコール
バックダンサーごあいさつでは、なんと橋本さんが、当日(7/3)お誕生日だったってことで、バースデーを歌う流れに。もちろん「私のバースデーライブなのに、誕生日当日だなんて気まずくない?」という道重さんの笑顔の突っ込みも含めて。
せっかくなので堀江さんもってことで、誕生日は5月だったけれど、まあ近いじゃん、ってことで、堀江さんも客席からお誕生日をお祝いされてしまいます。
それぞれに今後の抱負を述べて、ラストは、道重さんの(SAYUMINGLANDOLL ならざる)真正面からのオリジナル楽曲である『OK!生きまくっちゃえ』です。わたくし、個人的にこの曲が超好きで。
会場をゆるがす「さゆみん」コールに応えて、アンコールでは、グッズのTシャツにダメージ・ジーンズ風のボトムスで登場してくれる道重さん、『SAMSALA』を歌ってくれます。しつこいようですが、わたくし、個人的にこの曲が超好きで。正式なチャンネルではないのでリンクするのは微妙ですから、曲名で検索すれば、いろんな動画が出てくるので、是非聴いてみて欲しいところです。個人的にこの曲が超好きなもので。
論理的に正しい楽曲
アンコールのトークでは、横浜Bay Hall ってことで、先日、八景島シーパラダイスでシールをもらえなかった話をしてくれる道重さんです。ポイントは、そういう残念なエピソードであっても、こうして、みんなの前で話して笑えるから、私は、みんなのおかげで、どんなにマイナスなことがあってもプラスにできる。みんなのおかげで、私の人生は、常にプラスだ、と客席を巻き込んで、異様にポジティブな結論に達したところでしょうか。
道重さゆみさんは(必ずしも上手く行くとは限らないけれど)事前にトークの構成なども入念に仕込んでくることが知られているわけですが、なんか、上のお話など、どんなマイナスもみんなの前で笑い話にできることでプラスにできるって、そういうプロットを思いつける道重さんという人の愛らしさこそがポジティブですよね。
そんなトークと笑いに興じたラストに歌ってくれたのは『Happy大作戦』です。
わかってます。うるさいって思われるでしょうけれど、それでも、わたくし、個人的にこの曲が超好きで。… ってか『Happy大作戦』、すばらしい楽曲ですよね。
繰り返し個人的には、℃-ute の『最高ミュージック』と つばきファクトリーの『最上級Story』に加えて『Happy大作戦』の3曲は、人類の楽曲遺産とすべき超名曲であり、倫理的にも、論理的にも、非常に “正しい” 楽曲だと思っていたりします。
道重さゆみが選んだ場所
かつてバラエティ番組を席巻していた道重さんが再生したときに、こじんまりとファンとの(どこか閉鎖的でもある)オリジナルのステージに… いわば閉じこもるかのような活動を選択したことを残念に思う向きもありました。
なんか “個人的なこと” 多めのレポをお送りしていて恐縮ですが、報告者は、必ずしもテレビのバラエティに出ていくことが “売れた” ことになるとは思っておらず、とりわけ昨今の情勢では、むしろテレビ “なんか” には出て行かない方が良いのではないかと思っていたりします。
が、それでも、メンバーたちが魅力的であればそれだけ、(テレビじゃないとしても)広く世界に知られて欲しいと思います。
そんな中、道重さゆみさんは、いくらでも他に選択肢はあっただろうに、こうして、自分のファンと向き合う活動を、あえて選択してくれています。繰り返し、ふらっと好きなんじゃなくて、しっかりちゃんと、さゆみのことを好きな人ばかりだから、変な人の集まりだから、歌詞を飛ばそうとも、足が攣ろうとも、怖くないって。
そんな道重さんは、このバースデーの特別ライブを経て、『SAYUMINGLANDOLL〜さゆと君と夏〜』と称して全国6都市で12公演のライブツアーを敢行します。道重さん曰く、全公演SOLD OUT になったら『赤いフリージア』を歌います、って。
みんな、聴きたいでしょ?って、道重さんは、そう言ってましたよ。
もう最初っから最後まで、全部、正しいですよね。
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