加賀楓、控えめで誠実でいながら強い 卒業公演の武道館 〜SINGIN’ TO THE BEAT〜 加賀楓卒業スペシャル

モーニング娘。’22 25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR 〜SINGIN’ TO THE BEAT〜加賀楓卒業スペシャル〔承前3〕

MC(加賀・横山)

ようやくここでパフォーマンスの切れ目です。ようやくMCってわけで、担当は13期。コミカルな展開に走ろうとして(このMCのリハーサルは本編のリハーサルよりも前から2人で重ねていた…とか)スベっていたり、ほんとに、ようやくのトークです。

13期で実現できなかったバスツアーのため、加賀ちゃんに卒業後はファンクラブに登録するよう強要する横山さんとか、いろいろあってから、加賀ちゃんに後を託して準備のために横山さんが引っ込んで、後半戦に向けての口上を述べようとして見事に失敗してやり直す加賀楓さんとか。

13 忘れらんない(小田・横山)

こんな懐かしい楽曲、ってか、前世紀の安倍さんの楽曲のカップリングだから、ぶっちゃけ、ほとんど新曲レベルです。デコ出ししていたはずなのに、微妙に前髪が乱れる小田さくらさん、色っぽいです。

14 Take off is now!(石田・加賀・岡村)

オープニングの座り込んでのダンスが圧巻ですが、そんなダンスを披露する石田さん、加賀ちゃんといったスキルフルでフィジカルが優れた先輩に、しっかり追従する岡村ほまれさんに胸を突かれます。って、ほまれちゃん、口紅のリップの色が、頬のファンデーションと対比も鮮やかな紅色が目立って、なんか… いつの間に?とか思ったり。

15 愛して 愛して 後一分(譜久村・生田・野中・山﨑・櫻井)

衣装チェンジして出て来たメンバーですが、2着めの衣装の愛生ちゃんの愛らしいこと
回廊ステージに散ってパフォーマンスするメンバーですが、さすがに譜久村さんの自在さには眼を奪われるところです(愛生ちゃんを見ていたいのに!)

16 大きい瞳(牧野・羽賀・北川)

6期推しの私のようなファンからすれば、うっかりすると “ふざけんな” といった感想が飛び出しかねない楽曲ですが、納得と大満足のパフォーマンスとなります。

いやスキルフルな先輩に余裕で追従する岡村さんとか、衣装がコケティシュ過ぎる愛生ちゃんとか、15期に意識をもっていかれまくりな中盤の展開ですが、この楽曲で、改めて北川さんが美しいことに、もういっかい驚きます。15期、この先のモーニング娘。を牽引してくれると思うと… なんか、いろんなものが溢れそうになりますね。

そして羽賀ちゃんと牧野さん、いや、ここへ来て本当に、いよいよ12期が中心でパフォーマンスを牽引し始めているかのようで、2014年のお披露目から思えば、再度、いろんなものが溢れそうに。

17 Swing Swing Paradise

2曲めの新曲です。
オープニングをすぎた辺りで、楽曲本編に入ろうとする辺り、矢印状に、北川 → 譜久村 → センター加賀 → 小田 → 愛生 と並んで、あの半分だけ胡座をかくように内側に右足を跳ね上げる振り付けの場面で、譜久村さんと加賀ちゃんと小田ちゃんの脚を振り上げる高さたるや!
地味ながら、やっぱり眼を見張ります。

*****

新曲であることの紹介を櫻井さんが語って…

18 ジェラシー ジェラシー

後半戦にさしかかって、待ってました!って楽曲が続きます。
センターにも回廊にもメンバーが散ってパフォーマンスですが、横山さんとアイコンタクトして笑ってる加賀ちゃんが眼に入ったりして。

いや15期とか、もはや危なげなく、こうした「待ってました」曲を自在にパフォーマンスしてるのを見てると… って、12期も、いやそれこそ9期だって… いや、ほんま、いろんなものが甦ります。

19 One・Two・Three (updated)

楽曲の繋ぎ目に自在にフォーメーションを組み替えるのが、ほんとに、こうして見ていてすら、どうやってるのか不思議なほど。

先輩が歌ったレガシーを今のメンバーが歌うことに掻き立てられるファンの気持ちってものは言うまでもないわけですが、この辺りの楽曲は、めっちゃライブでやってるので、さすがに現役自家薬籠中かと。って、今現在のメンバーが、そういった具合に “自家薬籠中” にしちゃうことそれ自体がいろいろ響く次第で、我ながらファンってメンドクサイですね(笑)

20 ナルシス カマってちゃん協奏曲第5番

楽曲のタイトルはコミカルな風ですが、オープニングのセリフに続いてイントロが響いてくると、本格派… っていうか、重厚な楽曲であるとわかります、ナルシス。

いや、もはや他のグループのメンバーと比べて特に年間でのステージ経験にそんなに大きな差があるわけでもないだろうに、モーニング娘。のステージって、なんか厚みがあります。”厚み” って表現で正しいかどうかわかりませんが。

21 ビートの惑星

いつのまにやら鉄板曲です、ビートの惑星。
オープニングの小田ちゃんの斉唱が素晴らしく、サビの「♪はっぴーそんぐ」の軽快さも、”心が沸き立つ” という表現にピッタリな楽曲です。何だかんだ言って、良い曲が続きます。

22 人間関係No Way Way

個人的に、実はこの曲が大好きなのです。とりわけ、牧野真莉愛さんと、そして今般の主役である加賀楓さんがフォーメーションのセンターでキリリと真正面を見据えるところが好き過すぎて。加賀ちゃんの「♪つーたわらなーい」が。

旋律もリズムもダンスもフォーメーションも、この楽曲が好きすぎて、コロナが恨めしいのは、2019年以来、おそらく2020年のツアーではこの楽曲が大いに中心的にフィーチャーされたであろうに、それがまるっとなくなったことです。改めてここで披露してくれて、ほんとうに嬉しかった。

23 ドッカ~ン カプリッチオ

ラストスパートに、メンバーが衣装の上着を脱ぎ捨てます。ちょっと脱ぐのに苦労していた石田さんは “さすが” だとして。

この辺りで譜久村さんが汗だくなのが、なんだか可笑しくて泣けてくる不思議。生田さんの「い・く・よ!」の直前、各メンバーが左右にステップを踏んでる様子、あそこだけの日替わり写真が欲しい。

24 わがまま 気のまま 愛のジョーク

実は『ドッカ~ン カプリッチオ』の後でこの曲が続いて、ちょっと驚いた次第。
「♪まけない、まけない、まけたくないから」の直前のテッテレッテ・テッテッテって感じのところ、手でパタパタした振り付けを実演してる愛生ちゃん、超可愛いっす。

そんな愛生ちゃん、佐藤まーちゃんが卒業してから、まーちゃんから継承した「♪あ~い~さ~れ~た~い」の斉唱、今般もまた、見事でした。

*****

ようやく譜久村さんが25周年についてコメントしてご挨拶し、すぐに次の楽曲への想いを加賀ちゃんが引き取りってコメントし…

25 歩いてる

パフォーマンスに集中したい、そう事前に加賀ちゃんが述べていたことからも、これまでの流れもあって、どこか “卒業公演” であるってことを忘れかけていたのでした。でも、所々、スクリーンに切り取られる牧野さんも、北川さんも、みんな涙を我慢しているような表情で。譜久村さんや小田ちゃん、愛生ちゃんの頬に流れていたのは涙だったのか汗だったのか。

しかし、あくまでも加賀ちゃんは真っ直ぐに前を力強く見つめているかのようです。いや、ほんとにこの辺りは本気で脱帽です。もう、すっかり頭頂部が寂しくなっているけれど、脱帽です。

↓↓↓アンコール↓↓↓

特にコメントするでなく『歩いてる』終わりで引っ込んでいくメンバーたち。
アンコールの声の代わりに、客席からのクラップが会場を揺らします。

26 強気で行こうぜ!

3着め、お着物のような衣装で、メンバーたちが登場してきます。
「♪拳上げろ」が印象的な力強い楽曲、比較的短めにアンコール明けの一発目を決めてくれます。

27 What is LOVE?

元々アップテンポな楽曲ですが、間奏部分で加賀ちゃんが「まだまだ、いけんのか!?」と客席を煽る辺りは震えが来るほど。
「♪たった一人を納得させられないで世界中口説けるの?」というのは、卒業公演にあって、卒業していくことを納得させられた私たちに響くのか、それとも卒業していくことを納得したメンバーに響くのか。

…こうしたレポについて客観性に欠けるといった感想が聞こえてこないわけではないのだけれど、ライブの臨場感というか、個別の楽曲を単体で聴いているだけじゃなく、セトリに組み込まれた上で、特別な機会(卒業公演)として体験しているという点をご考慮いただければと思う次第。

MC ご挨拶と感想と

ここで今回の武道館の感想に加えてメンバーたちが卒業していく加賀楓さんへのコメントを。そして、当の加賀ちゃんは衣装チェンジのためもあってか、この場面でステージに不在です。以下、発言順に。

櫻井梨央初めて武道館に立たせていただきました。あんまり緊張はしなかったんですけど、リハーサルでは少し焦りを感じました。でも、皆さんの前に立てて嬉しかったです。
短い時間でも加賀さんと活動期間が重なったのは大きかったです。
山﨑愛生譜久村さんがコメントを促すのに、「まずは愛生ちゃんから」って言ってたのに、櫻井から、って言ったから、先輩になったんだなって実感しました♪
岡村ほまれ(ところどころ泣きそうになりながら)教育係をしてくださっていて… 「もうっ!」(← 自分の感情を持て余しているほまれちゃん)
もっといっぱい教わりたいことがあったんですけど、加賀さんのダンスに追いつけはしませんけど、それくらいの意気込みで頑張りたいです。
北川莉央武道館という大きな舞台に立たせてくれるのも先輩のおかげだし、私も後輩につないでいきたいです。基本、自分に自信がない私ですが、エールを送ってくれる加賀さんが、私にかけてくれた言葉を、次の後輩にかけられるようになりたいです。
横山玲奈どこに行ってもファンの皆さんが見えるから、どこでもセンターな感じでした。そして私の愛方、13期の加賀ちゃんが卒業で、みなさんが思ってる以上に仲良いんですよ、私たち♪
加賀が同期で良かったなって思います(ちょっと泣く)
羽賀朱音モーニング娘。に染まっていただけましたか?
けっこうイジられキャラな かえでぃ~ が大好きなんですけど、ほんとうに幸せな時間をありがとうございました♪
牧野真莉愛わたし、いっしょにはいけません!いままで、ほんとうにありがとう
冒険はまだしたいけど、私はこの国を愛しているから、いっしょにはいけません
わたしはここに残るけど、いつかまた逢えたら、もう一度、仲間と呼んでくれますか


『ONE PIECE』ネタで責める牧野さんだけど、案外ハマって、うっかり泣きそうになります(しまった!)
他のメンバーも巻き込んで拳を掲げるポーズを。さすがです、ラブリン!
野中美希いつも牧野さんの後で順番がまわってくるので可哀想な野中さん、今回は「お手を拝借」で一本締めをして空気を変えます。さすが♪

今回はオリジナリティ溢れるステージになったんじゃないかなって
小田さくら昨日の夜に楓を思ってネイルを真っ赤にしたんですけど、もう一本、剥がれてしまいました。
太陽とシスコムーンさんがいて、平家さんがいて、そんなハロプロが今に続いてることは、凄いことだと思います。これからも、皆さんの毎日を応援して行きたいと思います。
石田亜佑美皆さん拍手してくれましたけど、私は皆さんに拍手したい。拳上げろって言われても、ここ(肩の高さ)までしか上げられないもんね。この状況を理解してご協力くださる皆さん、ありがとうございます。
かえでぃ~とペアの場面も多いんですけど、なんせ彼女、脚が長いもんで、なかなか追いつかないんですよ。同じグループの中で「くっそ~!」って思えるメンバーがいることは、とても嬉しいことです
それでは!… それでは?」と、自分で発した締めの言葉に戸惑い、コメントの締め括りをグダグダにしてしまうコミカル石田さん、さすが(笑)
生田衣梨奈メンバー、けっこうな率でネイルが赤なんですよ。加賀への愛がメンバーからも伝わってくるんですよ。
譜久村聖始まる前、あんまり緊張しなくて、かえでぃ~も同じ事いってたんですけど、5分前になったら緊張し出して… 13人にとって駆け抜けた秋だったんじゃないかなって。25周年をこのメンバーで迎えられて良かったなって。
リーダーとして初めて加入してくるメンバーを迎えたのが13期だったことを覚えています。

そして黒を基調の凛とした衣装に着替えた加賀ちゃんが再登場して、そして、特にコメントすることなく、おもむろにイントロが響いてきて…

28 Give me 愛 (加賀楓)

加賀ちゃんと言えばダンスメンバーだとばっかり思っていましたが、このソロで披露してくれた『Give me 愛』で、その歌唱も含めたパフォーマンスレベルの高さに、今更ですが、驚きです。これはしっかり配信されるとのことですので下記。

加賀楓(モーニング娘。’22)「Give me 愛」本日12/10(土)24時配信スタート!

加賀楓(モーニング娘。’22)「Give me 愛」本日12/10(土)24時配信スタート!

公式サイト ニュース詳細 加賀楓(モーニング娘。’22)「Give me 愛」本日12/10(土)24時配信スタート!

【iTunes Store】
https://itunes.apple.com/jp/album/1655615857?&at=1001l39aB&ct=kaga&?app=itunes

レコチョク
https://recochoku.jp/album/A1024385275

mora(ハイレゾ)
https://mora.jp/package/43000030/UFDL-1515-HR/

しかしながら、セレモニー的なところを一気に端折っちゃって、当人、この武道館という現場で卒業についてのコメントは何もしていないのに、黒のパンツスタイルのシックな衣装で、ソロでパフォーマンスする加賀楓のその様子だけで、いろんなものを語っている不思議さよ。

29 Ambitious!野心的でいいじゃん

メンバーたちが加賀ちゃんに合流する形で、ラストの楽曲です。
いや、一人だけ別の衣装でいる卒業メンバーが、シレっと他のメンバーとのフォーメーションに組み込まれていく様子こそ、一番に感動的だったりしませんか。

さいごに 語らなかった加賀楓

最後の楽曲を終えても「関わってくれた全ての皆さま、ありがとうごさいました」と述べるだけで、特にコメントすることなく(しかしメンバーとは “やれやれ” って感じでアイコンタクトして)引っ込んだ加賀楓さん、鳴り止まぬ武道館のクラップに、ダブル・アンコールとして再度登場してくれますが、やっぱり、特段、何もコメントするわけでなく、マイクにのらない自声で「ありがとうございました」と述べるのみ。

多くを語らぬ加賀楓の背中こそが、たくさんのものを語っていたのかも知れません。
セレモニーが簡略化されてパフォーマンスをこそ見せたい… 加賀楓さんがハロプロとモーニング娘。に残してくれたものは、加賀ちゃんが明示的に語ってくれないからこそ、大きなものになったのかも知れませんね。

モーニング娘。13期メンバー加賀楓さんは、2022年12月10日の武道館を最後に、あれだけ憧れたモーニング娘。のステージを降りました。多くを語らぬことをもって、それが加賀楓らしいと、大向こうを納得させて。

(文=kogonil)

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