モーニング12期がそろった日に ~ハロプロの真摯さについての挿話~

9月30日は、2014年に武道館で、当時のリーダーである道重さゆみに促されて、12期メンバーがお披露目された日でもある。

その記念日に、モーニング娘。12期メンバーが『野中美希・牧野真莉愛・羽賀朱音 FCイベント 〜THE JUUNIKI 2024〜』と題して、荒川区民会館大ホールにてファンクラブイベントを開催した。このファンクラブイベントが注目されているのは、その現場に、12期からの卒業生である尾形春水が訪れていたから。12期の4人がそろったことが、各メンバーのブログなどで報告されているからだ。

尾形春水は12期メンバーのなかで唯一の卒業メンバーで、2018年に卒業して以降、個人で活動し、アイドル卒業組の『カオスピピス』や『Youplus』といったグループに所属したり、逆に運営側でアイドルグループをプロデュースしたりしている。モーニング娘。在籍時には、美しいルックスでもファンの眼を惹いていたが、在籍時から何かと不安定であっただけでなく、卒業後の様々な活動については、これまで公式には特に触れられることもなかった。

卒業後に、たとえば、女優として活躍するメンバーなどと比べても、12期OGの尾形については、あまり言及されることもなかったことから、どこか暗黙の了解があるのだろうと、ファンにもメタな暗黙の了解があったが、この2024年になって、12期メンバーが久しぶりに揃うことになったというわけだ。

そんな9月30日には、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』を最後に芸能活動を終了すると告知していた元13期メンバーの加賀楓が本格的に芸能活動を終了したことを含め、自身の SNS で最後のポストを公開した。

加賀楓は、元モーニング娘。の13期メンバー。
2016年の末にモーニング娘。に参加し、2022年の武道館公演でグループとハロプロを卒業している。モーニング娘。加入前の研修生時代から、その真摯で正直な取り組み方が、ステージへの向き合い方が観る者を感動させることでファンを獲得していた加賀は、同じ名前だという “ちょっとした思い付き” から、加賀温泉郷の観光大使をつとめ、そこでもまたファンを感動させた正直な取り組み方が評価されていた(記事末関連リンク参照)。

そんな加賀だからこそ、卒業後の『ムーラン・ルージュ』への参加が、いかにも加賀らしいと多くのファンから歓迎されていたが、同時に、その2024年の千穐楽をもって芸能活動を終了するとの知らせが、ファンを驚かせてもいたのだった。

その最後のメッセージには、またどこかでステージに立つ未来がないわけでもないかのように読める部分もあるが、迂闊な予測は慎んだ方が良いだろう。

このように、2024年9月30日、12期メンバーがそろった日に、元13期メンバーの加賀楓は、最後のメッセージを公開した(また、この日は、元つばきファクトリー メンバーの小片リサも、所属事務所を離れており、同様に最後のメッセージを公開している)。

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余談めくようだが、ひとつの挿話を紹介したい。
モーニング娘。の2024年春ツアーを追った最新のバックステージDVDマガジン(→ こちら)で、上記の12期メンバーである牧野真莉愛は、大好きだと公言してはばからぬ道重さゆみのグッズTシャツを(常に|今尚)着用している。また2024年の夏に開催された道重のライブにも牧野が訪れていたことが、道重のSNSによっても広く周知されている。

一方で野球観戦中の外野席での応援のようすが球場のスクリーンに抜かれたり、外部の仕事でも共演者に愛されていることが話題となったりする牧野だが、その一貫した道重への愛情… というか忠誠心には、多くのファンが驚いているわけだが、それは牧野の場合には、あくまでファンの目にも見えやすいというだけのことなのかも知れない。

2024年9月30日、12期メンバーがそろった日に、元13期メンバーがファンへの最後のメッセージを公開した。

モーニング娘。の、ハロー!プロジェクトの、一貫した真摯さは、あくまでファンにも見えているものは、ごく一部でしかないということなのかも知れない。

(文=椿道茂高)

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